ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.8.19 旅行3日目、初代ポルトガル国王が生まれた街、ギラマンイス観光とポルト観光

2018-08-20 06:40:07 | 

 さすがに疲れていて、昨夜はブログを書くのも青息吐息。入浴後、早々にキングサイズの大きなベッドに入り、明け方、お手洗いに起きるまでに5時間半近く連続で眠れた。モーニングコールまで2時間近くあったが、その後は二度寝出来ず6時半頃のろのろ起き出した。それでも大分すっきり、疲れが取れた感じ。

 窓を開けると大分明るくなっている。日の出は見えなかったけれど澄んだ空気が気持ちよい。目の前に広がる湖と山々、花たちの美しさを愛でつつ、3日ぶりに瞑想とヨガのポーズで身体を伸ばした。心が落ち着いていく。昨晩元気の無かった夫が心配だったのでLINE をすると大分復活した模様。
 ゆっくり身支度して荷物を部屋の外に出し、レストランに移動した。ちょっとずつ色々頂き、すっかり満足。痛みもなんとか落ち着いているが、念のためロキソニンは飲んでおく。ゼローダを自主的にお休みにしたこと、抗生剤も同じく自主的に一旦終了にしたことで、毎回内服するのはミヤBM錠のみ。おかげで今回は薬も手持ちが少なく気分的に随分楽である。

 予定通り9時出発。今回はベンツの大型バスを添乗員さん含め12名で使っているので、これまた快適。一人一席でもがらがらである。バス内でのwifiも順調でとても便利である。
 今日は1時間半ほどかけて、40Km離れたギマランイスへ移動することからスタート。目指すは世界遺産ギラマンイス歴史地区だ。夏休み中の日曜日、カトリックの国だから安息日にあたり、お店も基本はクローズとのこと、車も空いており予定より20分ほど早く到着した。

 現地のガイドさんと合流し、まずは初代ポルトガル国王アフォンソ・エンリケス1世の生まれたギマランイス城を観光。街の入り口の壁には「ここにポルトガル誕生す」とあり、街の人たちは国王が生まれた場所ということで、誇りに思っているとのこと。
 10世紀に建てられた7つの塔を持つ城で、塔の上からは街並みが一望出来る。昨日のオビドスの城壁のように、手すりも柵もないという状況ではなく、歩きやすく整えられていたので助かった。今日もお天気は快晴。軽く30度を超える予報である。階段をえっちらおっちら登り、ガイドさんの説明を聞き、当時の鉄で出来た帽子を被ってあまりの重さにびっくりしてみたり、と忙しい。

 お城の麓にある12世紀建造のサン・ミゲル教会は、ロマネスク様式の可愛らしいもの。アフォンソ一世が洗礼を受けたところだそうだが、石造りで歴史の重みを感じさせる場所だった。お城前のアフォンソ一世の像のあたりにバイオリン伴奏でソプラノ独唱をする学生がいて、驚くほど声量豊かで皆でしばし聞き惚れた。
 ここから坂道を下りて、街を散策。日差しが強くじりじりと肌が焼けているのがわかる。日焼け止めとサングラスに日傘(これを差している人は殆どいない)と重装備だ。それでも東京のような高湿度ではないので、とても耐えられないという感じではない。

 ロマネスク様式とゴシック様式が交じったノッサ・セニョーラ・ダ・オリベイラ教会は、そのアーチが完成するときに教会前のオリーブの樹が突然葉を出したという伝説から、「オリーブの樹の聖母教会」という別名があるそうだ。広場には人々がオープンカフェでお茶を飲んだり、おしゃべりをしたり、日曜のお昼前の時間を楽しんでいる。旧市庁舎の建物も立派。広場を囲む色とりどりの建物のヴェランダがとても美しい。
 少し自由散策時間があったので、息子は黒字にイワシの柄のキュートなTシャツを購入。ここでも彼はちゃっかりお店の金髪美人とツーショットをお願いする。

