ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.2.10 逢瀬の時間はたったの120秒!

2018-02-10 20:39:12 | 
 昨日は仕事を終えてから夫と合流して上野公園のホテルに宿泊した。最上階のレイクサイドルームは窓が大きく、不忍池や弁天堂が見渡せて夜景の眺望が素晴らしい。
 そもそも上野駅に降り立ったのは、東京文化会館で8年近く前に第九を歌って以来のこと。先日息子と絵画展に出かけた夫から、駅周辺は凄く綺麗に変わっているよと言われていたけれど、確かにどの建物も面影はあるものの、すっかりリニューアルされていてびっくり。

 夕食は駅ナカのタイ料理レストランで先日のリベンジ。とはいえ、ようやく治った口内炎と唇の不調をぶり返させててはただのお馬鹿さんだから、辛いカレーやトムヤンクンのスープは我慢して、センレクナームにサラダやチキン、海老等を美味しく頂いた。

 久しぶりに1週間、ノンストップでブルドーザーの如くしゃかりきに働き、途中東京横断の出張もありで、かなりのグロッキー。お腹が一杯になったらすぐに眠くなる。
 ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって、シアタールームのようなやけに大きな58インチテレビで平昌オリンピックの開会式を見ながら、部屋にあった備え付けのエッセイ~なんとホテルチェーンの社長が書いたもの~を読み終えて早々に就寝。

 夜中に夫の鼾で何回か目が覚める。そして、今朝は寛永寺の鐘の音を聴きながら、目覚ましの時間より早めにゆるゆると起き出した。ホテルのレストランでビュッフェの朝食をあれこれ頂いた後、朝の連続テレビ小説を視て、荷物を預けてチェックアウト。

 いざゆかん!目的地は上野動物園である。私と誕生日が5日しか違わないお目当ての彼女は、もうすぐ8か月の赤ちゃんパンダ。シャンシャン(香香)ちゃんの一般公開は、何度か抽選で観覧を申し込んだものの、物の見事に外れっぱなし。思えば遥か昔、夫と結婚して間もなくの頃、パンダ舎を訪れた時にはホァンホァンとフェイフエイだったか、2頭とも寝ていて、背中が見えただけだった。

 息子がそんなにパンダを見たいなら、和歌山のアドベンチャーワールドにでも行けば、と言うのだけれど、シャンシャンちゃんほど小さい赤ちゃんはいないようだし、話によれば2歳までに中国に帰ってしまうかもしれないとのこと、これは、と急きょ思い立って前泊までして先着順の観覧に駆け付ける。我ながら酔狂なおばさんである。

 ホテルを出て歩き始めると、ほどなくして列の最後尾が見える。まだ開園まで小一時間あるのに、である。さすがに1日9,500人が観られるというので、大丈夫だろうとは思ったけれど、夫がざっと数えたところ、既に1,200人から1,300人は並んでいるとのこと。いったい皆さん何時に家を出てきているのだろう。まあ都内に住んでいながら前泊までする私たちも私たちだけれど。

 それでも気分は高揚して、正門が見えてきて列が動くとルンルン気分になってくる。我ながら単純である。
 9時半の開門からほどなくして入場券を購入して、観覧整理券を配布中のブースへ急ぐ。11時10分から30分までの整理券を無事にゲット。
 
 そもそも上野動物園を訪れたのも、息子が小学生の頃以来だから、15年ぶりくらいか。時間厳守の集合時間まで1時間ちょっとの間、しばし園内の動物たちを見て楽しむ。まずはお父さんパンダのリーリー。こちらは観覧整理券がなくともOK 。笹を食べながらのんびりとマイペースの姿は愛嬌たっぷり。こんなにしっかり動いているパンダを間近に観たのは初めてだ。皆携帯片手に「可愛い!」を連発している。

 シロフクロウやワシやタカ、トラを観た後は、赤ちゃんを抱いたテナガザルのお母さん。実に上手にバナナを剥いて食べる。本当に人間の母のような手つきでしばし見つめてしまう。夜の森にいる蝙蝠たちが羽を広げて餌を食べる姿にもびっくり。藤棚の休憩所で水分補給した後は、ホッキョクグマやアシカ、アザラシを見て、ジャイアントパンダ舎の前の観覧の列に加わる。この時、既に観覧整理券は最終の16時10分を配っており、11時20分には本日配布終了のアナウンスが流れた。でもこの調子だと、夕方までに観覧、でもよいなら開園前から並ばなくともよさそうだった。

