(社長が本気でぶつかるとき、創造的アイデアが生まれる)
自社の社員が一生懸命に働いている姿を見て、「何とか報(むく)いたい」という気持ちを持つことです。経営者として、そういう気持ちを持っていなければ、大手の有名企業や一流企業などとぶつかったときに、相手の会社の格(かく)などに、どうしても負けてしまいます。向こうは、看板(かんばん)が大きく、エリート社員をたくさん持っていて、偉(えら)そうに見えるので、ひるんでしまうのです。
ときには、一流企業の若いエリート社員が、中小企業の社長に対して、軽くあしらうような態度で、偉そうにものを言ってくることがあります。商談で先方に出向いても、対応に課長クラスさえも出てこないで、主任や係長、平社員あたりが出てきて、「まあ、考えておきます」という感じで、てきとうにあしらわれることがあるのです。
そのようなときには、自分の会社で汗水垂らして働いている従業員のことを考え、社長として真剣勝負で臨(のぞ)まなければいけません。
「若造(わかぞう)が何を言うか。私は命懸(いのちが)けでやっているんだ。社員五十人とその家族の生活がかかっているんだ。おまえたちなどに軽くあしらわれてたまるか」という感じで、念力を込めてドーンとぶつかることです。
向こうが偉そうに言っているのは表向きだけのことなので、こちらが念力を込めてぶつかっていけば、相手はひるむはずです。相手側は会社の名前が良いだけであって、二十代、三十代の人自身には、それほど大した力はなく、世間の普通の青年と変わりません。社長が本気で真剣勝負を挑(いど)めば、勝つことができるのです。
経営者のなかには、勝手に自分で自分を窮地(きゅうち)に追い込み、「逃げる方策(ほうさく)はないか」という“逃げのアイデア”ばかりを考える人もいますが、本物の経営者は真剣勝負でぶつかっていくものです。そして、そのなかに創造的なアイデアが出てくるものなのです。
---owari---
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