夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『のんちゃんのり弁』

2010年02月15日 | 映画(な行)
『のんちゃんのり弁』
監督:緒方明
出演:小西真奈美,岡田義徳,村上淳,佐々木りお,
   山口紗弥加,岸部一徳,倍賞美津子他

週刊漫画雑誌『モーニング』に1990年代後半に連載された、
入江喜和による同名漫画の映画化。
連載中にはテレビドラマ化もされました。

東京の下町育ちの主婦、小巻は、
自称小説家のぼんくら亭主、範朋に愛想を尽かし、
一人娘ののんちゃんを連れて実家に帰る。

慰謝料も養育費も不要だと言って飛び出してきたが、
小巻は通帳を開いてその残高におののく。
のんちゃんの幼稚園転園に伴って、想定外の出費もあるのに。

就活を始めたものの、31歳、キャリアも資格もなし、
幼稚園のお迎えがあるので勤務は13:00までと言う小巻は
どこへ行っても冷たくあしらわれる。

中学の同級生で、偶然にものんちゃんの転園先で保母を務める麗華は、
自らもバツイチで修羅場をくぐり抜けた経験から、
綺麗事は駄目、水商売でも何でもしろと忠告する。
腹を括った小巻は、麗華の紹介で小料理屋を訪れるが、
男性客に抱きつかれて張り倒してしまう。

凹む小巻は、やはり中学の同級生で、写真館を営む建夫と再会。
写真の配達につきあって立ち寄ったのが、酒とめしの店“ととや”。
主人から出されたサバの味噌煮に小巻は仰天。
あまりの美味しさに弟子入りを志願するのだが……。

「のり弁」は、のんちゃんの大好きな、小巻が作るお弁当。
上から見ると、白ごはんに海苔をのせただけのお弁当ですが、
お箸を入れると、あら、ニッコリの素敵な断面。
これでのんちゃんも人気者に。

岸部一徳演じる“ととや”の主人は、
映画のオイシイところを見事に全部持って行きます。
熱すぎない台詞の言い回しがさすが。

こんな小西真奈美は初めて見ましたが、とっても○。
彼女は、最近コメディ映画に多数出演している成海璃子よりも、
ずーっとコメディエンヌが似合うかもしれません。

ストーカーまがいの行動に走る範朋に岡田義徳、
嫁日照りだと嘆く人の良さげな建夫に村上淳。
口の悪い母親に倍賞美津子と、飽きさせない出演陣。
さらに、弾けた麗華先生を演じる山口紗弥加がサイコー。

ちょっと昭和の香りのする作品です。
名作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)に、
「懐かしいって、そんなにいいことなのかなぁ」という、
風間くんの印象深い台詞がありましたが、
やっぱり、懐かしいっていいことだと思うのでした。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする