ふぶきの部屋

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宝塚歌劇にとって平成とは何だったのか  7

2019-02-05 07:00:00 | 初心者の為の宝塚講座

こうして平成の色々なことを見て来て思うのは、宝塚というのはいい意味でも悪い意味でも全然変わっていないということなんです。

むしろどんどん封建的になってカーストがきつくなっているような印象です。

近頃でいえば七海ひろきと美弥るりか、仙名彩世の退団は、実力に関係ないところで決まっているような気がして、商業舞台だからしょうがない部分があるとしても納得できないなあと思ってしまいます。

こうやってファン達の恨み節が宝塚から退かせていくんでしょうけど。

夢輝のあを見る度になぜファン達が涙するのか、タカラヅカスペシャルで「イーハトーブ夢」が流れると思わず目がキッとなってしまうのはなぜなのか・・やっぱりあの当時の恨み節を今も引きずっている自分がいるんだと思います。ご本人は現役当時以上に男役になってますけどね(笑)

今回はこのシリーズ最後として、ファンとしては「え?」な退団を取り上げ、そして平成最後に起こりつつある「転売」の話で締めくくりたいと思います。

 宙組組長・大峯麻友の退団

大峯麻友は68期生です。同期には一路真輝・英真なおきらがいます。

月組に配属され平成10年、宙組初代組長に就任。

平成14年に突如退団しました。

退団発表もいきなりで、それはまあ、週刊誌に色々書かれたからで、自治労幹部のパーティに彼女が宙組下級生をコンパニオンとして出席させたことが問題になって退団した・・・というものです。

大事になる前にとはいっても、週刊誌に書かれてしまったから今のうちにという感じだったんだろうなと思います。

私はこの件について大峯組長一人の責任ではないと思っています。どんなパーティに出席するにしても必ず歌劇団の了承は得ている筈だし、あるいは「お呼ばれ」の一つとして誰かがセッティングしたのかもしれないし。

でも結果的にはとかげのシッポキリをさせられたんだなあと当時は感じたものです。

歌劇団の純粋性をある程度は信じていたころでしたので、自分としてはショックでした。こんなにも簡単に組長を切るんだなあと思って。

 千紘れいかの「劇団四季」受験退団

千紘れいかは78期生です。因縁の78期というか。78期は影と光が激しい期で、瀬奈じゅん・檀れい・貴城けい・夢輝のあらがみんな78期生です。

最初、花組に配属されましたが、平成8年、久世星佳のさよなら公演「バロンの末裔」の時に組替えして月組に配属。この時点では風花舞に次ぐ2番手娘役でした。

平成10年、風花舞のさよなら公演になった「黒い瞳」でのエカテリーナ女王は素晴らしくて、娘役の地位を確立したと誰もがそう思ったのです。

しかし、真琴つばさの相手役には同期の檀れいが決定。

しかもその頃、檀は月組から雪組に配属になっていたのですが、あっさり月組に出戻ってしまったんですね。

千紘れいかとしては自分が次期娘役トップになれるんじゃないかと思っていたかもしれません。まさか成績びりの檀れいがトップになるとは・・・

彼女はそこで身を翻します。つまり、劇団に黙って劇団四季を受けてしまったんです。当然、歌劇団は激怒。しかも浅利慶太が歌劇団のきもちを逆なでするようなことをコメントしたんですよ・・・(何だったかな。千紘れいかを喜んで迎え入れるとか、大劇場で退団させるなんて心が狭いとか、そんな事だったかな)

制裁のように千紘れいかは平成12年、「LUNA」「BLUE MOON BLUE」で退団したのですが、大劇場のみの出演でしかも退団挨拶もなし、というかなりひどいものでした。

当時、実力がない檀れいへのバッシングが激しくなったのですが、その背景には千紘れいかを正当に評価しなかった歌劇団への怒りもあったと思います。

千紘れいかはその後、大平敦子として四季に入団し「ライオンキング」にも出演しましたが今は退団しています。

この頃の月組の娘役人事は本当に変なことばかりで紫吹淳の相手役として実力派十分だった西条三恵もあっさり退団。噂では相手役に映美くららを星組から迎えたせいと言われたものです。美しい娘役だった花瀬みずかも結果的に副組長止まりという、しっくりこない感じがずっと付きまとっていましたね。

千紘れいかの退団については評論家なども「歌劇団の事情をあからさまにファンに見せるのはどうか」と批判されたものです。

じゃあ、彼女がトップ娘役としてふさわしかったかということはまた別の話で、個人的には専科向きだったように思います。ただ、あの時はまさにそこに出戻りとはいえ檀れいが来るとは・・・って可哀想だったなあと思いました。

 

