ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

PBプライベートブランド商品

2013-11-13 | Weblog
 レストランなどのメニュー誤記・偽装事件はその後、全国いたるところであふれるほど発覚しました。しかしスーパーのイオンが販売した数千トンの偽装米。中国産などを国産米として弁当やおにぎりで販売したのですが、「週刊文春」が先月に一度報じただけで、その後どこのマスコミも口をつぐんでしまいました。残念です。この事件をやはり続けて追及したいと、しぶとく思っています。

 さて「日経トレンディ」12月号が年末恒例の「2013ヒット商品ベスト30」を発表しました。第1位は意外ですがコンビニコーヒー。実はわたしもファンです。車で遠出するときにはいつも100円のホットコーヒーをセブンイレブンで買います。セルフサービスで紙コップに満たしますが、フタをするので運転中に飲んでもこぼれません。PB「セブンカフェ」の今年の売上は4億杯を超えるそうです。「日本でいちばんコーヒーを売るのはセブンイレブン」。味もなかなかのものですが、それにしても全国に網羅した1万6千店のトータル販売力はすごい。
 トレンディのヒットランキングでは「半沢直樹」4位、「あまちゃん」7位。そして11位にはセブン&アイのPB商品「セブンゴールド 金の食パン」が登場しました。わたしも食べてみましたが、厚切り2枚で125円。NB(ナショナルブランド)より割高ですがおいしい。
 同誌では「セブン&アイは同商品に限らず、一貫してPBの品質を重視。その象徴が10年から開始したセブンゴールドだったが、金の食パンという大ヒット商品の誕生で、PBの概念は大きく変わった。自ら主導権を握りNBすら凌駕する商品を作り出す。『セブン強し』を強く印象づけた年だった」

 イオングループとセブン&アイのPB商品を見比べてみると、パッケージの表示方式がまったく異なります。イオンはほとんどの商品に製造者社名の表示がありません。
 ところがセブンはまずすべてのPB商品にメーカー名を明記しています。金の食パンの袋にはこのように記されています。

<セブン&アイ・ゴールド「金の食パン」>
この商品はセブン&アイグループとフジパン㈱の共同開発商品です。
販売者 フジパン株式会社 名古屋市~
お問い合わせ先 フジパン株式会社 お客様サービス係 フリーダイヤル0120~

別の商品もほぼ同様で<セブン&アイ・プレミアム「ポテトチップスうすしお味」>
製造者 株式会社湖池屋 東京都板橋区~
この商品はセブン&アイグループと株式会社湖池屋の共同開発商品です。
商品に不都合がございましたら、お手数ですが~袋ごと下記宛に着払いでお送りください。代品をお送りいたします。
お問い合わせ先  株式会社湖池屋お客様センター 住所板橋区~ フリーダイヤル0120~

 イオンの製造物責任者名も記されていない簡略表示にはあきれ返りますが、同社PB表示については次回ブログで紹介します。セブンイレブンの開発責任者の鎌田靖氏はこう語っておられる。
 「コンビニは、限られたスペースでPBとNBを扱う。そのため、これからは本当にPBをやらなければいけないカテゴリーは何かを精査していく。PBをやる必要がないカテゴリーはスパッとやめる。(市場規模を見ながら)価値訴求が受けるのはどの商品なのかを考えていく。12月にはこれまでPBを手がけていなかったキリンビバレッジと組み、セブンゴールドの紅茶を出す予定だが、こうした商品は14年も増える。もし(安いという)価格訴求だけのPBだったら、これほど賛同メーカーは増えなかっただろう」

 日経新聞電子版11月10日版では、イオンの姿勢はまったく異なる。スーパーは価格に敏感な主婦層に低価格のPB商品で応えなければ、来年4月の消費増税で大きなダメージを受けるとする。イオン副社長の森美樹氏は「PBが最大の増税対策だ」
 イオングループの売上高は国内小売業最高の6兆円。その内PB「トップバリュ」売上は今年度1兆円に達するという。同社では、PBは広告宣伝費がかからないため、NB品に比べて採算性は高いとし、「どれだけ低価格志向が進んでも利益を取れる体質を築く」
 セブン&アイグループと、イオングループ。小売業の双璧だが、PBに対する理念はまったく異なる。品質とお値打ちをメーカーとともに考えるセブン。規模と低価格で利益を追求するイオン、かも知れません。
<2013年11月13日>
コメント (1)
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