ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

純粋な喜び

2020-07-27 | アメリカ事情

ABCニュース写真:リーハンと兄レジー。

 

 

 

ハーバードロースクール(ハーバード法科大学院)について思いつくのは、富、名声、著名な図書館、おそらくセーター・ベストだろうか。誰も午前4時に起き、学校へ行く前に清掃作業員としてゴミ収集トラックに乗り込む風景を思い浮かべはしないだろう。

 

Google.com

 

しかし、そうすると、あなたはリーハン・スタットンをご存知ではない。

ハーバード法科大学院に入学するのは誰にとっても簡単なことではないが、ひとり親の貧しい家族のリーハンは、本当に自分で未来の教育のために道を切り開いたのだ。働き者で勤勉な彼は、それが周囲の人々のおかげだとへりくだっている。

24歳のこの大学生は次のようにNBCのTodayと言う番組で語った。「家族として行なったすべてを経験した後、ハーバード大学に入っただけだと感じています。うまく説明すらできませんが、それは自分一人ではなく『私たち』がそうしたのです。」自分のいるコミュニティがすべての違いを生み出したと彼は言う。

リーハンは、長年にわたる家族が瀕してきた困難と貧困を乗り越えた後、「もっと多くのことを求めていた」と認める。メリーランド州ボウイで育った彼は、8歳の時に、母親が家族を捨て、国外に引っ越してしまった。しかし、それは彼が、勤勉の価値を学び始めたときでもあった。彼の父親は、リーハンと兄息子レジーをサポートするために、複数の仕事を掛け持ちしなければならなかった。

その頃は家族の試練の時だった。リーハンの成績が少し下がった時、そのエネルギーをスポーツに向けた。リーハンはボクシングと武道に秀でており、それらが貧困から抜け出すための道となることを望んで、国内および国際大会で優勝した。だが肩回旋筋腱板によってそうした夢は完全に打ち砕かれた。

何年にもわたる苦労の末、リーハンの高校の成績は非常に悪かったため、志願したすべての大学から拒否された。そのため、18歳で大学に行く代わりに、ベイツ・トラック輸送とゴミ収集会社に就職した。そこでの同僚のほとんどは、投獄歴があった。多くの人にとって、この仕事を引き受けることは全くの人生の低点のように感じるかもしれない。しかし、リーハンにとっては、自分の人生を好転する良い機会となった。

「父や兄のような家族ではないグループが私の周りにやってきたのは、自分の人生で初めてのことでした。でも、この人たちは本当に、僕に力を与え、元気づけ、僕が利口だと言ったのです。」

そうしてこうした同僚はリーハンが学校に戻るよう勧め、この会社の所有者の1人であるブレント・ベイツはリーハンがボウイ州立大学に入学するのを助けてくれた。 リーハンは平均4.0(4点満点)の成績を獲得し、メリーランド大学に編入できた。

しかし、リーハンの試練はまだ終わっていなかった。メリーランド大学での3年目に、父親が脳卒中を患い、家族を救うためにベイツ社で仕事に戻る必要があった。多くの人々はここであきらめただろうが、リーハンは学校生活の上にベイツでの仕事を一日のスケジュールに入れたのだ。学校を中退する代わりに、毎日午前4時に起きて、授業の前に清掃車乗務をこなし、授業が退けると又働いた。

2018年にたくさんの栄誉と称賛をもってリーハンは大学を卒業し、卒業式ではスピーチをする総代に選ばれた。 LSATテスト(法学系大学院共通入学試験)を受けると、彼は80パーセンタイルで並外れたスコアを記録し、法科大学大学院への入学願書を出し始めた。

リーハンは照準を高く合わせたーハーバードに。

その学校には高額な値札が付いているが、幸いなことに、リーハンはある後援者を見つけた。情報伝達学のコーチ、カーミー・マクックが、学費援助のためにGoFundMeページを始めたのだ。当初の目標は75,000ドルだったが、185,000ドルを超える寄付が集まった。カーミーは(GoFundMeページ)にこう書いた。 「私は彼から非常に強い共感と賞賛を感じたのです。そこで絆が生まれ、彼が何かのために私を必要とするなら、そのために私はいつもそこにいると言いました。彼は今では、私を『お母さん』と呼んでいます。」

ハーバードが合否をようやく知らせる時が来て、リーハンはその瞬間をビデオに記録した。兄が隣に座り、彼は自分のコンピューターでその通知を開いたのだ。彼らの反応は純粋な喜びだった。

「そうです、リーハンは賢いです、けれど彼の業績をさらに立派なものにしているのは、この喜びの瞬間までの彼の勇気ある人生の旅です」と彼の良き指導者は言った。

ハーバード法科大学大学院に向かうほとんどの人は、ずっと良い成績、豊かな経済的支援、そしておそらくセーター・ベストを持っているが、リーハンは彼自身の辛かった人生の物語を持ち、同時にそれが彼に激励を与えるのである。リーハンは言う:人生は決して公平ではありませんが、だからと言って自分の夢や目標を捨てることはないのです。

上記は下のABC ニュース(2020春)のヴィデオの要約である。

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする