ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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宝塚コラム・・さよなら和央ようか1

2006-05-31 10:17:26 | 宝塚コラム

現在、東京宝塚劇場で上演中の

NEVER SAY GOODBYE」は男性客が多い公演です

普通の宝塚のイメージを持ってみると、これが全然違います。

まるで帝劇のシートに座っているような錯覚を起こすミュージカル。

それもその筈、作・演出が「エリザベート」の小池修一郎

音楽を作ったのが「ジキルとハイド」のフランク・ワイルドホーン氏

なんです

もうこれだけで「宝塚は力を入れてるなあ」とわかると思うんですが。

 

ゆえに通常の宝塚のような「愛♪それはーー♪」ってなノリじゃなく

第二次世界大戦時のスペイン内戦を舞台にした物語で、

政治的な話がどんどん出てきますので、ある意味男性向きというか。

 

前置きが長いですけど、この作品に主演しているのが和央ようか

宙組のトップスターで、この度めでたく卒業を迎えることになりました

終焉後にファンクラブの面々が真っ白の会服を着て

ずらりと並んでいる姿を見ると、ちょっと胸がきゅんとしてしまいます。

 

なぜって・・・・和央ようかは宙組2代目のトップではありますが

在位6年という、最近では特に長い期間トップさんだった人なんですね。

宙をみればいつもこの人が真ん中にいるわけで・・・・

次回の宙組公演から、いなくなってしまうと思うとやっぱり寂しいです。

 

一応私・・・お披露目公演以外は全部見たという事になります。

あまりにそこにいるのが当たり前すぎて、彼女の資質を認めて

いなかった部分も多々あります

 

今回、しみじみと「NEVER SAY GOODBYE」を見て

あらためて和央ようかの魅力の根源を見たような気がしました。

トップスターというものは、誰でも最後の作品になると

言葉では言い表せない、悟りの境地のようなオーラを発します。

欠点だらけのトップさんでも、最後になると急にきらきら光りだし

神々しくみえたりするものなんですよね

 

正直、そんなにファンではなくても、「こんなに素敵だったっけ?」って

再確認することもあるわけです。

 

今回の公演がまさにそれでした。

舞台を見ながら

この人ってこんなに背が高かったんだーー」と再確認。

背が高いのはしっていましたけど、白のシャツに縦じまの吊りズボンの

片方の紐をだらりとたらした姿がこんなにかっこいい人って・・・・

そうそういないですよーーー

(世の中の男性方、やってごらんなさい。足が短く見えるから)

彼女の体型はかなりストンとしています。

いつか舞台で「電信柱君」と呼ばれていたのも頷けます

でも、宝塚ではその電信柱のような体型でないと衣装が映えないんですよね。

 

また

この人って精一杯笑うとこんなに可愛くて切ないんだーー」とも

思いました

今までの舞台ではわりとクールに笑う事はあったと思うんです。

でも最後だからなんでしょう。

客席に向かって笑いかけるその表情が・・・本当に美しいというか

魅力的というか・・・思わず抱きしめたくなるような笑顔なんですね。

年齢的にはもう40近い筈なのに、思春期の青年のように笑う人。

 

また

大階段のど真ん中に立って、片足を2・3段上にかけてる横向きの

姿のなんとかっこいいこと」とも思いました。

これまた背が高く、足が長くないと絶対に似合わないポーズなんです。

正直、今、このポーズが似合う人って・・・・・

星組の湖月わたるくらいでしょうか?(彼女も退団しちゃいますが)

 

さらにさらに、宝塚ではおきまりのラブシーンのなんと上手なこと。

今までの作品がわりとセクハラ台詞が多かったり、女性に冷たい役が

多かったせいもあるんでしょうが、

相手役の顔を包み込んでそっと口付けるしぐさの色気は最高

これまた身長がかなり助けている部分もあると思うんですけど

こういうシーンを見せられたら、生身の男性に関心なんか

向きませんね。絶対

 

上目遣いに見る大きな瞳。

あまり固めていない風のような髪。

長い手足と上背・・・

なんと恵まれた人だったろう・・・・と思うんですよね。

去年の暮れに舞台上で落下事故を起こし、骨盤を痛めてしまった彼女。

そのせいで、本来はがんがん踊れる人だったのに、

動きがセーブされてそれはそれはかわいそうなんです。

でも、踊れない彼女を見て、今までどんなに当たり前にがんがん

踊りまくる姿を見てきたか、観客の方が再認識してしまって・・・・

最後の最後だもの。本当はもっともっと足を上げて欲しい。

リフトだってやってほしい・・・と思いつつも

最後の舞台で、こんなにも光あふれるオーラを放ち、

ファンならずともついつい惜しんでしまうような辞め方をする

和央ようかという人は、ジェエンヌ冥利に尽きるのではないかと

思いました。

 

ジェンヌが退団するときって、スタッフにどれだけ愛情をかけて

作品を作ってもらえるかという事だと思います。

そういう意味では、現在宝塚随一の演出家に作品を作ってもらい、

彼女の魅力をあますことなく引き出してもらったという事は

本当に幸せだったと思います。

千秋楽まで・・・・頑張って欲しいな。

コメント (4)
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