フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

井口城跡

2010-05-18 19:39:24 | Weblog
土佐勤王党の痕跡を求めて野山を駆け巡っているうちに戦国時代の井口古城跡に出くわした。城の謂れは知らないけどその山の畑で耕している老婆に尋ねたら教えてくれた。「この上に昔お城があったと聞いちょります。」「そう、ありがとう」「けんど、道がないで。昔はあったけんど誰も行かんきもう道がのうなったがやき」「モウ行けれんが?」「その崖を登って行ったら行けると思うけんど行ったことがないき」「ありがとう、そしたら行ってみるき」と老婆に礼を言って崖を登った。確かに道はない。崖の上にかすかに道だったものが見えた。畑を横切り柵を超えいざ登り始めて驚いた。その崖の下に生えている竹がスパッと斜めに切られていた。竹槍が天に向かって突き刺さっている。こりゃぁ落ちたら竹が刺さるなぁ。と思うと緊張した。里山と思ってるから足はクロッグ、半パン、Tシャツこんな格好で崖を登るなんて思いもしなかった。それでも距離が短かったから何とか落ちずに行けたけどどっと疲れた。頂上の城跡に行けば当然のことだけど単なる藪だった。



おらが、おらがと自己主張の激しい土佐にはこんなお山の大将のような城がたくさんあったのだ。これらがすべて龍馬を育てたものへと続いているんだと思えば土佐の自然や史跡はもっと保護されなくてはいけない。頂上から降りてきて「龍馬伝でいまやりゆろう。その人らぁの墓を探してめぐりゆうがよ」とあの老婆に言うと「龍馬伝かねいまやりよらぁね」といって俄然目を輝かせてそれからしばらく一緒についてきた。これも土佐流か。「おばぁさん、ありがとう、お疲れでした」
コメント
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