不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Sotto la pioggia

2009-12-26 23:30:46 | Mobile Posted

Sotto la pioggia

フィレンツェは雨のサント・ステファノ。

トスカーナの一部では洪水になる所もあり、
北イタリアでも悪天候の影響が出ている所が多くなっています。

共和国広場のクリスマスツリーは、
最初に届いたものが小さいと市長が文句をつけて
ひとまわり大きなモノを再注文したとか。
大きさの問題じゃぁないんだけどね。

雨に濡れた石畳はやっぱり幻想的。


Natale tranquillo

2009-12-25 18:20:13 | Mobile Posted

私のことを気遣ってくれる友人に
一緒にローマへ行こうと誘われていましたが、
やはりとてもそういう気分ではなく、
自宅でじっとしていたクリスマス。

家のなかを少し片付けて
一日中好きな曲をかけて過ごしました。

こんなクリスマスになるなんて思ってもいなかったけど。
明日は大好きな教会にお祈りに行こうと思ってます。

すてきなクリスマスを!


I ceneri

2009-12-24 13:31:00 | Billy,Layla e Ciccino

ビリーが息を引き取った日、
冷たくなったビリーを抱えて獣医さんに報告に行き
死亡証明書の発行と
それに伴う登録抹消の手続きをすべてお願いしました。

自分でやるつもりでもいたのだけど、
あまりの落胆振りの私を見て
すべて代行してくれると
私が尋ねる前に先に声をかけてくれました。

それからビリーを火葬したいことを伝えると
動物の火葬を行っている施設を紹介してくれたので
友人に頼んで車を出してもらいました。

Calenzanoの山奥にあるその施設は
Il Perseoというペットホテルなのですが
そこがPeticoという火葬請負会社の受け入れ先でもあり
火葬設備も備えているということでした。

16:30にアポイントをとって車で向かったものの
折からの大雪の影響で路面は凍結していて
とても普通車で登っていけるような状態ではなく
車を幹線道路に駐車して
日暮れの雪の山道を1時間半も上りました。
一緒に上ってくれた友人たちに感謝。

生憎火葬設備に火が入らず
土曜日に火葬することができないということになり
寒い山奥にビリーを置いてくるのは
気が引けたのですが、
友人たちに説得され泣く泣く預けることに。
そして日曜日火が入り次第火葬してもらうことにして
フィレンツェに戻りました。

日曜日に火葬が済み、
火葬場の担当者からの電話で17:00過ぎに引き取り。

施設では骨壷ではなくて木箱が用意されていました。
小型犬なので一番小さいサイズで大丈夫だ
という施設の人の意見も聞かず
Mサイズの木箱を注文。
なんとなく窮屈な思いをさせたくなかったので。
木箱には名前も彫ってくれるということだったので
Billyの名前を伝えてありました。

そして昨日(12月23日)
獣医さんのところに行き
死亡証明書も受け取ってきました。

Dscf8438_2

蓋を閉じられてしまうのがすごくいやだったので
蓋は開けたままでとお願いしたら
釘だけ軽くつけてくれました。

ちゃんとした祭壇を作ってあげたいと思っていますが
今は私がいつでも話しかけられる場所に
ビリーの居場所を作りました。

Dscf8439

毎朝、毎晩、そして何かにつけて
まだビリーに話しかけています。

食事のときも一緒だったビリー。
いまだに何を食べても
ビリーのために少しだけ残す癖がついていて、
一口食べ残している自分に気づくたびに
胸が痛くなります。

ふとした拍子に布団の間から
小さな鼻を出してきそうな気がしています。
まだまだ乗り越えるには時間が必要ですね。


L'amico ritrovato

2009-12-22 13:02:34 | アート・文化

ルネッサンスの時代のボローニャを中心に活躍した
アミーコ・アスペルティーニ(Amico Aspertini)は
少々エキセントリックな画家として知られています。
ロレンツォ・コスタ(Lorenzo Costa)や
フランチェスコ・フランチャ(Francesco Francia)などに師事した
正統派のボローニャ派画家でもあり、
マニエリズムのさきがけともいわれる技法で
独特の世界を描き出しています。
ヴァザーリによれば信じられないくらいに筆が早く、
時には片手に薄いグレー、片手に濃いグレーの筆を持ち、
一気に両手を使って
キアロスクーロ(CHIAROSCURO:明暗技法)を
完成させることができたともいいます。

