カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

尾瀬へと続く道

2012-09-30 | ヒビのこと

2012.9.11夜のことだった。

よく覗かせていただいている「たけさんの山あるき」というサイトの中にある「たけ小屋のこぼれ話」
このアクセスが100万を越えそうだという事で、数日前からたけ小屋に集まる人々の間で盛り上がっていた。
盛り上がる理由の一つとして、100万HITを記念してたけさんの撮った写真を集めた写真集をプレゼントする、
という企画もあったのだった。

山あるきもさることながら、写真の腕も素晴らしいたけさん。
たけ小屋常連客ならだれでも欲しいと思うこの写真集・・・
こともあろうに珍客の私が栄えある1000000を踏んでしまったのだった。
一瞬頭の中が真っ白になった、楽しみにしていた皆さんに申し訳ない・・・
だけど黙って立ち去るのも・・・しばらくPCの前で固まり・・申告したのでした。



そして先週、多くの「いいなー欲しかったー」の声を集めたものが私の手元に届いた。




「尾瀬瞬彩」



ワクワクドキドキな気持ちでそっと開くとプロローグには、
「残雪で始まり また、雪に閉ざされる頃まで歩いた 四季折々の尾瀬の姿を届けます。」
と書いてある。




そこには雪解けを待って一斉に咲き始めた水芭蕉の初々しさや、



近年では鹿食害で少なくなってしまったという日光黄萓が、尾瀬沼に黄色の絨毯を敷き詰めた日の貴重な写真や、



草紅葉が温かくやわらかく湿原を染めた、静かな熊沢田代など・・・


尾瀬をこよなく愛するたけさんならではの、思いのこもった一枚一枚が大切に綴られていた。





弥四郎小屋の窓に写る自分を撮った一枚がさりげなく綴られているのも、とても味のある演出。



最後は長く雪に閉ざされる前の、ほんの数日間の尾瀬の姿を捉えた一枚で終わっていた。



小さな小さなオリジナルの写真集。
だけどひとつの物語を読み終えたような充実感、感動の一冊。


どの一枚にもその背景にはたくさんの思い出があり、その瞬間を切り取りたいという撮り手の思いもある。
この写真集を作る時、数千枚、数万枚ある写真の中から選んでいく作業は大変だけれど、
たけさんにとって、数十回と通い続ける尾瀬への思いと、
長い年月たけ小屋で繰り広げられた友人との日々を思い出しながら、
感謝しながらの楽しい時間であったのではないかと想像する。


同じ山に季節を変え、何度も何度も足を運び、一年、また一年と積み重ねていくたけさんの山あるき。
なんて素敵な山との向き合い方なのでしょうか。


今年初めて偶然山で出会ったたけさん、
その後初めてご一緒させて頂いた尾瀬沼、そして偶然にも尾瀬の写真集を頂いて、
不思議な縁を感じずにはいられません。
この縁がまた私を尾瀬へと導いてくれるのでしょう。


たけさん、ほんとうにありがとう。
100万アクセス、ほんとうにおめでとう。
これからも素敵な山あるき、続けてください。