夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『蛍火の杜へ』

2011年10月25日 | 映画(は行)
『蛍火の杜へ』
監督:大森貴弘
声の出演:内山昂輝,佐倉綾音他

のっけからこんな話題もどうかと思いますが、
わりと代謝がいいのか、便秘知らずです。
そして、毎朝、おなかがすっきりしてからでないと、出かける気になりません。
平日はもとより、休日もそのための時間を見込んで何時に起床するかを決定します。

先週末は、11:40からの映画を1本だけ観るつもりで起きましたが、
おなかがすっきりしたのが9:00頃。
今から観られる映画はあるはずもないと思いつつ調べたら。
10:30からテアトル梅田で44分間のアニメが。終映時刻が11:20。
そこからダッシュしてシネ・リーブル梅田へ11:40に間に合うのか。
これはもしや可能かも~と、急ぎ、出かける用意を始めました。

って、みなさまにお知らせするようなことでもないんですが、
おなかがすっきりしたうえに、素晴らしく効率的な映画のハシゴができたので、
誰かに聞いてほしくなったのでした。すんません。

ひと月近く前に友人親子から観に行ったと聞いていた作品です。
まだ上映中とは思ってもみませんでした。結構なロングランのようで。

緑川ゆきの短編漫画。TVアニメ『夏目友人帳』の製作陣による映画化です。

まだ幼い女の子、竹川蛍は、夏休みに田舎の祖父の家を訪れる。
ひとりで付近を散策中、“山神の森”に迷い込んでしまう。
その森には妖怪たちが棲んでいるとの噂。

静まり返った森の中、次第に夕暮れが近づき、
涙ぐむ蛍の前に現れたのは、狐の面をかぶった少年ギン。
人間の姿をしているが妖怪だというギンは、
人間に触れられると消えてしまうらしい。

妖怪に動じない蛍に、逆にギンのほうが驚くが、
助けてもらえて、しかも妖怪に会えて、蛍は大喜び。
嬉しさのあまり何度も飛びつこうとする蛍に、ギンは大慌て。
他の妖怪たちにもおちょくられながら、なんとか森の入り口までたどり着く。

以来、夏休みになると、毎年毎日、蛍はギンに会いにやって来る。
ギンに恋心を抱きながら、成長してゆく蛍。
対するギンは一向に年を取らない。
いつしかギンを追い越してしまうのだと蛍は悟るのだが……。

蛍とギンが過ごす夏、夏を待ちわびて蛍が過ごす秋、冬、春。
夏の間だけを見ても、ミンミンゼミからヒグラシに変わることで、
過ぎ行く季節を感じられます。

触れたいのに触れられない。
木切れの端と端を持って歩くさまは切なくて美しい。
何を考えているのかわからないギンが、
「本望だ」とつぶやくシーンには胸がキュンとなりました。

ところで、“山神の森”とまでは行きませんが、うちは大阪では緑は多いほう。
バッタやカマキリが車に張りついていることがしょっちゅうあります。
この日もバッタと共に梅田まで。
あんな時速に耐えるんですね、バッタちゃん。
必死のぱっちでボンネットに張りつく姿が涙ぐましい。
梅田ロフト前で停車したさいに飛び立って行きました。お疲れさん。

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