不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Biancone torna a stringere

2006-07-21 01:25:44 | アート・文化

2005年8月に起きたこんな事件
あれからほぼ一年。ようやく修復完成。
こんな仰々しい告知をしてました。
Biancone_01_1
この修復費用の一部を捻出するために
今年2月にはトルナブオーニ界隈の有志が創めた
アソシエーションが「カーニヴァルの食宴」を開催して
一夜にして11000ユーロを稼ぎ出したのも記憶に新しい。

Biancone_02_1
彫刻の壊れた右手の部分のみを囲うようにして組まれた足場。
重力に逆らって重い大理石の塊を接着しなくてはならないため
足場の鉄の部分は大理石の支えの役割も兼ねていたよう。

Biancone_03
こうしみじみ観ると、
そしてミケランジェロのダヴィデ像と見比べると
確かに「不恰好」。
ミケランジェロには
「なんてたくさんの大理石を無駄にしたんだよ」
とコメントされてしまった彫刻ですから。

それでも1500年代マニエリスムの傑作のひとつといわれる噴水。
これ以上災難が降りかからないことを祈るばかり。

今はそうした被害を未然に防ぐためもあって
噴水の周りには簡素な鉄柵が設けられて
近づけないようになっていますが
1500年代終わりには
もちろんそんな鉄の柵は存在しませんでした。
そして当時はこの優雅な噴水も
一般市民にとっては都合のよい洗濯場だったのです。
今でもこの噴水の右手後方
パラッツォ・ヴェッキオの壁には石碑が残っています。

そこには何が書いてあるかというと
「BANDO DEI SIGNORI OTTODI GUARDIA E BALIA
CHE NESSUNO ARDISCA INTORNO A
QUESTA FONTE A BRACCIA 20
VARIE SPORCHEZZE DI SORTA ALCUNA,
LAVARE IN ESSA CALAMAI, PANNI O ALTRO,
NE' BUTTARVI LEGNAME O ALTRE SPORCIZIE,
SOTTO PENA DI DUCATI QUATTRO
E DELL'ARBITRIO DI LORO SIGNORIE」

簡単に要約すれば
「この噴水の周囲半径20ブラッチャ(約12メートル)で
何人もインク壷や洗濯物などを洗うことを禁ず。
また材木やゴミを投げ入れて汚してもならない。
違反者には4ドゥカーティの罰金を科す。」

各個人の家に上下水道がまだ普及していなかった時代。
そんな時代の名残が
観光地のど真ん中にポツリとあるわけです。
ある意味感慨深いです。

現在この石碑をよく観ようと思ったら
鉄柵の中に入らないと確認できないかも。
この変な石碑見たさに鉄柵を越えるのはやめましょう。
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La navetta per Forte Belvedere

2006-07-20 02:23:00 | うんちく・小ネタ

夏のイベント会場として人気の
Forte Belvedere。
今年もいろいろなイベント目白押しのようです。

丘の上だからきっと風通しもよくて
夏の夜イベント参加しながら涼むのには
ちょうどよいのだけれど
さすがに歩いていくには体力的に難しい。

そんなわけで無料シャトルバス運行。
Viale Giovine Italiaのところにある
Murateのパーキングエリアから出発するシャトルバス。
往路 20:00、20:30、それ以降は15分おきに出発
    最終便は24:00
復路 20:15、20:45、それ以降は15分おきに出発
    最終便は24:15

別にイベントに興味がなくても夕涼みに行きたい!
イベント情報はこちらを参照
Forte Davvero



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Dove alloggiava Mozart

2006-07-19 12:31:55 | うんちく・小ネタ

Dove alloggiava Mozart
今年はモーツアルト年で
ヨーロッパのあちこち盛り上がってますね。

モーツアルトはその生涯で3回のイタリア旅行をしていて
初めてイタリアの地を踏んだのが彼が14歳のとき。
そのときにはフィレンツェにも訪れていて
若き天才はドゥオーモ近くに宿泊したそうです。

今は既にホテルの姿など跡形も残っていませんが。
街中の喧騒に消え入りそうな古い建物がそれ。

フィレンツェの中央駅とドゥオーモを結ぶバス通り沿いの
MelBOOKSHOPのはす向かいにある建物。
普通に通り過ぎちゃうところですね。

2006年4月までは
「そうだよ、今年モーツアルト年だよ、何とかしなくちゃ」
ということで簡易のプラスチックプレートが
取り付けられていたのですが↓。
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あんまりにも格好悪いので
早く石碑がつかないものかと待っていたのです。
ようやくきれいな石碑が取り付けられましたが
街行く人はあまり気に留めていないみたい。

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1770年のこの初イタリア旅行のときに
天才的なピアノのエキシビションをしたモーツァルト。
そのときに弾いたといわれるピアノは
今でもフィレンツェに残っています。
メディチ家からロレーナ家に受け継がれた
Poggio Imperialeの別荘にこっそり隠されています。

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