チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

日本フィルを指揮した曽根すぐるという詐欺師(1983年)

2016-03-21 22:42:00 | どうでもいいコーナー

フォーカス誌1983年12月9日号から、日本フィルハーモニー交響楽団を指揮する詐欺師・曽根すぐる(芸名)、当時53歳です。

↑ 詐欺で3000万円のカネをつくり、2度にわたるコンサートにつぎ込んで夢を実現。

ラブリーコンサート』。たしかにちょっとラブリー。1度目は1983年5月17日東京・新宿の日本青年館大ホール、2度目は6月7日東京・五反田。


曽根氏は鹿児島の公立高校で音楽教師をしたあと武蔵野音大の聴講生だったこともあるが、その後の経歴は不明で、本人作成の履歴書には「毎日音楽コンクール1位入賞」、「フランス、ドイツへ海外留学」、「カラヤンに師事」とデタラメが並べられていたそうです。

「中曽根首相は私のよき理解者であり、『曽根すぐる』の名付け親」だとテキトーなことを述べ、手当たり次第に政治家の名前を利用し、印刷業者には「政治家に政治献金すれば自民党にポスターの注文をとってやる」、別の人には「某大学の教授の椅子を世話するから」という調子でカネを集めていったようですが、コンサートや生活に使ってしまってスッカラカンになり雲隠れ、パチンコ屋に住み込んで働いているところを逮捕されました。

写真は6月7日の追加公演のほうで、曽根氏が自作の管弦楽組曲「聖女」を指揮している様子です。2000人近い観客は全部タダで切符を配られた人々で、「聖女」もどことなく幼稚で、名曲をつなぎ合わせたみたいだったにもかかわらず鳴り止まない拍手に曽根氏は涙を流して感激していたということです。コンサート後半は小林研一郎氏の指揮で「展覧会の絵」が演奏されたそうで、聴衆はオトクでしたね。(ちなみにこのスナップを撮影した写真家への支払いも踏み倒したまま)

だまされた人たちからしたらトンデモない奴なんでしょうけど、どこか憎みきれない。。