チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」全幕日本初演(貝谷八百子バレエ団、1951年)

2016-03-10 22:16:25 | バレエ

写真誌『国際写真情報』1952年2月号より、プロコフィエフのバレエ「シンデレラ」日本初演のようすです。1951年、東京・歌舞伎座。

↑ 貝谷八百子(1921-1991)演じるシンデレラ。



舞台装置:河野国男(1914-1973)、衣装:吉村倭一、照明:松崎国雄。音楽は東京フィルハーモニー交響楽団。指揮:高田信一(1920-1960)。

シンデレラの貝谷八百子さん以外の主な出演者は有馬五郎(王子役、1922-1993)、町田旬子、瀬良文子、加美早苗(本名・辻野美津枝、1921-2000)。

↑ 不思議な老婆が現れる。

 

↑ 王子と踊る。

 

↑ 王子の城の舞踏会。

 

↑ 残された片方の靴。かぐわし~

 

↑ 一幕二場。コオロギ:長谷川千鶴子、バッタ:芳沼和江

 

↑ 王子の持ってきた靴がぴったり合った!めでたしめでたし



音楽之友社『音楽データ・ブック』によると「シンデレラ」の日本初演は1951年12月1日に東京で貝谷八百子バレエ団、上田仁指揮東京フィルハーモニー交響楽団によりなされたとありますが、指揮者は交替制だったんでしょうか?さらに調べます。

このシンデレラ公演は貝谷八百子さんの長年の念願であり、1年あまりの構想のもとに作られただけあって見事な出来栄えだったようです。


『メリー・ウィドウ』日本初演(1970年)

2016-03-08 22:46:16 | 日本初演

レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」が1970年6月末に二期会により日本初演されました。

↑ 指揮者、オーケストラ、会場等がわかりませんでした。東京文化会館アーカイブによると同年7月7日に大ホールで演奏されていますが、二期会によるものかを含めて詳細わからず。

総監督はバリトン歌手の中山悌一(1920-2009)、演出は東宝演劇部の中村哮夫(なかむらたかお、1931年生まれ)。制作は立川澄人(1929-1985)。歌詞は野上彰(1909-1967)の日本語訳が用いられました。

↑(拡大)立川澄人のダニロと遠藤祐子のハンナ。公演は好評だったようです。

(以上『芸術新潮』1970年8月号より)

ちなみに音楽之友社『音楽データ・ブック』(1991年)によると、メリー・ウィドウの日本初演は1915(大正4)年5月23日、山田耕筰指揮東京フィルハーモニー会管弦楽部によりなされたことになっています。このときは演奏会形式か、抜粋だったんでしょうか。調べます。


BluetoothレコードプレーヤーAir LPで感動

2016-03-04 22:43:35 | 日記

久々に買ってよかったと思う買い物をしました。Ion Audioの Air LP。14000円くらいなのにコードレスでお手軽にレコード再生ができるんです。

さっそく物置にあるレコードのうちフィストゥラーリ(※↓)/ロンドン交響楽団の「くるみ割り人形&眠りの森の美女」を再生してみました。

ソニーのBluetoothスピーカーSRS77に電波すっ飛ばしてみたら引き込まれるように、予想外の感動。目の前にスピーカーを置けるって重要なんですね。

音量の小さいところではパチパチ音が派手だし、スペック的にはデジタルよりはるかに劣っているのは頭ではわかってるけど、この音楽を聞かせちゃうパワーはどこから?

長く眠っていた薄汚れた黒い円盤にこんな豊かな情報が収納されていたとは。。CDとかデジタルものでは味わえない、自分のためだけに演奏してくれてる感。

レコードが速くも遅くもなく落着きはらって毎分33+1/3回転でぐるぐる回っている音楽的な姿にもホレボレ。音楽がまさにこの瞬間に生れてるって感じであったかくて落着きます~

このままアナログ・レコードの世界にハマってしまったら。。お金かかりそう。

※アナトール・フィストゥラーリ(Anatole Fistoulari, 1907-1995)
このレコード(Fontana FG-277)の志鳥栄八郎氏の解説によると、1907年8月20日キエフ生まれ。やはり指揮者だった父から音楽教育を受け、8歳のとき悲愴交響曲を、13歳のとき「サムソンとデリラ」を指揮したそうです。なんつーこった。しかも、マーラーの次女 と結婚していた。


パルジファル日本初演(1967年、二期会)

2016-03-02 20:54:58 | 日本初演

『音楽芸術』1967年9月号より、パルジファル日本初演の画像です。1967年7月22日(土)東京文化会館。


↑ 第1幕。二期会創立15周年記念公演(都民劇場音楽サークル定期No.151)。内垣啓一氏(1925-1989)の「演出ノート」によると「祖父ワーグナーの写実舞台とも異なり、孫ワーグナーの象徴舞台とも違った今回かぎりの独自なパターン」だそうです。

主なキャストは
パルジファル:森敏孝(-2015)
グルネマンツ:大橋國一(1931-1974)
アンフォルタス:芳野靖夫(1933-2021)
クンドリ:長野羊奈子(1933-2014)
クリングゾル:小田清(1931-2014)
ティトゥレル:高橋修一(1939年生まれ)
若杉弘指揮読売日本交響楽団。

実際どんな公演だったのかは、音楽芸術の同じ号の海老沢敏(1931年生まれ)氏による批評が参考になります。

「問題になるのは、やはり音楽上の出来栄えであろう。両端の幕に登場して、この神秘劇の展開を司どる老騎士グルネマンツを歌う大橋国一と、魔女クンドリを演じる長野羊奈子が、終始安定した歌唱と演技をみせてくれたのは、ヨーロッパの舞台での長い経験に支えられたものとはいえ、この公演のキー・ポイントとなった点で注目される。だが、彼らとならんで重要な役割を占める聖なる愚者パルジファルをはじめ、異端の騎士クリングゾル、さらにアンフォルタス王や先王ティトゥレルが、それぞれベストをつくした歌いぶりをみせながら、音楽劇の統一的な要素としては、かならずしも成功していなかったというあたり、この上演のぎりぎりの限界をみせつけられたものである。」としながらも、「こうした不統一にもかかわらず、私は、この公演の意義を高く買おう。」とまとめられています。そりゃそうですよね。この時代に眠らせ王?のパルジファルを日本人だけでやっちゃおうってんだから。

二期会は前年(1966年)にもタンホイザーの原語による上演を行ったようです。熱い!