(リーダーに求められる「器の大きさ」)
本当のリーダーというものは、あまりにも細かくて緻密な人では駄目なのです。上があまりにも細かすぎると、下はまったく動けなくなります。
上の人が、もう少し大きな目を持ち、目標を提示して、「だいたい、こんな感じでやりなさい。あとは私が責任を持つから」というように言ってくれると、下は自分の思うように働けます。
「責任は自分が取るから、好きなようにやれ。こういう方向で、だいたい、この範囲内であれば、構わない。このくらいまでなら失敗してもよいから、どんどんやれ」と言って、ドーンと権限委譲をし、任せてくれるような人の下では働きやすいのです。そういう企業は伸びていきます。
また、芸術系の人などは、けなされると、けっこう精神的に弱るので、「この人は変わっているな」と思っても、「これだけ変わっているのであれば、何か、すごい才能があるのかもしれない」ということに思いを致す必要があります。
芸術系の人には、音楽家でも画家でも、人の評論や批評にとても傷つきやすいところがあるので、そういう人に対しては、言葉に気をつけなければいけません。
このように、「子供のときの評価は、社会に出たときには逆転することがある」ということを知っておいたほうがよいと思います。少し雑だった部分が「器の大きさ」となって出てくることがあるのです。
天性のリーダーは、ときどき、「秀才のなかの秀才」から出てくることはあります。しかし、一般に、秀才というものは、小さなことではミスをしないのに、意外に、大きな判断でミスをすることがよくあるのです。
なぜかというと、秀才は、過去のものを勉強するのは得意なのですが、未知のもの、未来のものについては、どうしたらよいかが分からず、対応できないことが多いからです。
未知のものに対応するためには、よい意味での蛮勇(ばんゆう)を振るわなければなりませんし、分からないことに対しても責任を取らなければなりません。そのため、多少、打たれ強い考え方を持っている人、自分で責任をとれる人、あるいは、「負けても、もう一回、這(は)い上がる力」を持っている人のほうがよいのです。
---owari---
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