 はいだしょうこお姉さんの「おかあさんといっしょ」退団

はいだしょうこお姉さん、つまり千琴ひめかは84期です。白羽ゆり、遠野あすか、音月桂や北翔海莉らと同期。

星組配属後は、その声の特徴からずっと子役ばかりさせられていたような気がします。でも平成13年、稔幸さよなら公演「ベルサイユのばら2001」で堂々たるエトワールを務め、本当に綺麗な声を披露してくれて驚きました。

ただ娘役としては童顔であり、声も幼いので大人の役が回ってこないんですよね。

だから平成14年、星組の朝澄けい&真飛聖主演「ヴィンターガルテン」で退団と聞いた時は、それも仕方ないと思いました。でもその「ヴィンターガルテン」観劇のおりに聞いた話が「千琴ひめかちゃんは歌劇団を怒らせて退団しちゃうのよ。本当はさよならの挨拶もさせて貰えないところだったけど、朝澄と真飛が歌劇団に頭を下げて緑の袴を履かせてあげたの」だったんです。

彼女が歌劇団を怒らせた理由は勿論、「おかあさんといっしょ」のオーディションを無断で受けたこと。後から、このオーディションは急ぎだったし、彼女としてはどうしても歌のお姉さんになりたくて劇団の了承を得ている暇がなかったとわかるのですが、それにしたって・・・朝澄と真飛の星組らしい気の使いようは頭が下がりますが、何で一々怒るかなと当時は思いました。

結局、歌のお姉さんの後、バラエティなどに出る度に「ベルばら」のエトワール映像を提供しているのは宝塚歌劇団なんですけどね。

 香寿たつき&星組大量退団

香寿たつきが星組を退団したのは平成15年ですが、香寿たつきの時代になって星組は結構退団者が相次いだのは事実です。その理由として考えられるのは「組替え」でしょうか。

そもそも新専科制度になって、上級生になってからの組替えというのが増えて、星組というちょっと体育会系の組に馴染めない人もいたと思います。それは他の組もわりとあって、この時代は大量退団の時代といえそうです。

でも香寿たつきの時は相手の渚あきを始め、夢輝のあ、朝澄けい、鳴海じゅん・・13名くらいいたんじゃなかったかと記憶しています。

あまりに退団者が多くて、演出家も本当に困ったろうなと思う程です。

香寿たつきのさよなら公演「ガラスの風景」「バビロン」はどちらもよい作品ではありますが、当時4番手の夢輝のあを追い越して朝澄けいが出て来た時には、やっぱり心にずきっと来ました。花園まんじゅうのようなお金持ちじゃないと大階段の上に乗れないのか?とか、そもそも退団に追いやったのは谷正純ではないか?とかね。

考えてみれば、「ベルサイユのばら2001」で帽子の被り方を教えてきれたのが榛名由梨で、それが谷先生と意見が違い・・から「プラハの春」での決定事項になったかなと想像しちゃうのですが、今、榛名由梨さんと仲良くショーをやってるねったんをみると「これでよかった・・・筈」と思っています。

で、千秋楽に事件が起こるわけです。

トップコンビのさよなら公演ですからただでさえチケット難なんです。それでも私は3回くらい見ることが出来たし、最初から千秋楽などはあてにしてなかったので全然なんとも思っていなかったのですが、生徒達を古くから応援しているファンクラブのおばさま達にとっては千秋楽チケットは大きな意味があります。

けれど、東京宝塚劇場の千秋楽チケットのほとんどが香寿たつき関係者で買い占められた・・・という話なんです。彼女としては今後の女優活動もあるし、少しでもマスコミや演劇関係者を招きたいということだったんでしょう。

でもトップ以外の退団者筆頭夢輝のあのところにもチケットが回ってこなかった事は事実のようで、みんな悲しい思いをしたんですね。(私は映画館で見てましたけど)

エピとしては(あくまで噂ですよ)組長が香寿たつきに直談判したけど「私にはどうすることも出来ません」と言われ、それに起こった組長は、劇場前のパレードに顔を出さなかったとか・・・私、それはリアルで見ていたんですけど組長が出てこなかったかどうかまでは確認しておりません。

でも、歌劇団もあまりの退団者の多さに危機感を抱いたのか、その後は1度の退団者に制限を設けたという話です。

 花總まりのごり押し退団

お花様といえば13年近くトップ娘役を務めた歴史に残る娘役です。彼女の蔭で退団を余儀なくされた娘役のなんと多かったことか。

なんせお花様は衣装が自前。一人だけすごーーーくゴージャスでそれを見るのがまた楽しかったわけなんです。だから退団の時はさぞや華やかなフィナーレを演出し、レジェンド娘役になり・・・どんなすごいドレスが出てくるか?と思っていたら、信じられないことにほとんど使いまわしだった・・・という話で。

こんなにも歌劇団に貢献した伝説の娘役を放り出すようなことをする宝塚って何だ?と当時は思いました。それには相手役和央ようかの怪我という理由もあるようです。

今もそうですけど、宝塚って労災がないんですよね(これって当たり前?)死のうが怪我して再起不能になろうが全部自己責任。後はお金で解決しましょう・・って事なのかもしれません。

