夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

錦繍の”洞爺湖”滞在記【12.10.22.~10.31.】 最終章 旅の終りは金比羅火口散策路、そして・・。

2012-11-03 18:32:22 | 
私たち夫婦は30日の朝、明日は帰京する日なので、
旅の終りとして、どちらを訪ねようか、と少し迷ったりしたが、
やはり付近の情景の中で散策しょうと『金比羅火口散策路』に行こう、と決めたりした。

温泉街の外れにある私が建物として、圧倒的に魅了された『ビジターセンター』の横から、
『金比羅火口散策路』に向い歩き始めた。

そして標識が見え、正式名所は『金比羅火口災害遺構散策路』と学び、
濁流、土砂などの川のような大きな溝が観られ、所々に防止の堰き止めのコンクリートがあり、
過ぎし日の2000年3月に噴火した有珠山噴火体験を次世代に伝承し、
減災につなげる遺構として、噴火災害の様子をそのまま保存した散策路と理解した。

そして少しばかり登り道を登ると、左側には蒼い水をたたえた有ちゃん火山口、
右側の奥には珠ちゃん火山口が見られ、
やがて熱泥流に押し流された橋や、泥流、火山灰に埋もれた建物などが見られ、
当時の噴火による大災害の状況が理解できる散策路となっていた。

この後、まもなく中学生の20数名が先生方4名に引率され、
それぞれの標識案内板の近くで説明を受けたりしていたので、野外講習、と感じたりした。

そして私たち夫婦は、歩き続けると落葉樹が多く観られるようになり、
朱紅色、黄色に染められた情景となり、どの地域でも見られる林道の錦繍の時の情景となった。
その後、おだやかな林道のような散策路を下っていると、
前方の彼方の森の外れに煙が立ち昇る状況が見られた。

『もしかしたら先日の石焼きさんの処かしら・・』
と家内が私に言ったりした。
『西山火口散策路の入口に近い方角だし・・可能性は大だねぇ・・』
と私は応(こた)えた。

『お昼代わり、寄りますか』
と家内は私に訊ねると、
『行きましょう・・軽食代わりに最高ねぇ』
と私は若き自衛官の諸兄に負けないように明るく大きな声で賛意した。

この後、私たちは10分ばかり歩き、過ぎし27日に訪ねた石焼きに行った。
そして独りで賄(まかな)っている中年のご婦人は、驚いた表情で私たちを迎えた。
『煙が立ち昇っていましたので、こちらのお店かと思い・・来ました』
と私は挨拶代わりの言葉を明るく言ったりした。

そして廃材を活用した小屋風の前で、やはり廃材の素朴な椅子に私たちは座り、
卵、皮ごとに焼いたトウモロコシ、そしてジャガイモを注文して、
まもなく素朴なテーブルに置かれた。

この間、賄(まかな)って下さる中年のご婦人と私たちは、
この地域の天候状況などを和気藹々と談笑したりした。
そして茶色した鰹節の棒状のような品が四つばかり置かれ、
『サービスです。よろしかったら、食べてみて下さい』
と中年のご婦人は私たち言った。

私は割り箸でこの品を口に入れた後、歯でかじるようにしていたら、
風味のあり奥行きのある味をする食べ物で、私は訊(たず)ねると、
『トバです。秋鮭を干した後、お醤油に味醂を加えた・・この地方の保存食です。
手でむいてほぐしても、或いは炙(あぶ)っても・・お召し上がりいただけます』
と私に教えてくれた。
『香ばしい食べ物ですし・・お酒にも合いますよねぇ』
と呑兵衛の私は応(こた)えた。

そして私は、ビール置いてありますか、と中年のご婦人は言ったりし、
私はビールを吞みながら、この美味なトバを頂いたりした。

そして70代の経営者の男性が戻り、私は再会の悦びの挨拶したりし、
談笑したりした。

この後、店内にあるトバを買い求めたりしたが、
焼き卵を6つサービスとして頂き、私たちは滞在している観光ホテルに帰還した。


翌日の朝、今回の洞爺湖フリープランに参加した私たち一行は、
ロビーの片隅に9時20分に集合し、やがて観光ホテルの送迎バスに乗車し、
新千歳空港から午後2時発の航空機で、都心の外れの羽田空港に向った。

                           《終》
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錦繍の”洞爺湖”滞在記【12.10.22.~10.31.】 第7章 西山火口散策路、そして後日に公園を散策

2012-11-03 14:58:56 | 
27日の土曜日の朝、私たち夫婦は有珠山、昭和新山のような観光客がにぎわう所でなく、
素朴な所を散策しょう、と話し合ったりした。

そして27日には、快晴の中、『西山火口散策路』を訪れた。
洞爺湖温泉ターミナルのバス発着所から7分ばかり乗車した後、火山資料館のあるバス停で降りると、
前方の彼方に火山ヘの路が視え、その後はゆるやかな石段を登ると、
隆起したアファルト道路が隆起し、廃道となった道を見ながら、私たちは歩いた。

この道も2000年3月に噴火した際、地殻変動により盛り上がった地面であり、
まもなく展望台の第一、第二からは、火口を間近でみられ、
地熱、噴煙など、噴火の甚大さを感じることができる所であり、
第二展望台から下山のように長く整備された散策路も歩いたりした。

そして2000年3月に噴火した時、1977年の噴火時、昭和新山の噴火時、そして明治期の噴火の跡も
学んだりした、2時間ぐらい歩き廻ったりした。
この後、下山した散策路の途中、群生した薄(ススキ)は白い穂をなやびかせ、
落葉樹は黄色、朱紅色に染めらる中、赤トンボが悠然と飛び回っていた。

前方には洞爺湖の左岸の山里、遥か彼方の遠方には蝦夷富士と称されている羊蹄山が雄大に聳え立ち、
右側には中島の一番大きな大島が観え、圧倒的な展望に私は絶賛したりした。


この後、火山資料館のあるバス停の歩いて5分前の散策路の脇に、
石焼きの張り紙が見えた。
何かしら廃材を活用した小屋風の前で、炭、焼いた石の代わりに砂粒の中で、数多くの卵が置かれていた。
竈(かまど)には、廃材が薪(まき)代わりに燃え、
その上部に円形の鉄製と思われる大きめの箱の中に砂粒が集積させ、砂粒の熱さで卵を茹(ゆ)でている、
と解った。

家内は温泉処にある黒い卵は知っているが、珍しいわ、と立ち寄ることにした。
そして家内は卵、皮ごとに焼いたトウモロコシ、そしてジャガイモ、
私も皮ごとに焼いたトウモロコシを生まれて初めて食べたり、ジャガイモも頂いたりした。
そして賄(まかない)して下さる中年のご婦人と私たち夫婦は、談笑したりした。


この後、温泉街の中を歩き、『洞爺湖サミット記念館』に立ち寄った。
もとより2008年に行われたG8と称した主要国の要人が、
洞爺湖サミットの会場となった場所をその会議で使用された円卓や、
各国首脳に送られたお土産、各国からのお土産の紹介など、サミット関連の資料が展示された館である。

私たち夫婦は、60歳前後の男性から丁重に1時間ぐらい説明をして頂き、
恐縮しながら円卓の椅子に座らせて貰ったりした。

そして湖岸の遊歩道を歩いていると、まもなく冬が訪れますよ、と告知するように、
数多くの雪虫が飛来し、私たちは手で払いながら、宿泊している観光ホテルに戻った。


28日の日曜日は早朝から雨が降り、夜半まで降り続き、
日中の定期観光船も欠航となり、夜の花火大会も中止になった稀な一日となった。


29日は晴れ渡った朝を迎え、私たちは湖畔の左岸の幾つかの公園を歩くことにした・・。
噴火記念公園を始め、幾つかの公園を歩くと、
シラカンバ、ミズナラ、カツラ、ナナカマド、モミジなどが色合いを染め、
私たちは錦繍の世界を享受した。
その後、公園は途切れたので、やむなく国道の歩道を歩いていると、
栗のいがらが見られ、家内は栗が入っているわ、と私に伝えた。
そして10分ぐらい栗のいがらから、栗の実を40個ばかり収穫した。

この後は国道から道道の路を歩いていると対岸の遥か彼方に宿泊している観光ホテルがわずかに観え、
5キロぐらい歩いてきたのかしら、と私は家内に言ったりした。

そしてまもなく歩いていると、小雨が降りだし、傘を持参してこなかった私たちは濡れ始めた。
やむなく撤退と決めたが、家内はフリースに付いている帽子を被り、
私は長袖の冬のスポーツシャツであったので、空から舞い降る雨を浴びたりした。

やがて本降りの雨となり、最近の俺の行いが悪かったのかなぁ、と私は家内にぼやいたりした。
そして宿泊している観光ホテルの一キロ前の頃になると雨は上がり、
通ってきた左岸の上空から湖水にかけて虹が観え、この虹が上段、そして下段の二重の虹となっていた・・。

私は生まれて68年になるが、二段重ねの虹は初めて観るので、
このようなことがあるんだ、と私は家内に話しかけたりした。

そして私は雨で濡れた衣服を見つめながらも、大浴場の熱い湯に入れば心身全快よ、
と高齢者の私は家内に明るく言ったりした。

                           《つづく》
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錦繍の”洞爺湖”滞在記【12.10.22.~10.31.】 第6章 現(うつつ)と幻(まぼろし)の『楽しみ探検号』

