ふぶきの部屋

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さよなら音波みのり

2022-07-22 07:00:00 | 宝塚コラム

 宝塚は大好き。でもここ1週間以上はとにかくショックな事で宝塚について書く事も出来ず。

娘にせっつかれて昔の作品から見直して・・・

 さよなら音波みのり 

私は新人公演を見ることが出来ないので、いわゆる「路線」に乗っている人とか、抜擢される人などは随分あとから知る事になります。

そして宝塚では娘役の扱いが決していいとはいえない。

実力なのか見た目なのか?それともほかに理由が?ちいうくらい、トップになる娘役に疑問を感じる事があります。

それでもそういう視線を跳ね返すくらいの実力を見せつけてくれれば納得もするんだけどなかなかそうもいかなかったりします。

また、上げたかと思えば下げるというような、どうしたいの?歌劇団は・・みたいな扱いの娘役もいます。

音波みのりはまさに、歌劇団に翻弄された娘役だったのではないかと思います。

 

私が最初に彼女を認識したのは「メイちゃんの執事」(2011年)のメイだったと思います。

しかし、実はその前に「リラの壁の囚人たち」(2010年)のマリー役も見ているのです。

「リラの壁の囚人たち」ではヒロインを白華れみがやっていて、とにかく男役にばかり目がいっていたもので、後からビデオで見て「いたんだ~~」って感じです。

冒頭の大人になったマリーはとても綺麗というか、美しい女性ですが本編では可愛いというよりまだ幼い感じが残る人で、本当にどっちも音波みのりなの?と、今思うと不思議です。

「メイちゃんの執事」は正直、作品としては全然好きじゃないですし、演出も嫌だし、ただ男役陣がかっこよく、曲が素晴らしいというだけでした。

でもそのヒロインの音波みのりは歳相応の可愛らしさというか、演技も歌も体当たりの新人さんらしい頑張り方で、白華れみがすごく怖い娘役だったからより可愛く見えました。

当時の星組の状況を思い出して見ると、安蘭けいと遠野あすかのゴールデン優等生コンビが落ち着いた雰囲気を醸し出す中で、新人の筆頭を走っていた蒼乃夕妃を月組に取られて、代わりに夢咲ねねが入って来ました。

「赤と黒」で初めて夢咲ねねを見たのですが、その時はそれほど綺麗でもなくかわいくもないと思っていたのです。

でもその後、正式に柚希礼音の相手役になるとたちまち「昭和の少女漫画から飛び出て来たような女の子」に変身して大ブレイク。

私自身は琴まりえに期待していた部分もあったので、その琴の退団が非常に残念で、次はどうなるのかなと思っていました。

そんな時に「メイちゃんの執事」で非常に可愛らしく実力も持っているという、結構大型新人が出て来たので私としては期待値が高かったです。

音波みのりはとても色白で目が大きく、はきはきとよく喋るイメージ。

いわゆる「男役を立てて光る」タイプだよねと思っていました。

紅ゆずるの初バウヒロインを得て、この先早い内に2番手になってトップになるのかなと思っていたんですが。

でも、花組から白花れみという強烈な娘役がどんとやってきて個性を発揮。

どういうわけか音波に振られる役は子役ばかり。

ノバ・ボサ・ノバ」(2011年)のボーロ、「めぐり会いは再び」(2011年)のレオニードも子供っぽく、さらに「オーシャンズ11」(2011年)のポーラも子供みたいなもの。

一方で涼紫央の相手役として定着しつつありましたよね。

宝塚花の踊り絵巻」(2010年)では日舞が苦手な星組の中にあって、名取りさんの彼女の踊りはひときわ光っていましたね。

2012年「天使のはしご」涼紫央のさよならバウでしたけど、この作品のヒロインを最後にどんどん番手が下がっていきます。

余談ですが、「天使のはしご」は生で見たわけではなく、何となく敬遠してちゃんと見た事がなかったんですね。

それでこの度、初めてきちんと見たら・・・なんだ!この作品は。

主役が笑わない・動かない・喋らない。

勿論原作が原作ですから、主役はやっぱり娘役になり、音波みのりは、まさに美しさを爆発させてエリザベスを演じていました。本当に綺麗でした。

でもその頃にはすでに妃海風や綺咲愛里がいたんだなと思うと胸が痛いのですが。

 

柚希礼音の時代が終わって北翔海莉を経て紅ゆずるの時代になる頃には、何というか、すっかり大人の女役というか、色気を醸し出す素敵な女性になっていたのですが、なかなか役に恵まれませんでした。

しかし、礼真琴との相性は抜群によかったらしく、礼真琴自身も楽しそうでした。

大昔の宝塚だったら年上の相手役もありだったのに残念です。

Kller Rouje」での礼真琴とのダンスは伝説に残る程の名コンビで、台湾で見られなかったのが残念ですよね。でもその頃には下級生を支える立場になっていたわけで。

正直「GOD OF STARS」で母親役を見た時は「ついに・・・」って思ってしまいました。本当に「え~~~お母さん役?」ってな感じだったんですよ。私は。

でも「柳生忍法帖」のお圭は久しぶりに礼真琴とのいちゃいちゃを見ることが出来て嬉しかったです。

 

音波みのりは個人的に、とても美しく上品で、何でも出来るし男役が光る稀有な存在であったと思います。

こんなに綺麗で相手役を光らせることが出来る娘役を使いきることの出来なかった歌劇団と演出家にはちょっと不満を持ちます。

そうやって幾人もの娘役がほんの一瞬の運に左右されて退団を余儀なくされてしまう。

学年が若ければいいってもんじゃないです。

もし相手役が礼真琴だったとしたら、沢山名作が出来たんじゃないかとすら思います。

そうはいっても、今が辞め時でもあるのは確かで。

花は美しいうちに、花びらが落ちる前に・・・

でも第二の人生では、今以上の大輪の花を咲かせてほしい。

そう願うばかりです。

あなたの白い肌と大きな瞳、そして優雅なダンスに楽しませて頂き、どうもありがとう。

どうぞ、幸せになって下さい。

 

 

 

コメント (6)
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