小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



まもなく東日本大震災から1年。この小田原では幸いにも大きな人的被害は出なかったが、水道管が破損したり住宅のブロック塀が倒れたりする被害があった。震災後、水道関係の被害箇所は比較的早く復旧工事が進められたが、なかなか復旧に着手しない場所が小田原市南町にあった。小田原市南町の小田原文学館。南側の路地に面して瓦葺の切妻屋根の南門があった。その小田原文学館の南門は昨年3月11日の地震で倒壊。震災の翌日に様子を見に出かけたら道路側に倒れていた。倒壊した南門に近づくと、門柱や木組みには大きな損傷は無いように見える。しかし、葺いてあった瓦はほとんどが割れており、まさに瓦礫と化していた。震災から3ヶ月後、再び小田原文学館に出かけると、倒壊した南門はブルーシートに覆われていた。近くには復旧を予定している旨の張り紙があったが、復旧工事はなかなか始まらず年末近くまでブルーシートに覆われたままだった。東日本大震災からまもなく1年、急に小田原文学館のことを思い出して先日出かけてみるとなんと南門が復旧していた。門柱はもとの場所に再建され、木組みも、ほぼそのままの姿だが、あの重厚な瓦葺の屋根は緑色の鋼板葺きになっていた。真新しい緑色の鋼板屋根が周辺の景観と調和してないように感じ、なんともしっくりこない。復旧したものの、なんだか少しがっかり。この南門をくぐり小田原文学館の庭園に入ると、近くにもう1つの門がある。その門も同じような鋼板葺きの屋根で、経年によりだいぶ色もあせて落ち着いた色調になっていた。南門の鋼板葺きの新しい屋根も何年かすると味が出てくるのかもしれない。またこの南門が倒壊するような地震が来ないことを願いつつ、小田原文学館の庭園を突っ切って帰路についた。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )