夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『雷桜』

2010年11月01日 | 映画(ら行)
『雷桜』
監督:廣木隆一
出演:岡田将生,蒼井優,小出恵介,柄本明,時任三郎,宮崎美子,池畑慎之介他

招待券をいただいたので、またしても得手ではない時代劇へ。
宇江佐真理の同名小説の映画化です。

江戸時代。
将軍家に生まれたまだ若い殿様、清水斉道は、笑顔を見せたことがない。
幼少の頃、父親の徳川家斉に捨てられたせいで狂ってしまった母親から
辛く当たられたことがトラウマとなっているのだ。

夜ごと恐ろしい夢を見てはうなされて目が覚める。
ところが、すぐそこにいるはずの家臣を呼んでも返事がない。
夜伽の最中に居眠りをするとは何事かと、斉道は刀を抜いてその家臣を追い回す。

本当に家臣を殺しかねない勢いの斉道を、必死で止めたのが瀬田助次郎。
その様子を見ていた御用人の榎戸角之進は、
今後ずっと斉道に仕えるようにと助次郎に命ずる。

眠れぬ斉道のために、助次郎は自分の故郷である瀬田村の話をする。
天狗が棲むという山に興味を示した斉道は、静養先として瀬田村を選ぶ。

瀬田村へ向かう途中、家臣の制止を振り切って山へと入る斉道。
そこで出会った天狗の正体が、雷(らい)という若い女。
助次郎にそのことを話したところ、
それは、乳飲み子の頃に藩のいざこざに巻き込まれて
さらわれてしまった自分の妹、遊(ゆう)に違いないと助次郎が言う。

助次郎の母親は、娘が生きていると知って大喜び。
育ての親から真実を明かされた遊は、傷心のうちに山から村へと戻る。
作法も何もわからず、野性味たっぷりの遊は村の暮らしに馴染めない。
そんな遊に、自分を山へ案内しろと斉道は言い……。

身分違いが何であるかもわからない遊と、
将軍の息子であるという宿命からは逃れられない若殿様の恋。
売れっ子の主演2人が吹き替えなしでこなす乗馬シーンはなかなかのもので、
青々とした草原と空と、標題の雷桜は心揺さぶられる美しさ。
宮崎美子の溢れる母性にも泣かされます。

けれど、私はやはり、チョンマゲ姿の岡田くんではなく、
今風の岡田くんを見たい。(^^;
頼りなげに微笑む優ちゃんは健在ですが、
すすだらけの顔でラブシーンを演じられてもちょっと引く。
悪くはないけど、良くもないというのが正直な感想で。

余談ですが、本当によく見かける柄本明の息子、柄本佑。
脇役として確実に需要がありそう。

それにしても、前々述の『十三人の刺客』はともかく、
これにも切腹シーンがあるとは予想できず。痛いやんか。(T_T)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする