不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Duomo con Cielo autunnale

2007-09-22 19:50:00 | まち歩き

10年来の仕事のパートナーが
ご家族を連れて実に8年ぶりのイタリア訪問ということで
フィレンツェの街を一緒に散策。

日本の連休であること、いい気候であることなどから
フィレンツェは観光客で溢れかえっています。
ご子息のご希望だったウフィツィ美術館も
事前に予約が取れず
結局当日もかなりの長蛇の列ができていたので入場を断念。

フィレンツェの街中をそぞろ歩き。
いつ観ても美しいフィレンツェのドゥオーモ。
雲ひとつない秋の空を背景に。

Duomo22092007


Il Ritorno di Nozze di Cana di Veronese

2007-09-18 07:49:08 | アート・文化

「カナの婚礼」というテーマは
聖書の中でも特に華やかなシーンを捉えていて
絵画的要素が強く、
また奇跡の話でもあるので
キリスト教的な意味合いも非常に大きく
多くの画家によって描かれています。

福音書記者ヨハネの記述に何度もでてくる「カナ」は
一瞬人の名前と勘違いしそうですが
ナザレの近くにあったといわれる小さな村の名前。
この村で行われた婚礼の祝宴に
マリアと共に招かれたキリストが
彼の人生で初めて奇跡を起こしたといわれる場所です。

祝宴の終焉に近づいたとき、
女性の敏感さで聖母マリアは
招待客に振舞うワインが足りなくなっていることに気づき
キリストに「ワインが足りなくなっているようです」と伝えます。
すると実に冷たい態度で
「婦人よ、私とあなたに、もはやどんなかかわりがあるのです。
わたしの時はまだ来ていません。」などと答えます。
聖母とキリストはその後
ひそかな微笑を交わしたとも言われています。
それは既に神の道を行くキリストが
奇跡を起こすことを知り得ている2人の
共犯者だけが共有するある企みを暗示する微笑。

聖母マリアは使いの者たちを呼んで、
「この人の言うとおりになさい。」と指示を出します。
饗宴の場にはユダヤ教で清めの水を入れておく石瓶が6つあり
キリストはその瓶に水を満たして
祝宴の世話役(ワインの味見人)のところまで
もって行くように言いつけます。
このときワインの味見人のところに運ばれた瓶の中の水は
良質のワインに変わっていて、
ワインの味見人をして
「普通は最初によいぶどう酒を出し、
客の酔いが回る頃には質の悪いぶどう酒を供するものだが、
あなたはこんなに質のよいぶどう酒を
最後まで残しておいたのですね。」
と言わしめたというエピソード。
水をワインに変えるという奇跡が
キリストが初めて起こした奇跡なのです。

ヴェネツィア・ルネッサンスを代表する画家・ヴェロネーゼが
ヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレにある
ベネディクト会派教会の食堂に飾るために
1562年から1563年にかけて描いた「カナの婚礼」は
669×990という巨大な作品で
現在収蔵されている
パリのルーヴル美術館最大の絵画としても有名。
Nozze_di_cana_veronese
大きな画面上に100人以上の人物を
複雑なポーズで描きこみ
非常に低い目線から極端な短縮法を駆使して描くなど
マニエリスムの要素を多く含み、
透き通るような高い青空を含め
軽快な明るい色彩で描かれている点など
ヴェロネーゼのオリジナリティーが
全面に打ち出されている作品です。

「カナの婚礼」では参列者に
聖母マリアや12使徒が描かれるのが普通ですが
この作品には左のテーブルに
フランス国王フランソワ1世やヴォットリア・コロンナなど
当時の著名人たちが描かれています。
また画面中央前面で音楽を奏でる楽士たちには
ヴェロネーゼ自身や弟ベネデット、
またティツィアーノやティントレットが
描かれているといわれています。
個人的にはその後ろの中央テーブルに座る
キリストと聖母マリアが
他の人物に対して
なんだか人形っぽく見えるのが気になって仕方ないのですが。
なんとなく「しめしめ、企み成功」って顔に見えなくもないのですが。

なぜルーヴル美術館にあるのかというと
ナポレオンが略奪していったまま、
ずっと返還してもらえないからです。
オーストリアとフランスの間で交わされた
1797年9月11日のカンポフォルミオの講和
(pace di Campoformio)で
ナポレオン率いるフランス軍はヴェネツィア共和国を制圧して
そこから多くの戦利品をフランスへ持ち帰っています。
あまりに大きな作品で持ち運びに困ったフランス軍は
この絵画を水平に何枚かに切り裂いて
巻物のようにして10ヶ月もかけて運んだといわれています。
その後1815年のアントニオ・カノーヴァの最初の返還要求から
イタリア側は何度も返還の要求をしていますが
フランスはあれやこれやと理由をつけて手放そうとはしません。

