チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

カラヤンによる名曲~全5曲から2曲の組み合わせ(エンジェル・レコード、1968年)

2015-09-17 22:17:29 | メモ

前回と同じソース、レコード雑誌『音楽専科』1968年2月号よりカラヤンのレコードの広告です。

運命・田園・未完成・新世界・悲愴の5曲から、2曲を選んだ組み合わせのレコードたち。



当時のファンは、どの組み合わせを選ぼうかめちゃくちゃ悩んだでしょうね!? 1枚2000円もするし。

5曲から2曲を選ぶ方法は何通りあるかというと、5C2=10通り。確かに10種類ある。よし!
ジャケットは丁寧に10種すべて別のものになっています。お疲れさまです。

みんな同じようなジャケット写真ですが、よく見ると一番明るい組み合わせと思われる「新世界・田園」は画像も暖かそうである一方、最も暗いカップリングかもしれない「悲愴・未完成」はちゃんと寒そうな雪山になっています。

そもそもこんな安易な(?)企画が通ったのは、「カラヤン」という名前がクラシック好き以外からも広く知られていたからこそなんでしょうね。

今の日本で、存命の指揮者で大衆に一番名前が知られているのは。。。小澤征爾さん?


モンセラート・カバリェとカルロ・ベルゴンツィの「椿姫」録音風景(1967年)

2015-09-15 22:47:49 | メモ

1967年12月25日にモンセラート・カバリェ(Montserrat Caballé, 1933年生まれ)による「椿姫」のレコードが日本で発売されました。



彼女と、やはり大人気のカルロ・ベルゴンツィ(Carlo Bergonzi, 1924-2014)の組み合わせということで、当時は決定盤が出たという評判だったようです。

 

↑ ジャケットと同じ写真かつモノクロながらおなかのほうまで写ってて貴重?

 

↑ ベルゴンツィは1967年秋に来日。

 



↑ ジェルモンにはシェリル・ミルンズ(Sherrill Milnes, 1935年生まれ)

 



スタジオ録音風景。指揮はジョルジュ・プレートル。
レコードやCDで音だけ聴いてめくるめくオペラの世界を想像していた人には味気ないかも。

(『音楽専科』1968年2月号より)


コントラバスの弓(フランス式とドイツ式)

2015-09-11 22:28:06 | 楽器

近衛秀麿著『オーケストラをきく人へ』(婦人画報社刊、1950年)を読みました。

何しろ65年前の古い本なので、どうせみんなが知っているような基本的なことしか書かれてないんだろうなー的な、なめくさった態度でいたんですが、とんでもなかったです。
近衛さんのレクチャーを直接受けているような気分にさせられる本です。



コントラバスの章を見てみます。

「コントラバスは、その絃が長いことから、きわめて多様のフラジオレット音をだし得ることが理論的に、昔から着眼されていましたが、それを存分に使いこなした作曲家はあまり多くありません。ただラヴェルが主として小編成の場合、例えば組曲『ラ・メール・ロワ』などで示した妙技はまったく驚くべきものです」

なるほど!それと、コントラバスの弓とその持ち方にはフランス式とドイツ式があるってことを恥ずかしながら初めて知りました。

この持ち方、たしかにどっちも見たことがあります。



「コントラバスを演奏の際、弓の持ち方には図で示すようにドイツ式とフランス式の二様があります。双方の特色は一長一短ありますが、チェロと同じ持ち方のフランス式は、優雅な旋律や複雑な楽句に対して、弓さばきが自由で優れていますが、ドイツやロシア音楽独特の、低音の鋭いアクセントを強調するには不向きのようです。
 この構造まで違う二様の弓の分布は、ヨーロッパでいうと、ライン河以北のドイツ系と北欧、バルカンの諸国が全部ドイツ式で、フランス、スペイン及びベルギーの7割、イタリア、スイス、オランダの五割ぐらいがフランス式と思って間違いないでしょう。アメリカでは都市によって多少の差異はありますが、だいたいこの両式が相半ばしています。日本では、ようやくフランス式がふえ始めました。」

。。。持ち方だけでなく弓自体の構造も両方式で違うらしいのですが、卓球でいうとシェイクとペンみたいなもん?

このフランス式とドイツ式はいままで全然気にしていませんでしたが、これからは、テレビなどでオーケストラを見るときチェックしようと思います。

ポイントとしては
・現在、どちらが主流なのか?
・一つのオーケストラで両式が混在することがあるのか?(混在したら音色がボヤけやしないか)
・一人のコントラバス奏者がふたつの方式を臨機応変に切り替えることができるのか?
・イタリア式など、ほかの持ち方はないのか?

