さよなら陽月華
娘役なのに男役が似合う子
あまりにも早すぎる退団に涙も出ません
こんな選択をしたウメちゃんにも腹が立つが、そうさせた歌劇団には
もっと腹が立つ。こんなに人材を無駄に使い捨てるなんて、一体何様?
陽月華は逸材です。今世紀最大の逸材でしたっ
時代が違えば歴史に残る娘役でしたっ
陽月の悲劇はなんだったかというと、娘役なのに男役が似合うという
所だったでしょうか?
スタイル抜群、演技抜群、ビジュアルかっこいい・・・・「ベルばら」の
アンドレ役が似合ってたもんね あれでファンになった人も多いはず。
誰かに寄り添うよりピンでど真ん中に立つ方が似合ってた
そういう意味では花總まりみたいなタイプだったんだろうけど、彼女には
現代的なキュートさがあって、いわゆる人間の女王様役より、妖精の女王が
似合ってました
私が最初に「え?」と思ったのは「花吹雪・恋吹雪」の子役の時。
玄人はだしの演技力でびっくり その後「花の業平」でもしっかり演技。
さらに「イーハトーブ夢」のアメユキさんでは、そのくるくるとよく動く表情に
目が離せなくなりました 今でも最高の役だったと思ってます。
彼女のセリフ回しは自然だし、役を掴むのが早くて適格
どんな役でも自在にこなす所は遠野あすかのようです。
そういう意味では大女優の器だったんだよな・・・・(娘役の枠じゃなく)
風花舞・星名優里以来のダンサーで大女優のきらめきあり
陽月華といえばその見事なダンス 下級生の時からそれは目立って
いて、とにかくずーーっとみていたいなあ・・・と思わせるもの。
「宙FANTASISTA」で生き生きと、しかも他を寄せ付けない貫録で
踊りまくる彼女を見た時にはほーんとに幸せだったし、踊っている時の
喜怒哀楽の表情も可愛らしい、魅力的、コケティッシュ、どんな表情豊かな
ダンサーはいないっ と思わずうなったもんですよ。
当然ドレスさばきも綺麗で・・・・最後の芝居やショーでは何着ものドレスを
着ているけど、うっとりする歩き方でした
ロマンチック・レビューですから、男役に寄り添うダンスばかりだったのは
しょうがないけど、「タランテラ」の舞風りらのように、男役を従えて
大階段を下りてきてほしかったです
相手がもし柚希礼音だったら
今さら言ってもしょうがないんですけどね・・・こればっかりは。
陽月華はいい意味でも悪い意味でも現代っ子だったなと思います。
NOW ON・・・に出ても控え目にするというよりは、好きな事をばしばし
言っちゃうみたいな部分があって・・・・敬語もあまり聞いたことないような?
でも、いつも相手が柚希礼音だったり立樹遥だったりしたから、
大らかに許されてた・・・みたいな?
プライベートでもわりかし「オレ様」的な要素はあったと聞いてます
まあ、むしろそういう男っぽい所が魅力の一つだったんでしょう。
でも、そんな現代っ子陽月が嫁いだのは古典的御曹司の大和悠河
だった・・・・ 育てられ方がそもそも特別でプライドも高く、そのくせ
コンプレックスだの孤独感だの滲ませた、ちょっと面倒な殿さまを御すのは
若い陽月には荷が重すぎたのよね・・・・
(風花舞みたいに久世と踊る時にはわざと下手に踊る・・なんて
気の使い方は出来ないだろうし)
「A/R」も「バレンシアの花」も星組にいた時そのままに、元気一杯
踊りも演技も目一杯頑張っちゃたらトップさんが下手に見えちゃった。
がーん・・・って所でしょうか。
気ごころが知れた柚希ならダンスでは対等だし、好き勝手やっても
あの大柄な柚希ですから目立たないし、安蘭けいなら学年が違うし
いくら好き放題やってもそれはひよこちゃんだったろうし、立樹遥の時は
ひたすら陽月を立ててあげようという非常に優しい心遣いをされちゃってーー
ゆえに、男役トップさんを立てるのが娘役トップの仕事なんだーと気づいた
のは・・・怪我して後?
でもその時にはお互い熱が冷めてた・・・・・と
(何となくジャスティンがイヴェットと強引に一夜を過ごしても
ヘレンと真面目に結婚しようと考える気持ちがわかったような?)
ラストの公演はひたすら陽月は大和を見上げていじらしいくらいに
笑顔を向けていたけど、対する相手は挑むような顔で・・・
これじゃ妻の立場ないよな と。
ゆえに、これで退団は仕方なかったのね。
でも陽月はとにかく綺麗だしスタイル抜群、演技派でダンスも上手。
歌さえ何とかなれば今すぐ「エリザベート」に・・・と、言いたいけど
やっぱり歌が・・・・ じゃあ、歌わないで主役が出来るミュージカルで
お願いっ
今、帝劇やクリエが本当に必要としているのは、遠野あすかや陽月華
のような実力派で男性顔負けの強さを持つ女優さんなんですよ
いつまでも89歳の方に頑張ってもらうより、こんな実力派大女優を
ほっとく手はないですっ
とにかく、頑張ってねっ