夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『カンパニー・メン』

2011年10月28日 | 映画(か行)
『カンパニー・メン』(原題:The Company Men)
監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック,クリス・クーパー,ケヴィン・コスナー,マリア・ベロ,
   ローズマリー・デウィット,クレイグ・T・ネルソン,トミー・リー・ジョーンズ他

梅田ロフトの駐車場は機械式で、出庫に時間がかかるから、
そこには入れずに60分まで駐車可能なロフトの真ん前、パーキングメーターを利用。
これも『蛍火の杜へ』が上映時間44分の映画だからできたこと。
車を出したら60分ジャストの表示。なんだか嬉しい。
即、新梅田シティのシネ・リーブルへ向かえば、数秒の無駄もないハシゴでニヤリ。

さて、もともと観るつもりにしていたのは本作でした。

アメリカ、ボストンの大手総合企業GTX。
まだ若手の部類でありながら販売部長を務めるボビーは、
年収12万ドル、高級住宅街に居を構え、愛車はポルシェ。
妻と子どもに囲まれて、いわゆる勝ち組の人生を送っている。

ところが、リーマンショックを受けて、数千人が解雇されることに。
花形だったはずなのに余剰人員と言われ、突然クビを宣告される。
解雇手当は給料の3カ月分。再就職のための支援センターに通うなら、
当面はその経費をGTXが負担してくれるらしい。

広域にわたる営業できちんと結果を出してきた俺。
あちこちからすぐに声がかかるに決まっている。
もう長く支援センターにいるらしい失職者たちにそう息巻いてみたものの、
再就職先はまったく見つからず……。

ボビーを演じるベン・アフレックのほか、主要な男性陣の配役が豪華。
GTXの造船部門のトップで、副社長でもあるジーンにトミー・リー・ジョーンズ。
造船部門の溶接工からのたたき上げで役員となったフィルにクリス・クーパー。
そして、ボビーの義兄で小さな工務店を経営するジャックにケヴィン・コスナー。
どの役者を見ても主役級なのに、いや、主役級だからこそなのか、
みんな引きどころをわかっているようで、いい感じの力の抜け具合。

夫がリストラに遭ったとき、妻の取る態度がさまざまで興味深いです。

家も車もゴルフの会員権も手放そうとしないボビーに対し、妻は非常に現実的。
スパッとすべて売り払い、再就職が決まるまでは舅姑を頼ることに決めます。
妻の進言をなかなか聞けないボビーが同意したきっかけは、
息子が買ったばかりのゲーム機をこっそり店に返品したことでした。

フィルの妻は、リストラされてからも同じ時間に夫を送り出します。
スーツを着せ、ブリーフケースも持たせ、
近所の人にバレないよう、時間を潰して帰って来いと。
贅沢三昧だったジーンの妻は、夫が無職になればとっとと離婚。

この中では唯一ちがう仕事に携わってきたジャック。
顎にも腹にも肉のついたケヴィン・コスナーが、職人気質で魅せてくれます。

初心に戻って一念発起。一発逆転までは見せません。
世の中そう甘くないやろと突っ込まれそうなところまでは行かない程度の、
観た人が前向きになって心地よく帰れるぐらいのラスト。

しかし、いくつになってもラブシーンは撮りたいものなんでしょか。
トミー・リー・ジョーンズの裸はどうでもいいんだよぉ。

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