この大作はルーヴルの目玉のひとつといわれていますが
有名なモナリザの対面に置かれていることもあり、
どうも印象が薄くなりがちで、
ぞんざいに扱われていると感じているイタリア人も少なくありません。

それが理由ではないのですが、
この大作の精密なコピーが作製されました。
最新の技術を駆使してデジタル処理で作成される贋作。
イギリスのアーティスト(Adam Lowe)が
2006年からルーブル美術館で絵画のスキャニングを行い、
それをマドリッドの彼の工房でデジタル調整し
更にできるだけオリジナルに近い状態にするために
アイルランド産の麻のキャンバスに
動物性糊材で定着させたうえに
最後は手作業で色彩の調整を行って完成。
2007年9月15日から
サン・ジョルジョ・マッジョーレに展示されています。
作品はもちろんこの贋作製作の行程の詳細も紹介されていて
ルネッサンス絵画に興味のないデジタル世代にも
楽しめる展覧会となりそうです。

Il Miracolo di Cana
L’originalita della ri-produzione
会期:第一期2007年9月15日から2007年9月30日まで
   第二期2007年10月12日から2007年12月16日まで
会場:サン・ジョルジョ・マッジョーレ島(ヴェネツィア)

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E' tornato a casa

2007-09-17 21:29:34 | Billy,Layla e Ciccino

血液検査のために獣医さんに行ったビリー。
いつにも増して怪我ワンコ&病気ワンコが多くて
ビリーの順番まで時間がかかるから
預けて仕事に行っていいわよと獣医さんにいわれたので
私は実は血液検査の全部を見ていません。
血に弱い私は救われた気分。

ビリーは多少不安だったでしょうけれど、
大好きな獣医さんのところで何の問題もなく検査完了。
お昼過ぎに電話で確認をしたら
血液検査では特に異常なし。
ただし肝臓が異様に疲労しているのと
やはり腸炎が完全に治っていないので
ここのところの不調となったらしい。
おまけに左耳中耳炎にかかってました。

またしばらくは静脈点滴生活で病院通い。
でもビリーはなんか楽しそうなのです。

というのも大好きな獣医さんのところに
先週やってきたミニピンの小さな女の子に恋しちゃったらしい。
ビリーまもなく11歳の爺さんなのに。相手は2ヵ月半なのに。
獣医さんの愛犬ルーシーちゃんに会えるので
ちょっと痛い静脈点滴もへっちゃらみたいです。

家に帰ってきたらたくさん水を飲んですっかり安心して
ちょっと嬉しそうな顔して眠るビリー。
私もひと安心。
ご心配かけましたが、大丈夫そうです。

週末心配でろくに眠れなかった私も
ビリーとチッチーノに囲まれてゆっくり眠れそうです。
E' tornato a casa
絶対に可愛いルーシーちゃんの夢をみていると思われるビリー。
Non ha trovato nessun anomalia all'esame di sangue. Solo che ha il fegato molto debolito. Alcuni giorni si pone sotto flebo e ritornerà come prima.

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Avviso di Convocazione

2007-09-16 23:45:00 | 日記・エッセイ・コラム

ビリーの件で右も左もわからなくなっている私ですが
金曜日に「召集命令」が届きました。

昨年12月21日に申請を行った滞在許可証の申請。
新システムになり、
誰も彼もわけもわからない初期の時期だったせいもあり
意味もなく散々待たされた末での召集命令。
しかし、呼び出しのかかった日時は12月31日12:30。
携帯のショートメッセージでのお知らせだったのですが
受け取った瞬間に
「そんな日に働いてるのか」と突っ込んでしまいました。
大晦日ですから。
しかも日曜日と祝日にはさまれた月曜日。
絶対働いてなさそうですどねぇ、受け取り窓口とか。
まぁ管轄は内務省(警察)なのですけど。

とりあえず、
私の提出した書類に
書き込み間違いありとか言っていたわりには
普通に(かなり遅れましたが)やってきた召集命令でした。

しかし私の滞在許可証って
12月31日で有効期限切れるんですけど。
有効期限の切れるその日に受け取っても
意味ないじゃないの…。

次の悩みは
どのタイミングで次の申請を行うかということですね。
また事務局に相談しに行かなくては。