和央の場合、平成18年のプレさよなら公演「W-WING」上演中に宙づり状態から転落して骨盤骨折をし、せっかくの「NEVER SAY GOODBYE」でも踊れなかったんですね。これは責任の所在がはっきりしなかったし、踊れなくてもとにかく退団は退団・・・ということで先に進んでしまったこと。

これに花總が抗議したという話もあります。また、実は花總は和央と一緒に退団するのではなく、専科に異動し翌年花組で上演する「ファントム」のクリスティーヌを演じて欲しいと言われていたそうです。

しかし、花總はがんとして応じずあくまで和央と添い遂げることを選んだため、歌劇団の制裁措置があのような質素なさよなら公演として出て来たのでしょう。

歌劇団としては花總が退団する時は男役並に華々しく盛大に送り出したかったのかも。だからどうしてもトップコンビで退団されては困ると言うことだったのかなと。

思えばトップスターといえども、歌劇団の都合であっさりと首を切られる人も沢山いるんですね。「次回で退団ね」と言われた(らしい)娘役トップとか、「この娘役を次期相手役に」と歌劇団の思惑と逆方向の話をしたために退団が早まったトップとか、専科行きになった人とか、どこまで本当かはわかりませんが、いつの時代もファンの気持ちを逆なでするようなことばかりする、それが宝塚なんです。

それでもチケットを買って見るのは、御贔屓さんを人質に取られているようなもの、あるいはホストに貢ぐのと同じ感覚かもしれませんね。

昔、ヅカファンになってチケットを譲られるとき、よくよく言い含められたのは「いいえですか。チケットを譲ってもいいけど、当日絶対に来て下さい。熱があっても家に不幸があっても来て下さい。見なくてもいいからチケットをもぎる場面だけには絶対にいて下さい。そうでないと次回からお譲り出来ません」

その時、「怖い――」と思った記憶があります。以来、チケットをお譲り頂いたら万難を排し、たとえ子供達が熱を出しても見に行った記憶があります。

でも一方でむかしはさばき制度がありましたので、チケットがなくても劇場の前で財布を持って立っていたら、誰かしら「チケットあるんですけど」って声をかけたりかけられたりしたので、あまり悩んだことはなかったんですね。

当時からダフ屋のおじさんは存在していたし(有名なタコ坊主さん)さばきの一方で「チケットあるよーー」とダフ屋が言ってる光景も珍しくなかったんです。

しかし、東京宝塚劇場が開場しネットでチケットをとる事が当たり前になると、1億総ダフ屋化・・・じゃないけど、ヤフオク・チケ流にとんでもない値段で売って儲ける人が出始めて。それが普通の人だっていうんですからこれは問題でしょう?

ヤフオク発足当時等、1枚40万なんて値がついて誰が買うんだ?って思ったこともあります。そこまでいかなくても友の会チケットが2倍3倍で転売されているのは周知の事実。それにお茶会のDVDやグッズなども堂々とオークションに出品されたりして。

漸くここに来て、宝塚も友の会チケットに関しては手を打つようになりました。けれど、本来正規の値段で取引すべきチケットがいたずらに2倍3倍で売れるようになると、見ることが出来るファンも限定されてしまいます。

ただでさえ、団体ばかり入れられて一般ファンには敷居が高くなりつつある宝塚なのに、チケットまでこんな風になると、要するに「商業演劇だからお金を際限なく出してくれる人には見る権利があるけど、そうでない人は映画館で十分じゃないの?」って言われているようで、これをカーストと呼びます。

歌舞伎座で言えば桟敷席と3階の幕間席では身分も所得も違うファンということで、どっちのファンが大事ってそりゃ際限なくお金を出してもらう方に決まっていますよね。

ファンクラブに入っていても必ずしもチケットがとれるわけではないし、申し込んでも封書が来てから数日以内にお金を振り込めって言われたら、若い人などは最初からあきらめてしまうと思うんです。

今、演劇業界はかなり不況で特に土日に人が入らない現状があります。

一方で井上芳雄や山崎育三郎等ミュージカル界はチケット難。チケットが高くてもしっかり売り切れますよね。

グローバルな演劇界の中で宝塚はまだまだチケット代が安い方だし、薄利多売で成り立っている部分もありますが、だからってそれに甘えていいのかなと。

好きでも嫌いでも席が埋まればいい、見なくていいから団体入って下さいというのは特殊なファン層を持つヅカファンに失望感ばかり広がります。駄作の時ばかり「チケット買え」とファンクラブからお達しが出ても意味がないじゃない?

平成31年から新元号元年にこの宝塚のチケット難問題をどうするか。

そして減らない「ファンのダフ屋化」問題に終止符を打つことが出来るのか。

これが将来的に宝塚のファンが増えるか減るかの節目になるでしょう。

 

 

コメント (11)
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