夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『チャッピー』

2015年06月09日 | 映画(た行)
『チャッピー』(原題:Chappie)
監督:ニール・ブロムカンプ
出演:シャールト・コプリー,デヴ・パテル,ヒュー・ジャックマン,ニンジャ,
   ヨ=ランディ・ヴィッサー,ホセ・パブロ・カンティージョ,シガーニー・ウィーヴァー他

どうしても劇場で観たかった本作をようやく観ることができました。
土曜日に通りすがりの金券ショップでムビチケをゲット、日曜日にTOHOシネマズ梅田にて。
スーツケースを引きずりながら劇場直通のエレベーターに乗り込むカップル発見。
バリバリの標準語なので旅行の途中なのでしょう。
何も旅行中に映画を観に来なくても……と思いましたが、
自分だって渋谷で映画を観たのだから、人のことは言えません。(^^;

『第9地区』(2009)、『エリジウム』(2013)のニール・ブロムカンプ監督による、
アメリカ/メキシコ/南アフリカ作品。

2016年、南アフリカの犯罪多発都市ヨハネスブルグ
犯罪率を下げようと躍起になる南ア政府は、兵器メーカーのテトラバール社から、
AI(人工知能)を半分取り入れた最先端の攻撃ロボット“スカウト”を大量に購入。
スカウトは警官に帯同して威力を発揮、みごとに犯罪が制圧される。

スカウトを開発したのは、テトラバール社の若きエンジニアであるディオン。
社のエースとして君臨する彼だが、おごりたかぶりはしない。
より良きものを開発しようと、日々研究にいそしんでいる。

そんな彼が現在ひそかに入れ込んでいるのは、感情や意見を持つロボット。
そしてついに人間の知性のすべてを模倣するAIソフトウェアの開発に成功する。
ディオンはそれをロボットに搭載してみたいと考え、
上司のミシェルに試作の許可を求めるが、あっさり却下されてしまう。

あきらめきれないディオンは、廃棄処分予定だったロボットを1台持ち帰る。
ところが、その帰り道、金策にせっぱ詰まったギャング一味に誘拐される。
ギャングはニンジャ、ヨーランディ、アメリカの3名。
強盗をはたらくには目障りなスカウトの力を消失させるために
スカウトの開発者を誘拐して、すべての電源をオフにさせようと考えたのだ。

しかし、捕らえたディオンは、電源オフにはできないと言う。
ならば、車に積んでいるロボットにAIソフトウェアを搭載して最強兵器に仕立て上げ、
ギャングの手伝いをさせてはどうだろう。
こうして、感情を持つロボット“チャッピー”が誕生するのだが……。

やっぱり好きだなぁ、この世界観。

ヒーロー役の多いヒュー・ジャックマンが、ディオンの同僚役で登場。
ディオンのせいで自分の発明が日の目を見ず、激しい敵意を抱く悪人役。
こういう彼をもしも先に見ていたら、好きにはなれないでしょうね(笑)。
それにしてもヒュー、ちょっと胸板が厚くなりすぎているような。

ロボットといえども生まれたばかり。
赤ん坊をあやすように接し、言葉を教えるディオンやギャングのメンバー。
母性とはほど遠いところにいるような外見のヨーランディが
チャッピーを愛おしく思い、温かく接します。
暴力的なだけに見えたニンジャの終盤の行動にもジ~ン。

好き嫌いの分かれる監督だとは思いますが、
どの作品もどこかしらレトロフューチャーな印象があり、
どうなろうと生きつづける人の切なさが感じられて、私は大好き。

ギャングのニンジャとヨーランディはラッパーだそうで。
“ダイ・アントワード”というそのグループの曲にもちょっぴり興味が湧きました。

レッドブル好きの私が笑ったのは、ディオンの身のまわりの世話をするロボットが
「レッドブル」のひとことで冷蔵庫からそれを持ってきてくれるシーン。
それと、ニンジャが着ていた「テンシヨン」のカタカナ入りジャージは“Superdry 極度乾燥(しなさい)”なのかしらん。

人間は、どうして嘘をつくの。

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