チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

2台のピアノのための『春の祭典』初演!?

2015-07-22 22:55:09 | メモ

↑ 『ディスクリポート』1984年8月号より、ペキネル姉妹によるピアノ版「春の祭典」の広告です。

↑ 広告の写真と違うジャケット!それと広告には「2台のピアノのための」とありますが、1台のピアノを2人で連弾したのでは?

というか、問題はそこではなく、広告の「オーケストラ初演の一週間後、作曲者とドビュッシーにより初演された」という部分です。



バレエの例の初演は1913年5月19日。その一週間後にピアノ版が初演されたことについての真偽はわかりませんでした。

ようやく見つけたのは、1912年6月に批評家Louis Laloyのためにストラヴィンスキーとドビュッシーが並んで弾いたという情報(http://4handsla.com/?page_id=98)。

どちらが正しいにせよ、すごい顔合わせのデュオでしたね!

 

(追記)船山隆氏がマイケル・ティルソン・トーマスとラルフ・グリアソンによる2台のピアノのための「春の祭典」のレコードの広告(1976年)に寄せてこんなことを書いていました。
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2台のピアノ版は、オーケストラ版に先立ち、1912年の秋、レマン湖畔のパンションの一室で、弱音器つきの粗末なアップライトで書きあげられた。

そしてその年の秋にパリに出たストラヴィンスキーは、例のスキャンダラスなバレエ公演の半年前に、友人のドビュッシーと一緒にこのピアノ版を演奏している。

その私的初演に立ちあったある批評家の証言によれば、ストラヴィンスキーは、第2ピアノを友人に受けもたせ、鍵盤に鼻をつけるようにして時々うなりながら演奏したという。

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この批評家というのはLouis Laloyのことでしょう。1912年6月なのか1913年5月19日の半年前なのかナゾが増えてしまいました。

ブローニュの森通りにあるドビュッシーのアパートにて。1910年6月、エリック・サティ撮影。