自分が知らないだけで、クラシック愛好家のあいだでは常識的なことばかりなのかも。。


ワーグナーからジュディット・ゴーティエ宛の手紙(1877年)

2015-09-10 23:35:19 | メモ

ジュディット・ゴーティエというフランスの女流小説家は、日本趣味の小説も書いているため我が国でもちょっと有名な人らしいです。


Judith Gautier (1845-1917)

彼女は、1866年にカチュール・マンデス(Catulle Mendès, 1841-1909)というやはりフランスの詩人と結婚したんだけれど、すぐに彼から離れ、1876年頃からある期間はリヒャルト・ワーグナーと不倫関係にあったそうです。ワーグナーっていつもなんかすごい。

その頃の、ワーグナーからジュディットへの手紙が一冊の本になっています。1964年発行。全部フランス語なので内容がわかりません。



字はわからないけれど、写真のページを開くと、ひとつだけ楽譜が手で書かれた手紙がありました。何が書かれているのか知りたい。

(↑ 1877年12月11日または12日。手紙全体の3分の1)

いったい何の楽譜なんでしょうか?

Voilà le "pène né après le fils"

ネットで機械翻訳してみたら。。【これは「ボルトの後に生まれた息子」です】

。。。何のこってす?ナルト?



直後の文にヒントがあるかと思いやはりGoogle等で翻訳してみたんですが

Mais parlons des choses sérieuses!
Comment va le mal de tête?
Et les courses dans les rues boueuses?
Oh! j'avais de la boue sur mon pupitre!
Vous l'aurez reçue, cette malheureuse épreuve du Parsifal imprimé?
Oh! quelle goût d'imprimerie!
J'étais furieux, et je tiens à ce que tout soit nouvellement imprimé.
(ここまでで入力の限界)

「しかし、重大なものについて話しましょう!頭痛がどうなるか?そして、泥だらけの通りのレース?ああ!私は、机の上に若干の泥を持っていました!あなたは、印刷されたパルジファルのこの不適切なテストを受けましたか?ああ!印刷はどんな味!私は激怒していました、そして、すべてを新しく印刷するようにします。」

。。。もしかしたらパルジファルの試し刷りが出版社(ショット社?)から届いたんだけど、間違いだらけだったのでワーグナーが激怒したとか?
楽譜もパルジファル関係なんでしょうか? それともまったく別の曲かなあ。

ちょっとずつナゾを解明していきたいと思います。


関西歌劇団、朝比奈隆指揮の「蝶々夫人」(1954年)

2015-09-08 23:34:36 | 蝶々夫人

↑ 関西歌劇団の「蝶々夫人」(再演)のパンフレットです。1954年7月22、23、24日。宝塚大劇場にて。

戦後、東京では藤原歌劇団、二期会などが活躍していましたが、関西では朝比奈隆氏が中心となって発足した関西歌劇団が頑張っていました。

↑ 関西交響楽協会がオーケストラと楽譜を提供し、東洋レーヨンの絶大なる後援により衣装を借りずに済んだためリッチ!



舞台では常に「よくわかるオペラ」をモットーに、この公演では、朝比奈隆氏自身が歌詞を口語訳し、しかも実際に歌ってみて、発音上明瞭になるよう改訂を重ねたということです。朝比奈版、きいてみたい。もしかして関西弁?

また、この公演では東京からの客演歌手を一人も呼ばずに関西人のみで上演したそうです。



以下、キャストです(敬称略)。


【蝶々さん】浜田洋子、樋本栄、小島幸
【ピンカートン】竹内光夫、木村彦治

 


【スズキ】市来崎のり子、木村斗伎子
【ゴロー】木村四郎

 


【シャープレス&ボンゾ】横井輝男、楯了三。。。シャープレスとボンゾを同じ歌手に歌わせて省力化を図っているわけですね。
【ケイト・ピンカートン】木村絹子、渡辺?子(漢字が出ません。画像参照↓)

 


【ヤマドリ】多田敦彦
【勅使】太田一夫



写真を見るとまるで歌舞伎のような舞台ですね。演出や衣装・装置の面にもその時代の考証の上に立ったリアルな表現に努め、不自然で観る人が納得のいかないようなことは徹底的に排除したらしいです。

。。。あと、勝手言ってすみませんが、個人的には渡辺さんの蝶々夫人がよかったのではと思います!?

 

(参考↓)第一回公演は椿姫だったんですね。



(関西の昔の歌手たちにはあまり馴染みがありませんが、情報を追加していきます。)