 さあ、いよいよシャンシャンちゃんとのご対面だ!
 先ずはシステマティックに並ばされて、説明を受ける。30秒ごとに4か所地点で観覧できますとのこと。最初に笹が沢山ある大きな部屋。ここではお母さんのシンシンが横になってお昼寝中。うーん、動いてくれないのね、しかもシャンシャンちゃんはここにはいないから、母娘揃っての姿は拝めないわけだ。

 シャンシャンちゃんは隣の部屋にいます、と移動するも、こちらも木登りをしたまま丸くなってお昼寝中。なんだかコアラのようだ。わずか30秒では、動画をとっても動き出してくれないから動画にならず。それでもようやく会えたね、とちょっと残念な気持ちのまま見つめていると、「はい、時間です、動いてください」の非情な声。

 少しして出てきた人は「ちょっと動いてくれたね」と言っていたから、本当にどんなタイミングでおてんば姿を見られるのかわからない。外のスクリーンで映し出していたこの半年余りの映像が可愛かったので、余計に残念。結局、並び始めてからパンダ舎から出てくるまでに3時間ちょうど。

 気を取り直して、ショップでぬいぐるみやらお菓子を買い求め、西園方面に歩く。ペンギンやフラミンゴ、カンガルーやハシビロコウとツーショットをした後は食堂でランチ。パンダの好きなタケノコのパスタや、パンダのホットケーキ等限定メニューでお腹を満たす。

 キリンにサイ、オカピを見て池之端門から退場。
 続いて夫のお勧め、重要文化財の旧岩崎邸庭園へ向かった。明治29年に三菱第三代社長の久彌の本邸として造られたという。往時は1万5千坪の敷地に20棟もの建物が並んでいたというが、現在は3分の1の敷地となり、現存しているのは洋館、撞球室、和館大広間の3棟のみ。

 ジョサイア・コンドル設計による洋館は17世紀の英国ジャコビアン様式の見事な装飾。ルネッサンス様式、イスラム風のモチーフが取り入れられ、ミントンのタイルや金唐皮紙の壁紙が貼られた客室も素晴らしいし、客室天井のシルクの日本刺繍が施された布張りにも目を見張った。プライベートな迎賓館として使用されたと言うが、当時の富の集中を改めて思い、ため息。

 予報では晴れのち雨で午後からは曇りということだったが、ラッキーなことに午後になってもポカポカと暖かく青空である。

 岩崎邸を後にして、不忍池を散策しながら、弁天堂でお参り。あと1か月半もしたら見事な桜が観られるだろう。もうちょっと頑張ろうと、京都清水寺を模して創建された寛永寺清水堂にも足を延ばし、さらには日光を彷彿とさせる上野東照宮へ。全48基の銅灯籠が並ぶ表参道を抜け、社殿は拝観出来なかったけれど、国指定の重要文化財の唐門や透塀にも目を見張った。

 さすがに草臥れて精養軒のカフェでお茶。西日が眩しく池の水面がキラキラと光る中、これまた限定のパンダデザートセットに舌鼓。どこもシャンシャンにあやかってスペシャルメニューを展開している。
 贅沢な時間を過ごした後、会計のタイミングで母娘パンダの可愛いぬいぐるみを見つけ、またしてもお買い上げ。

 ホテルに戻って、駅前のパン屋さんで、これも限定のパンダの顔を模したパンや、パンダの焼き印が押してあるキューブ型のパン等、ミーハー丸出しでお買い上げ。
 よく遊んだね、と電車に乗り込み、JRと私鉄を乗り継いで無事帰宅した。

 三連休初日。まだ明日、明後日とお休みである。
 週末の1泊ですっかりリフレッシュ出来た。ちょっと調子に乗って沢山食べ過ぎたのか、朝はお腹が緩くなってしまったけれど、ミヤBM錠のおかげで酷くなることもなかったのでほっとする。砂利道をかなり長時間歩いたので、足裏の痺れと痛みはやや気になるけれど、水仕事をしなかったので手の痛みは随分和らいでいる。

 今日は早めに眠り、明日の朝はパンダパンを楽しみに頂こう。
 
コメント
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