(男性が女性を少しリードできるぐらいだと、落ち着きがいい)
三番目に言っておきたいことですが、「やはり、できれば男性のほうが少しリードできるぐらいがいい」という感じはします。いろいろなケースを見てきて、「男性にとっても女性を少しリードできて、女性からみれば男性を少しは尊敬できる」という組み合わせが、やはりいちばん落ち着きがいいようです。あまり差がありすぎても不幸だし、逆転でも不幸です。
ですから、女性は、やはり少し男性を尊敬できるぐらいのところを選んでおけばいいし、男性ならば、少し自分がリードできるぐらいの方を選んでおけばいいと思うのです。
長年、男女が結婚するときに年齢の差があった理由もここにあると思います。現在は非常に縮まっていて二歳ぐらいしか差がないのですが、昔はもっと開いていました。十歳ぐらい開いているのが当然だったのです。
実際には、男性より頭のいい女性はいくらでもいます。ですから、同年輩で結婚すると男性は負けてしまうのですが、十歳ぐらい違うとどうなるかというと、やはり、そのキャリアの部分が「どうしても追い越せない部分」になります。社会的知性が十年間でつきますから、生まれつきの知性が低くても、社会的知性で埋め合わせができるのです。
それはそうです。頭のいい女性はいくらでもいるけれども、十年間、実社会で鍛えられた男の社会的知性は、そう簡単には抜けません。読書をしたぐらいでは抜けないのです。この部分の圧倒的差があると、いつまでたってもこの部分が詰まらないので、それで何とかもっていけるわけです。
こういうことで、いわゆる「生まれつきのインテリジェンス」で見たら、女性のほうがいいか、あるいは同じぐらいの場合には、社会的実績などのキャリアの差が少しあったほうがいいのです。そうすると一定の距離が取れて尊敬できるので、うまくいきやすいわけです。
会社で同僚同士というか、新入社員同士や同級生同士でよく結婚しますけれども、こういう場合は、粗(あら)がいろいろ見えて、極めてまずいことが多いのです。このへんが、男性が少し年上で結婚してきた理由の一つだと思います。
ですから、何で測るかは極めて難しいのですが、女性にとっていちばん幸福な結婚は、やはり、「夫から何かを学べる。教えてもらえる」といおう関係が成り立つことだと思います。それは別に学校の勉強だけでなく、他のことでもいいのです。いろいろなことでいいのですが、「何かを教われる」ということであれば幸福だと思います。
というのも、職業婦人の場合にはいろいろと社会経験ができますが、たいていの方は家庭に入られます。そうすると外の経験が少ないので、「家のなかで何かを学べる。先生役がいる」ということは極めて大きなことであり、そういう人を選んでおくと長くうまくいくのです。こういうことです。
---owari---
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