ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.8.29 採血心エコー後腫瘍内科診察、ハーセプチン200回目(3倍量再開11回目)、明日からゼローダ12クール目(パイオニア的飲み方)再開

2018-08-29 21:55:02 | 治療日記

 昨夜は大浴場があるホテルに宿泊。チェックイン後少し休んですぐにお風呂に向かった。気持ち良くリラックスして部屋に戻り、あっという間に眠くなってしまった。夜中に一度目を覚ましたけれど、すんなり寝直して早々と目が覚めた。
 迷わず朝風呂に向かう。貸し切り状態でラッキーだった。夫にモーニングラインをして起床を確かめてからゆるゆるとレストランに向かい、あれこれちょっとずつ、といいつつモリモリ頂く。
 BSで朝の連続テレビ小説を視、母にご機嫌伺いの電話をして(昨日息子が実家へ行ったこともあり、話が止まらなくて往生した)からチェックアウト。曇天で気温があまり上がらない模様。厳しい暑さが続いていたのでほっと一息だ。

 病院に到着し、IDカードを通し、まずは採血の受付へ。電光掲示板には7分待ちとあったが、20人以上待っている。今日は心エコー検査が時間指定なので、生理検査の番号札も取っておく。
 採血が15分待ちに訂正されたと思ったら、本当に15分待ったところで部屋に入れてほどなくして順番になった。初めてお目にかかる看護師Mさん。まだ随分お若い。今日はフルチェックのため5本だが、それほど痛まずほっとする。5本採り終わるまでに結構時間がかかり、抜針の後もなかなか血が止まらなかった。
 止血しながら採血室から出たタイミングで生理検査の番号を呼ばれる。予約10分前に受付をすることになっているが、まだそれまでに30分ほどあり、その間にレントゲンを済ませることに。

 エスカレーターで2階に上がる。こちらもまだ早いので番号を配布中。15分ほど待って、遅いなあとちょっと心配になったところで呼ばれ、中廊下に移動。ほどなくして順番になり、レントゲン対応衣装のため、そのまますんなり撮影して終了。
 再び1階に戻って、指定時間にちょうど生理検査受付に辿り着いた。そのままエコーの中待合に移動。時間通りに名前を呼ばれ、ここでは検査着に着替えてベッドに横になる。
 横向き、少し仰向け、仰向けと20分ほど。薄暗い部屋の中でなんとなく眠くなってくる。無事終わって着替えを済ませ御礼を言って向かいの腫瘍内科へ移動。

 ここまでで病院に入ってから1時間30分近く経過している。そろそろ採血の結果も出ているかもしれない。待合椅子の定位置が確保でき、受付をして、読書開始。

 今日のお伴は、先日、帰りの飛行機の中で読みかけだった乃南アサさんの「水曜日の凱歌」(新潮文庫)の続き。700頁を超す長篇だが、まだ200頁弱しか読めていなかった。すんなりと小説の世界に入り込んでグイグイと読み進める。芸術選奨受賞のこの作品は乃南さんの新たな代表作とされるが、実に面白かった。
 「戦争が終わったその日は、女たちの戦いが幕を開けた日。世界のすべてが反転してしまった日。14歳の鈴子は、進駐軍相手の特殊慰安施設で通訳として働くことになった母とともに各地を転々とする。苦しみながら春を売る女たち。したたかに女の生を生きなおす母。変わり果てた姿で再会するお友達。多感な少女が見つめる、もうひとつの戦後を描いた感動の長篇小説」と裏表紙にあるとおり、RAA(特殊慰安施設協会)を初めて取り上げたという力作。頁を繰る手が止まらなかった。思春期の少女の母への視線は同性だけに実に厳しい。主人公は昭和6年生まれの設定だから、丁度母の2つ上で伯母と同い年だ。この世代の人たちが生き延びてきた背景を想うと、やはり生きていることは奇跡の積み重ねだと想わざるを得ない。

 ちょうど腫瘍内科の予約時間だったので、少し落ち着いたところで忘れないうちに血圧測定。95-61、脈拍は73。まあ朝なのでちょっと低めか。30分ほど待って「中待合へどうぞ」に掲示板番号が出てから再び30分ほど待っていると化学療法室のMさんが「体調いかがですか」声をかけてこられたと同時に先生がお顔を出された。

 ご挨拶して椅子に座る。「ゼローダ後半をお休みしてすみませんでした。おかげさまで旅行にも無事行くことが出来ました。とにかく暑さで怠さが酷く、痛みや息苦しさもあり、ちょっと(飲み続ける)自信がなかったので。ロキソニンの効きが悪く、コデインを飲みました。気分的なこともあるのかもしれませんが、効いたようでした。(ゼローダを)お休みしたことで大分調子も良くなり、(ゼローダを止めたのと)同時に抗生剤フロモックスも止めています。休薬のせいか、爪囲炎も大分良くなっています。」と足先をお見せする。 「手の爪は欠けたり割れたりしやすいですが、手のひらの痛みも足の裏の痛みも大分軽減しています。体重増加もなくなりほぼ通常に戻っています。」と手袋を外してご報告する。