そんな彼が手がけた作品で長く行方不明となっていた作品を
ウフィツィ友の会がある骨董市で購入し、修復を完了し
ウフィツィ美術館に寄贈することになり、
毎年恒例の年末の展覧会「I Mai Visti」に展示されています。

Amico_aspertini

1500年代半ばにパオロ・ジョヴィオ(Paolo Giovio)が編纂した
人物賞賛伝ともいえるELOGIOという
時代を代表する人物辞典では
各人物の項に肖像画の挿絵が入っています。
このなかで
アレッサンドロ・アキッリーニ(Alessandro Achillini)という、
哲学者であり論理学・薬学の講師でもあった人物の
記載に添えられた肖像画のオリジナルが
今回展示されているアスペルティーニの作品です。
時代遅れのカワウソの革の襟をつけた赤いマントを羽織って、
斜に構え薄気味悪い笑みを浮かべている男性が、
当時名声を馳せた学者だったわけですが、
この風変わりな哲学者をエキセントリックな画家が描くことで、
ある意味非常に繊細な部分まで
表現されているようにも見受けられます。

今年の「I Mai Visti」のテーマはSanti,poeti, navigatori。
いつものようにウフィツィ美術館の西翼の
Sala Reali Posteで開催されています。

I mai visti
Santi, poeti, navigatori
会場:ウフィツィ美術館付属Sala Reali Poste
会期:2009年12月16日から2010年1月31日まで
開館時間:10:00-17:00
休館日:毎週月曜日、12月25日、1月1日
入場料:無料
詳細インフォメーション

私は個人的にAsperitiniが苦手です。
あまりにも薄気味悪くてだめなんですが。
中にはすばらしい色使いの作品もあったりして
時々はっとさせられるんですけどね。
どうも気持ちよく鑑賞できなくて・・・。


Ciccino, non hai bisogno di fare il ruolo di Billy

2009-12-21 19:06:11 | Billy,Layla e Ciccino

ランチで家に帰るのが楽しかったのは
ビリーが待っていてくれるからだったということに
今更気づきました。

土日は火葬手続きなどに追われてばたばたしていましたが
本日から通常出勤。
ランチの時間になっても家に帰る気がしなかったのです。
食欲もないし。
でもオフィスにいても仕方ないし、
帰ってみたらチッチーノが
ビリーの真似して布団に潜り込んでました。

Ciccino, non hai bisogno di fare il ruolo di Billy
これまで土曜日の氷点下の寒さでも
布団に潜り込まずに
いつものように布団の上で丸くなっていたのに
なんだかこうやって布団に潜り込んで
ビリーの代わりをしようとしているみたいに思えて
チッチーノがとっても愛しく思えました。

ビリーの代わりは誰にもできないので
チッチーノを同じように愛してあげることはできないけれど
ビリーを失って寂しいのはチッチーノも同じなんだよね。
チッチーノ、我が家に来たときには
すでにビリーがいっぱいの愛情受けて君臨していて
自分が入りこむ隙間もないと感じたと思うんだよね。
悪いことしたな。

ちょっかい出して噛まれても
ビリー兄ちゃんが大好きだったチッチーノ。
ビリーの最期までお尻のところに寄り添って
一生懸命あっためている姿がせつなかった・・・。

今はチッチーノがビリーの居た場所で
ビリーの影とともに私の帰りを待っててくれてます。
ありがとう。