『Hole』(原題:洞)
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:ヤン・クイメイ,リー・カンション,ミャオ・ティエン他
SARSの蔓延で、海外旅行に出かける人がめっきり減ったGW。
SARSのニュースが流れるたびに思いだすのが
1998年のこの映画。台湾とフランスの合作です。
舞台は2000年。1998年の作品ですから、
世紀末を迎える近未来の映画ということになります。
21世紀まであと1週間。
豪雨が降り続く台北では、水道水が汚染され、
謎のウイルスによる疫病が蔓延。
このウイルスに感染した人は、ゴキブリのように部屋のなかを這い回り、
光を嫌がるようになります。
この都市の古いマンションの一室に住む男。
男の部屋にやってきた水道屋が作業の途中で誤って、
ひとつの穴を階下の部屋まで貫通させてしまいます。
ここから始まる、男性と階下に住む女性との不思議なやりとり。
穴から聞こえるお互いの生活音、
穴から下に流れ落ちる水、ときには嘔吐物まで。
豪雨の続くこの都市はひたすら暗く描かれ、
会話もほとんどありません。
かと思えば、エレベーターが開いたとたんに
『カリプソ』を歌う女性が現れたりと、ミュージカルの要素も。
暗がりのなかでこの小さな穴だけから光が洩れる。
孤独な住人がウイルスに怯えつつ、
ひと筋の光に温かさと希望をおぼえます。
見終わったときは「?」な感じで
「なんじゃこりゃ」と思わないこともなかったのですが、
何年経っても心から離れない、
不思議でとても好きな映画となりました。
台北や香港のマンションでSARSが広がっていると、今朝の新聞で読みました。
近未来の話のはずが本当になるなんて。
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:ヤン・クイメイ,リー・カンション,ミャオ・ティエン他
SARSの蔓延で、海外旅行に出かける人がめっきり減ったGW。
SARSのニュースが流れるたびに思いだすのが
1998年のこの映画。台湾とフランスの合作です。
舞台は2000年。1998年の作品ですから、
世紀末を迎える近未来の映画ということになります。
21世紀まであと1週間。
豪雨が降り続く台北では、水道水が汚染され、
謎のウイルスによる疫病が蔓延。
このウイルスに感染した人は、ゴキブリのように部屋のなかを這い回り、
光を嫌がるようになります。
この都市の古いマンションの一室に住む男。
男の部屋にやってきた水道屋が作業の途中で誤って、
ひとつの穴を階下の部屋まで貫通させてしまいます。
ここから始まる、男性と階下に住む女性との不思議なやりとり。
穴から聞こえるお互いの生活音、
穴から下に流れ落ちる水、ときには嘔吐物まで。
豪雨の続くこの都市はひたすら暗く描かれ、
会話もほとんどありません。
かと思えば、エレベーターが開いたとたんに
『カリプソ』を歌う女性が現れたりと、ミュージカルの要素も。
暗がりのなかでこの小さな穴だけから光が洩れる。
孤独な住人がウイルスに怯えつつ、
ひと筋の光に温かさと希望をおぼえます。
見終わったときは「?」な感じで
「なんじゃこりゃ」と思わないこともなかったのですが、
何年経っても心から離れない、
不思議でとても好きな映画となりました。
台北や香港のマンションでSARSが広がっていると、今朝の新聞で読みました。
近未来の話のはずが本当になるなんて。