2012-11-03 11:06:20 | 
私たち夫婦が、今回の洞爺湖を訪れる前、自宅で家内が洞爺湖温泉協会の公式サイトなどを検索していた中で、
『登別 洞爺 楽しみ探検号』と特別企画のバス観光地周遊コースを見つけて、
私は教えてもらい、思わず微笑んだりした。

《 乗ってみよう 行ってみよう 秋満載 
       登別も洞爺も どっちも行きた~い! 》
と大きく明記され、《登別 洞爺 楽しみ探検号》と明示されていた。

何かしらか登別洞爺広域観光圏協議会が企画され、10月5日~28日まで特別に毎日運航され、
洞爺湖温泉ターミナル ~ 昭和新山 ~ オロフレ峠 ~ 登別ターミナル ~ 白老ポロトコタン、
このようなコースを運行する経路で、もとより定期路線バスにもない周遊特別バスであった。

私たちは洞爺湖に9泊滞在している身としては、
ときには未知の登別温泉街、地獄谷の情景も観て見たい、と思いもあったが、
洞爺と登別の街はオロフレ峠により近くて遠い地域となっている。

そしてこの間、タクシーを利用して往還すれば、簡単に行けるが、お値段が余りにも高く、
迷っていた私たちは、今回の特別企画のバスで、わずか500円で往復できるので、
年金生活の我が家としては、この世の最良の企画と喜び、参加することにした。

そして事前予約制度であったので、25日に洞爺湖温泉協会で予約し、
26日に洞爺湖温泉ターミナルビルの城南バス乗り場に行った。
そして9時発で30人乗りぐらいの中型バスであったが、
乗客は私たち夫婦と25歳前後の青年だけで、これじゃガソリン代にもならない、
と私は心の中で苦笑したりした。

この後、15分ぐらい走行し道の駅『そうべつ情報館』で最初の休憩をした後、
家内はドライハーさん、青年に缶コーヒーを差し上げたし、
たった4名の車内は、談笑を重ね和気藹々となったりした。

私たちは温和な60代のドライハーさんの解説を聞いたりし、
オロフレ峠で例外として下車させてもらい、山脈(やまなみ)が展望できる美景を眺めたりした後、
登別温泉に向い、やがて登別ターミナルで青年は下車すると、
私たち夫婦は貸切専用バスとなり、ドライバーさんとお互いに微苦笑したりした。

そして終点の白老地域の観光地のポロトコタンに向っている間に、
私は遠い昔の50数年前に高校の修学旅行で道内、そして白老アイヌ村を訪れたことなどを
ドライバーさんに語りかけたりした。
まもなくポロトコタンに到着して、10数分散策したが、記憶の片隅みに残る思いが、
余りにも小奇麗に変貌して、もとより霞を食して生活ができない現実を改めて実感し、
予定時間より早めにこの地を去った。

そして帰路の登別マリンパークニクスで予定出発の午後2時まで、付近を散策することにした。
家内は下車する時に、幾ばくかの昼食代をドライパーさんに手渡した後、
私たち夫婦は未知の地を歩きだすと、JRの『登別』駅が視(み)え、
駅前の街並み駅前の食堂で昼食した後、駅の構内で少し過ごしたりした・・。

駅前の街並み、食堂、駅の構内は素朴な情景で私は安(やす)らぎを感じ、
安堵をしたりしたが
もとより世の中は経済の利便性で大きく変貌を重ね歳月は過ぎてきた・・。

このような意味合いを具体的に登別マリンパークニクスの駐車場の戻るまで、
私は家内と語り合ったりした。


登別ターミナルで下車すると、私は高校の修学旅行で確かに温泉地の旅館で宿泊したが、
このこと以外はすべて忘却の彼方であり、
50数年前のことは忘れたよ、と私は家内に話したりした。

そして私たち夫婦は登別温泉街を散策し、地獄谷の情景も観たりした後、
登別ターミナルに戻り、青年に再会し、私たちは出発時のメンバーとなり、
和気藹々と談笑したりしながら、洞爺湖温泉ターミナルビルに向った。

この間のオロフレ峠の6キロ前後の車窓かせ観える状景は、
朱色、紅色、黄色に彩った錦繍の情景が展開され、
私たち夫婦は下車後にもこの特別企画のコースは良かったねぇ、と互いに言葉にした。

今回、私たちが参加した特別企画は、私たちの時は3名、翌日は5名ぐらいであったので、
もとより運営上は採算を度外視し、テスト的に洞爺湖温泉ターミナル ~ 昭和新山 ~ 
オロフレ峠 ~ 登別ターミナル ~ 白老ポロトコタンを運行され、
私としては現(うつつ)と幻(まぼろし)のような半日の旅路であった。

                           《つづく》
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