ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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この国が忘れていた正義

2007-09-26 09:55:19 | つれづれ日記

 こう毎日微熱続きだと気持が参りますね 体が熱を下げようと

してすごく汗が出るのも不快だし・・・やっぱ更年期かな。

 福田内閣・・・タイタニックか泥舟かと呼ばれているってほんと?

蓋を開ければ再任ばっかり・・・

ちなみに私の回りで「アベしちゃおうかな」などという人はいません。

朝青龍とおんなじね」はいうけど・・・・朝日さん、嘘ついちゃだめよーー

 

 ところで・・今朝、起きしなに何気なくテレビの音を聞いていたら

多分、長野で起きた父親をオノで切りつけた少年の学校長の話だと

思うんですけど・・・それが聞こえてきてびっくり。

一日も早く学校に戻ってきて欲しい。暖かい目で待っている

という台詞にとにかくびっくりしたんですよ

 

この少年は学校ではあまりトラブルもなかったそうで・・父親を切りつけた

のは父親の女性関係云々? (京都の事件と動機が同じ?)

だけど、彼は犯罪者でしょ 理由はどうあれ父親を殺そうとした事に

違いはないのに

「一日も早く・・・暖かい目で待っている」ってどうよ

これが学校の先生の言うべき事なんでしょうか?

「罪を償いなさい。親を殺そうとするのは絶対にいけない」と言うべきでしょ?

犯罪を犯したのが少年だから配慮したのだろう事は容易に想像がつき

ますが、理由があって若ければ親を傷つけたり殺してもいいということには

ならないのでは?

 

という事で、今回は一冊の本をご紹介します。

 

 この国が忘れていた正義 中嶋博行著 文春新書 

 

おおまかな内容を言えば、日本は「犯罪福祉国家」という位置づけ

なんですね 

加害者の人権ばかり擁護して被害者の人権をないがしろにする国で

あるという事は何となくわかっていましたけど、「犯罪福祉国家」とまで

言われてしまう国だったのかーーというのが正直な感想です。

 

この本では、例のサカキバラ事件の少年に対していかに税金をつぎ込んで

国家プロジェクトを敷いてまで更生プログラムを施したか書いてあります。

小学生二人を惨殺し、一人に重傷を負わせた少年は

その蛮行を誰にも責められることなく、逆に、国が用意した

父母兄弟(擬似家庭)から

赤ん坊を包み込むような愛情に満ち溢れた待遇を受ける」

・・・つまり少年には未来があり、犯罪を犯すのは彼が悪いのではなく

彼に与えられた「環境」が悪いので改善すれば更生できる・・と国家は

考えているからです。

 

かつてアメリカも今から30年くらい前までは日本と同じような考え方で

「犯罪者の更生」が社会をよりよくすると信じられ、このような更生プログラム

を施す政策が取られていました。

しかし、それが失敗に終わり、今は徹底的に排除する方向に行っている

そうです

アメリカ社会は犯罪者の人権より子供の安全や社会防衛を

第一に考える。その為に危険人物は徹底的に無害化する。

他方、わが国は犯罪者福祉社会であり、まず犯罪者の

立ち直りに尽力。犯罪者が更生すれば間接的に社会の安全も

守られるという論法だ。

社会防衛は二の次なのである」

 

現在、保護司の高齢化や不足によって仮出所した元犯罪者の所在が

わからなくなるケースが増えているし、少年だからと人を殺しても一旦は

見逃され社会に出ても再犯のケースは多々あります

さらに性犯罪のケースに至っては、罪があまり重くならないので再犯を

繰り返し結局の所、殺人事件まで発展するケースが増えています。

 

前述した校長の「一日も早く学校に戻ってきて欲しい。暖かい目で待って

いる」という言葉は、まさに少年犯罪に対する社会の考え方を象徴した

ようなものではなかったでしょうか?

 

でも本当にそれでいいのでしょうか

親を殺しかけたこの少年がまた再び親を殺そうとしない保証がありますか?

というよりもこの校長の言葉に少年は自分が犯した罪の重さを感じる

事が出来るでしょうか?

出来ない・・・・と、思います

残念ながらその言葉は少年の行為の正当化に他ならないと。

でもそれが今の「日本型犯罪福祉国家」の考え方なのだからしょうがない

のかもしれませんが

 

この本にはアメリカがいかにして「犯罪者更生」から「犯罪者の無害化」へ

移行していったかというプロセスが細かく書かれていますし、日本の

刑務所における素晴らしい「生活」ぶりも垣間見れます。

その上で、改めて「犯罪者に犯した罪の重さを認識させて徹底的に

償わせるにはどうしたらいいか 被害者の救済と人権保護

という事に関しても沢山書いてあります

特に少年犯罪に関しては一部の人権擁護団体の

「少年には未来があるから反省させて社会に返す事が正義」であるという

考え方が幅を利かせ、「被害者及びその家族の未来」を保護する事には

無関心な現実というものがあります。

 

そんな今時の日本の「犯罪」についての考え方を知るために、

この本はとても有意義です。ぜひぜひ読んでみてください。

コメント (2)
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