CHIKU-CHANの神戸・岩国情報(散策とグルメ)

神戸・岩国の最新情報を中心に紹介していきます。歴史や時事について調べた結果を紹介。

住吉宮町遺跡 第52次調査結果速報 on 2017-3-18

2017年05月01日 10時34分41秒 | 神戸情報
住吉宮町遺跡は5世紀から6世紀に南北600m、東西800mほどの範囲に、約100基程度の古墳が
築造された群集墳で現在78基の古墳が確認されています。
場所はJR住吉駅を中心として東西南北に分布しています。

昭和60年(1985)に初めて発見され現在、第52次の発掘調査まで進んでいます。
2017年3月18日、神戸市埋蔵文化財センターで速報展の見学と第52次調査の石島三和さん
による速報講演を聴講をしましたので写真を中心に簡単に紹介します。

第52次調査では住吉川の洪水によって築造直後に埋没した「埋没古墳」であり築造当時の様子が
そのまま残っている貴重なものである。




上の2枚の写真は住吉宮町遺跡第52次調査地の全容を示したものです
調査期間:2016年12月20日~2017年2月17日
出土の埴輪の製作技法から古墳(方墳)は5世紀初頭に築造されたと判明しています。
調査発掘されたのは方墳全体の4分の一程度であるが東西16m、南北15m程度の2段築造の方墳
であることが判明しています。
(高さは1.6mが検出 削られた部分を約0.4m~1.4mとすると2m~3m程度か?)

主体部は床を省略した粘土槨+刳り貫き式木棺、東西方向に軸を持ち、東側が東部と推定


上の写真は葺石の状況と埴輪(7基確認)の出土状況


上の写真は南部テラスの埴輪列

出土品

 1.埴輪
  
  上の写真は7基出土のうちの3基

 2.棺内
  1)方格T字文鏡 1点
   
    上の写真は住吉宮町遺跡52次調査で出土の方格T字文鏡

   

   
   上の2枚の写真は方格T字文鏡に関する参考資料

  2)鉄製品 複数(鉄鏃、鉄斧)

   
   上の写真は鉄鏃(矢じり)

   
   上の写真は袋状鉄槍

  3)玉類
   
    上の写真は住吉宮町遺跡52次調査で出土の玉類の一部

 3.棺内

 
   上の写真は鉄剣または鉄槍

   棺の左側に2振 右側に1振
   いずれも副葬後に粘土で被覆されていたことから、木棺安置時に棺外祭祀を行い
   その後棺全体を粘土で覆うという埋葬儀礼の手順が復元できる
   
   
新聞報道例
 1)神戸新聞NEXT 2017-3-16 https://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201703/0010005489.shtml

 2)朝日新聞デジタル 2017-3-22 http://www.asahi.com/articles/ASK3J6S9DK3JPIHB03C.html

 3)産経新聞 2017-3-17 http://www.sankei.com/region/news/170317/rgn1703170074-n1.html

小生の関連ブログ
 JR住吉駅南側のハニワの広場の展示物と住吉宮町遺跡&住吉東古墳 on 2016-7-3

 神戸市埋蔵文化財センター夏季企画展「こうべ発掘ニュース 最新号」 on 2016-7-23


上の写真は2017年3月18日 こうべ考古学入門 第7回の内容


上の写真は住吉宮町遺跡 第1次~第51次発掘調査結果の結果概要一覧表

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする