カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

てっぺんから見えたもの

2006-07-16 | ヤマのこと

念願の「谷川岳」に登ってまいりました!

・・・と言っても、天神平までロープウエイで行って、横に歩いてきただけなのですが。
ただその「横に歩いてきただけ」でも私にとってはかなりな進歩です。
水上あたりは以前から夏冬問わず6,7回は訪れている場所なのですが、
肝心の「谷川岳」は
「この弱っちい身体じゃ無理でしょう⇒もしかしたらイケるかも」
になれるまで3年かかり、やっと叶えることが出来ました。

土曜日、4:30起きで始発の新幹線に乗り、土合口に着いたのが8:45。
既に登山客と観光客が入り混じっていました。

この日の天気予報は雨&濃霧&雷&曇り。
覚悟はしていたのですが、歩き始めの9:00にはもうゴロゴロと雷が。
山での雷は初体験だったのでドキドキでしたが、みんなが進んでいくので「大丈夫なんでしょう」という判断の元、
レインウェアをしっかり着込んでいざ出発。

東京は36度の猛暑だったらしいのですが、山の上は気温17度。
それでもレインウエアを着込んでいるのでウエアの中は徒歩10分でびしょびしょ。
雨はやむどころかどんどん強くなり、雷まで賑やかに。
ほとんどが岩の登山道はだんだん川のようになっていく・・・

森林限界が近づくにつれ、鎖場の岩場も多くなり、連休の人の多さと
悪天候、登山技術の無い私には結構辛い道のり。
おまけに高所恐怖症と来ているので、土砂降り雨&鎖場&崖でツルツルの岩場の組み合わせに
来たときはもう、泣きが入りました。
「もう、引き返そうよ、怖くて駄目~」
というワタシに
「じゃ俺は頂上まで行くから、先に下りれば」というダンナ様の冷たい一言。
一人で帰れるはずもない情けない私は、歯を食いしばって着いて行く。

・・・すると頂上が近づくにつれ雨が小止みになり、
ザンゲ岩辺りに来ると青空が見えてきた。
ふと後ろを振り返ると、温泉街までしっかりと見えるほど霧は晴れ、
雪渓やすぐ傍の山の輪郭まではっきりと見えた。
なんて美しく、壮大なスケール。
「・・・これが・・・山・・・私が今まで見てきたものは山ではなかった・・・(ゴメン)」
と思った。


もうひとがんばり!で頂上!だんだん笑顔が戻ってきた。
「トマの耳」についたときは完全に青空ヤッター!
頂上の岩にしっかりしがみつく私。
あそこで諦めていたら見えなかったこの世界。
下界からは想像できなかった雲上の楽園。
ああ、みんな、これを見たくてがんばってきているんだなぁ・・・

心にたくさんの清らかな雪解け水を補給してもらった。
自然のあまりの大きさを目の当たりにし、たった一つのこの身体さえ
思う様に扱えない自分の情けなさを感じ、
同時にまたひとつ、目標をクリアできた自分の心と身体に
感謝するのでありました。

「あー最高!来て良かったね!」
とおにぎりをほうばる私に
「諦めも早いけど、立ち直りはもっと早いね・・・」
と呆れ顔のダンナからの痛恨の一言を頂きました