 「まず心エコーですが、心臓の機能はバッチリで、採血でBNP(心臓から分泌されるホルモンの一種で、心筋梗塞や心不全のような心臓に負担がかかった状態になると心臓(主に心室)から血液中に分泌される。この数値が高いということは、心臓に負担がかかっていることを意味する。)の数値を取ってフォロー検査しましたが、これもOKでした。採血は概ね良いですが、マーカーは上がっています。5月から連続して、ですね。」とPCのグラフを見せてくださる。「まあ、指標の目盛りを小さく取り直せばゆっくり少しずつ上がっているという感じですが・・・。」とグラフを再表示してくださる。「白血球は4,200、赤血球も12.5あるので貧血も大丈夫、肝機能もここのところでは良い数値です。(とはいえ依然として赤い表示)」と言われる。

 PCには2回分のレントゲンの画像が並んでいる。「前回に比べて右下の影が濃く大きくなっています。これだけだと無気肺なのか腫瘍なのか分からない。ただ無気肺だとしても腫瘍が(大きくなって)押して気管支の通りを悪くして肺が潰れているのかもしれません。(咳が出るという)症状もあるようだし、5月から4か月経つので次回CTを撮りましょう」ということに。その場で次回の通院日に結果を聴けるように前の週に予約を入れて頂く。

 「薬はゼローダが半分残っているでしょうから1週分のみ、そして(これまで頓服で出していた)コデインを多く出しますので、我慢しないで痛ければしっかり飲んでください。1日4回まで2週間分処方しましょう。半減期が短いので、4時間から6時間くらいの効き目です。」とのこと。前回10包出して頂き、旅行前に残っていたのが7包だけだったのでちょっとヒヤヒヤしていた。今回56包も頂けて安心した。
 「コデインを続けて飲んで問題ないですか。」と確認すると「コデインに不満がなければ敢えて変える必要はありません。」ということだったので、ロキソニンが効かない時は迷わずコデインを飲み、それで問題なければOKというご判断。ひとまず医療系麻薬等の新しい薬は所望せずに済んだ。

 それにロキソニンとミヤBM錠が加わった。足の爪周りをお見せしたことで「抗生剤ももう飲まなくてよいでしょう。また悪くなったら、その時に、でよいでしょう。」とのこと。さすがに5か月近く飲み続け、止めたかったのでほっとする。診察室での検温は6度7分。

 ご挨拶して診察室を後にした。化学療法室に入ると、混んでいる。待合の椅子も一杯。なかなか呼ばれない。
私の後にも患者さんが入ってくる。夫やお友達に報告LINEしながらやり過ごしたが、30分以上待った。ようやく看護助手さんが窓側の一番奥のリクライニング椅子に案内してくださった。態勢を整えて針刺しと薬が届くのを待つ。

 15分ほど待っただろうか。Kwさんが見えた。今日もちょっと痛んだが、まあ仕方ないなというレベル。
 そこから15分ほどして薬をセットしにきてくださる。休薬中の状況等の問診等。急逝されたさくらももこさんのお話にもなった。
 ハーセプチンと生理食塩水で1時間半。終了間近に血圧を測って頂くと、99-58、脈拍は60。やっぱり低めですね、朝は辛いですか、と訊かれる。
 抜針はKwさん。うーん、どうしてこんなに衝撃が来るかなという感じ。思わず「痛い」と言葉に出てしまった。胸元で自分では見えない部分なので必要以上に痛むと不安が増す。

 前回各科での会計計算になって戻って良かったと思っていたのにまたしても今日は総合受付で会計、に変わっていた。やはり待ち時間が長く、病院滞在時間は5時間半。採血、エコー、点滴の3割負担の4万円弱をカードで支払う。
 外は相変わらずの曇天。
 薬局は数人が待っていたが、今日も今日とて後から来た人にどんどん抜かされる。小一時間待って最後になってしまった。ゼローダが半分なので6,000円ほどをカード払い。

 病院と薬局の合計滞在時間は6時間半弱。さすがに6時間を超えると疲れるし空腹もピークを過ぎる。ランチ終了間際に駅ビルのレストラン街に入って、さっさと食べられるお寿司屋さんに入った。息子のものを少し買い物して、車内では席を確保して本の残りを読み終えた。

 夕食は乗換駅の駅ナカスーパーでお弁当を調達。2人分でも結構な荷物だが、今日は息子の分も含めて3.5人分。お泊り道具や薬袋、買い物袋等も含め両肩にバッグとエコバッグ、両手に手提げの大荷物。日傘がなかっただけめっけもんである。フラフラしながら最寄り駅に到着し、迷わず贔屓のタクシー会社の車をゲットして帰宅した。殆ど仕事をして帰るのと変わらない時間の到着。

 帰宅すれば玄関の前には生協のお届け品がドーンと鎮座している。DM等郵便物も一杯で両手がふさがっていたが、幸い息子が家にいたので呼び鈴を押してドアを開けてもらう。
 食料品を玄関先から冷蔵庫付近まで2人でピストン輸送。郵便物を整理し、洗濯物を畳むのは息子に指示し、片づけて終わってようやく腰を下ろしたらもう夫が帰ってきてしまった。洗濯が間もなくして出来るから、と横になっていたら、夫が干してくれたので、甘えてそのままゴロゴロ。
 味噌汁を作り、買ってきたお弁当も温めてくれて、3人で夕飯を頂いた。
 明日、明後日はまた暑さがぶり返すという。本当に厳しい夏だ。2日間頑張ればまたお休みの土日だ。
そして明日から12クール再開。今度はちゃんと飲み切れますように。
コメント
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