 そして再びバスに乗り込み、60Kmほどの移動を経てポルトガル第二の都市、商業の中心地ポルトに到着。ポルトガルの国名の由来となったこの町の旧市街地は、ポルト歴史地区として世界遺産に登録されている。普段なら1時間半はかかるというが、バスは順調に進み、予定より早い時間に到着したため、ランチ予約時間前にバロック装飾の極致サン・フランシスコ教会を見学出来た。

 ここは14世紀に建造された修道院付属の教会だ。当初はゴシック様式だったが17世紀にバロック様式に改装されたという。内部の金泥細工が圧巻。口を開けて高い天井を見上げる。壁も柱も金箔を張った見事な彫刻で覆われている。両側に複数の礼拝堂があるが、修道者の像の胸や首に杭が刺さっていたり、かなり残酷なものも。中でも「ジェッセの樹」というキリストの系図は素晴らしかった。教会の外に出ると、ドウロ川を隔てた街の美しいこと。いくら写真を撮っても撮りきれない感じ。気持ちが高揚するのがわかる。

 ランチタイムは教会のすぐ脇にあるレストランで。ポルトガル名物バカリャウ(干し鱈)のコロッケが前菜でメインは鴨のリゾット、デザートはエッグタルトを堪能する。ウエイターさんたちは片言の日本語を話して楽しい。息子はサングリアを飲んでほんのり頬を染めて幸せそう。

 食後は港方面に歩いて移動し、クルーズ出発までの若干自由散策時間を頂いてお土産物屋さんへ。あれこれ買い求めるつもりでレジまで行ったが、直前のベトナムからの観光客が大量の商品をタックスフリーで購入中。店員さんが計算を間違えたようで、手続きに時間がかかり、集合時間まで時間がなかった私たちは泣く泣く買い物を諦めて集合場所へ急いだ。川からの心地よい風が吹くウオーターフロントは大賑わいだ。

 船上からの美しい街並みを愉しめる小一時間のドウロ川クルーズを満喫。さすがに暑さが厳しく、屋根のある船内に座って、外には写真を撮るときだけ出る軟弱さだったけれど、坂道を歩いて少し草臥れた身体にはこの1時間は貴重な休憩時間になった。

 船から下りて、ポートワインのワイナリーを訪れる。1790年にスコットランド人のサンデマンが創設したワイナリーは、黒マントとソンブレロのトレードマークで親しまれている。案内の女性もそのスタイル。ローマ時代からワイン造りが始まっていたというポルトガルだが、ポルトに来たら、やはりポートワインでしょうということで、白赤2種のポートワインの試飲をし、息子はミニボトル等をお土産に購入した。

 その後は出来たばかりで地元の人にも人気という、旧市街を一望できるゴンドラに乗車。全長90メートルの区間わずか2,3分ではあったけれど、しばし空中散歩を楽しむ。クルーズでは下から見上げたドン・ルイス一世橋を今度は上から見下ろす感じ。パノラマのように広がる景色に目を見張る。

 最後は、ポルトの玄関口サン・ベント駅構内のアズレージョ(装飾タイル)。ポルトにまつわる歴史的な出来事が描かれている。ヨーロッパの終着駅の駅舎はどこも似た造りだけれど、20世紀初め修道院跡地に建てられたというこの駅も実に立派である。
 こうしててんこ盛りの観光が無事終了。車窓から「世界で最も美しい書店ベスト10」に選ばれたという「リブラレラ・レロ」に並ぶ観光客の姿なども見た。入りたかったのだけれど、残念。
 夕食はミックスサラダ、ポルトガル風のブイヤベースと焼きリンゴに舌鼓。ウエイターさんからチリソースを紹介されてかけてみたけれど、かなりホットでびっくり。息子はさらに辛いというものを試して、顔から汗が止まらなかった様子だ。北海道からいらしている80代の素敵なご夫婦とお昼に続いてご一緒。

 そして、今日から2泊するポルトのホテルへ無事チェックイン。夫と息子はジュニアスイートの部屋で大喜び。私も一人では十分なツインのシングルユース。
 明日は国境越えでスペインに入る。
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