ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

欧米日、中露、イスラエル、パレスチナガザ、イラク、シリア……

2014-07-30 | Weblog
世界はいまどうなっているのか? あまりの複雑さに、わたしにとって答えはまったくの不明です。
つい先日のこと、ブラジルのサッカーワールドカップ閉会式の後に、BRICS開発銀行が開設されました。これからは米ドルの威信も低下していくのだな、などと思っていました。ところがウクライナでのマレーシア機撃墜事故以降、国際金融システムの事情は激変しているようです。



① ところで豊島逸夫氏の解説記事を、ファンのわたしはほぼ毎回欠かさず読んでいます。今日の日経新聞WEB版には同氏の記事「日中と欧米ロ、関係悪化の共振」(2014/7/30 10:02日本経済新聞 電子版)が掲載されました。以下転載します。


 マレーシア機撃墜事件は、将来の歴史教科書に記載される出来事になるかもしれない。29日のオバマ大統領の対ロ制裁に関するスピーチを聞いていて、そんな思いがよぎった。
 その5時間前には欧州連合(EU)が、ついに対ロ制裁について合意。民間機撃墜という全く想定外のイベントが、対ロ制裁に関する欧米協調の起爆剤となったことはたしかだ。
 しかも、今回の制裁は、資源国そして外資依存国というロシア経済の弱点に直接的に斬り込んだ措置だ。北極海油田開発やシェールガス掘削などに必要な技術移転を遮断することは、資源国ロシアにとって痛手となる。ロシアの国営金融機関が新規発行する株式・債券をEU内では購入禁止というかつてない措置により、外国マネーの入り口も遮断される。
 たたみかけるように、オバマ大統領は制裁対象銀行にモスクワ銀行、ロシア農業銀行、VTB銀行という大銀行を加えることを発表した。さらに、米国もシェールガス、深海油田開発技術などエネルギー関連技術の輸出禁止を追加制裁措置に盛り込んだ。
 「これは、あらたな冷戦ではない」とオバマ大統領は明言した。たしかに、世界の2強の冷戦といえば、米中を想起するほどに世界のバランス・オブ・パワーは激変した。もはや、ロシアは米国と張り合う二大国から、中国の後じんを拝する国家に成り下がってしまった。かろうじて欧州へのエネルギー供給国として、経済的存在感を保ち、中東への介入で外交的存在感を維持している。
 しかし、ロシア国民は、プーチン大統領に「ロシアの大国復帰」の夢を託す。クリミア「奪還」でロシア国内も盛り上がった。その後もウクライナ国内を不安定化することでロシアの存在感を高める戦略でプーチン大統領は「帝国復活の夢」を追った。
 オバマ外交の弱体化もロシアには追い風となった。シリア紛争では、先んじてアサド政権を説得して外交的解決の模索を先導して、軍事介入の拳を振り上げたオバマ大統領の「鼻を明かして」いた。
 けれども、青天の霹靂(へきれき)のように生じたマレーシア機撃墜事件により、プーチン大統領は急速に内外で孤立しつつある。ファーストネームで呼び合う仲であったはずの安倍首相も、今回ばかりは、ロシアと距離を置かざるを得ない。そうなると、反動でロシアは中国に接近するのだろうか。世界経済は、日米欧対中ロというパダライムシフトに向かっているのか。
 そう単純に割り切れないのは、欧中関係の深化が進行しているからだ。欧州債務危機では中国は欧州国債を購入する「白馬の騎士」を演じ、お互いに重要な貿易パートナーとなっている。欧米対ロと日対中の二つの対決の構図が同時進行するシナリオが最も現実的なシナリオだろう。
 その中で、日本にとって気になるのは中ロ関係だ。ここではワイルドカード的な存在としてインドがある。ロシアの伝統的南下政策。同じく南下を目指す中国とインドの国境紛争。米国のインドへの核技術移転容認。そのインドは新政権のもとインド版アベノミクスに動いている。したたかな国ゆえ、大国相手に外交的にも、巧妙に立ち回るだろう。
 今後の展開は現時点では視界不良だ。しかし、マレーシア航空機撃墜の余波が日本にもヒタヒタと及びつつあることは肝に銘じるべきであろう。


② ジャーナリストの佐々木俊尚氏のメルマガに、イスラエル・ガザの波及がキュレーションされていました。

「イスラエルによるガザ攻撃が世界中に波及し、イスラム系移民も多いパリでは、パレスチナ支持の抗議行動が大規模に行われ、警察が催涙ガスを発射。イスラムとユダヤの対立は、中東だけでなくヨーロッ パまで覆い尽くそうとしている。この対立が終わる気配はなく、ただ拡大していくのみだ。」
映像を下記でぜひご覧下さい。
http://www.buzzfeed.com/alisonvingiano/pictures-pro-palestine-protests-paris?utm_content=buffer55f9e&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

<2014年7月30日>
コメント
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