今日は国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
自分で言うのもなんですが、私は常に「本当のこと」を書くよう努力しています。
2000年代、私は「アメリカのウソ」を書くことが多かったのです。
なぜでしょうか?
ネオコンブッシュ政権が、ウソをついてイラク戦争をはじめたからです。
「ウソ」というのは、何でしょうか?
ブッシュ政権は、「フセインは、9.11を起こしたアルカイダを支援している!」「大量破壊兵器を保有している!」とプロパガンダして、この戦争をはじめました。
私は当時、「この主張はウソだ」と書き続けていました。
開戦から3年後の2006年、アメリカ自身が、「開戦理由は大ウソであった」ことを認めました。
『読売新聞』2006年9月9日付。
〈米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定
[ワシントン=貞広貴志]米上院情報特別委員会は八日、イラク戦争の開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画や、国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した報告書を発表した。〉
〈報告書は『フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビンラーディンと関係を築こうとした証拠はない』と断定、大量破壊兵器計画についても、少なくとも一九九六年以降、存在しなかったと結論付けた。〉
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では、ブッシュ・アメリカが、イラクを攻撃した「本当の理由」は何だったのでしょうか?
私は戦争がはじまった2003年当時からずっと、二つの理由を挙げてきました。
「ドル基軸通貨体制防衛」と「イラクの石油利権」です。
「石油利権」は、わかるでしょう。
ブッシュが大統領になった時、「アメリカ国内の石油は2016年に枯渇する」と予測されていました。
それで、中東の石油を支配しなければならなかった。
(@この枯渇予測は、オバマ時代に「シェール革命」が起こったことで外れました。)
もう一つの「ドル基軸通貨体制防衛」とは、どういうことでしょうか?
2000年、イラクの独裁者サダム・フセインは、「イラク原油の決済通貨をドルからユーロにかえる!」と宣言し、実際にかえてしまったのです。
これを許せば、「石油の取引はドルで決済」という、いわゆる「ペトロダラーシステム」が崩壊する可能性がでてきます。
このシステムが壊れれば、ドルは基軸通貨でなくなり、アメリカは「普通の借金超大国」になって没落する。
だから、ブッシュ・アメリカは、フセインを許すことができなかったのです。
この話、私は超少数派でした。
しかし、その後、いろいろなところから同様の話が聞かれるようになってきました。
たとえば『ペドロダラー戦争――イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来』(高澤洋志訳 作品社)の中で、イギリスのシンクタンク「政策研究開発研究所」の研究員ウィリアム・R・クラーク氏は、イラク戦争の原因について以下のように書いています。
〈今回の戦争の目的は、イラクの炭化水素鉱床(油田と天然ガス田)を掌握し、そうして、死活問題に関わる国際石油市場でドルのみが使用される状態を維持することにあった。すなわちドルが世界の準備通貨(基軸通貨)であり続けるための戦争だったのだ。〉
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クラーク氏は、「イラク戦争=ドル防衛戦争」であると断じています。
では、ドル基軸通貨体制を脅かす存在とは、なんなのでしょうか?
そう、ユーロです。
〈アメリカによる支配の第二の柱は、世界準備通貨として機能しているドルである。
ユーロが一九九九年に登場するまで、世界貿易上、ドルの優位に対抗する可能性のある通貨は皆無であった。
ドル優位を維持することは、アメリカが世界支配を目論むならば、戦略上、不可欠の条件である。〉
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同氏は、「アメリカを没落させる方法」を語ります。
〈実際、ドルという柱を取り去るようなことがあれば、自然と軍事面での柱も消失することになるだろう。〉
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ちなみにこの戦いは、今も続いています。
なぜ中国は、「人民元の国際化」を熱心に進めているのでしょうか?
要するに、習近平は、「ドルという柱」を取り去ることで、「アメリカを没落させよう」と考えているのです。
もちろん、プーチンも同様です。
2000年代、アメリカのネオコン・ブッシュ政権は、世界を欺いていた。
それで私は2000年代、「アメリカの真実」について書くことが多かったのです。
▼2010年代は、中国の「反日統一共同戦線戦略」が中心
2008年、アメリカ発「100年に1度の大不況」が起こり、アメリカは没落しました。
1991年12月のソ連崩壊後はじまった「アメリカ一極時代」が終わったのです。
世界は、「米中二極時代」に移行していきました。
アメリカが弱体化したのを見た中国は、まず日本から叩き潰すことにしました。
それが、2012年11月に明らかになった、いわゆる「反日統一共同戦線戦略」です。
@必読証拠↓
この戦略の骨子は、
1、中国、ロシア、韓国で反日統一共同戦線を創る
2、反日統一共同戦線の目的は、日本の領土要求を断念させることである
3、日本に断念すべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣諸島、および【 沖縄 】である
4、日本に【 沖縄 】の領有権はない!!!!!!!
5、反日統一共同戦線には、【 アメリカ 】も引き入れなければならない!
この戦略を知った私は、「日米関係、日ロ関係、日韓関係を改善し、反日統一共同戦線を無力化せよ!」と主張しつづけてきました。
それを成し遂げたのが、故安倍元総理です。
安倍総理は、2015年4月の「希望の同盟演説」で日米関係を最良にした。
安倍さんは、リベラルなオバマさん、保守のトランプさん二人の親友だったのです。
さらに、安倍さんは、反対を押し切って、「日韓慰安婦合意」(2015年12月)を成し遂げました。
「どうせ裏切られる!」と反対する人の主張、私も「そのとおりだろう」と思っていました。
ですが私は、「後に裏切られても、今【 反日統一共同戦線を無力化 】することが最重要だ」と思い、合意を支持しました。
そして、2016年12月、プーチンが訪日し、日ロ関係は大いに好転した。
これで、安倍さんは、中国の「反日統一共同戦線戦略」を「無力化」することに成功したのです。
ですから、安倍元総理は、大げさでなく「日本を救った」のです。
RPE読者の皆さんには、この事実を覚えておいていただきたいです。
▼2020年代は、ロシアのウソを指摘
私は、1冊目の本『ボロボロになった覇権国家アメリカ』を出版した2005年頃から2021年ぐらいまで、ずっと同じ主張をしてきました。
「中国とロシアを分断し、日本、アメリカ、ロシアで中国を封じ込めれば、中国に勝てる」と。
これは、私だけでなく、「リアリズムの神様」ミアシャイマー教授や「世界一の戦略家」ルトワックさんも、同様の主張をしていました。
しかし、2022年2月にプーチンがウクライナ侵略をはじめると、私は立場を変えました。
私は何かを書く時、「善悪論」と「勝敗論」、二つの視点で見ています。
「善悪論」は、個人の場合でもそうですが、「それぞれの言い分」があります。
それで、「共通の基準」が必要です。
それは法律ということになるでしょう。
国際社会における、「善悪の基準」は「国際法」です。
ウクライナを侵略したロシアにも、いろいろ言い分はあります。
それでも、「善悪の判断」は、「国際法で語る」べきなのです。
そう考えると、ロシアのウクライナ侵略は、明確な「国際法違反」です。
なぜ?
国際法で「合法」とされる戦争は、二つしかありません。
一つは、「自衛戦争」です。
だから、この戦争、侵略したロシアは国際法違反であるのに対し、自衛しているウクライナは「合法的な戦争」をしているのです。
もう一つは、「国連安保理が承認した戦争」は合法とされます。
たとえば、1990年の「湾岸戦争」(対イラク戦争)は、国連安保理が承認した合法的な戦争です。
ロシアのウクライナ侵略は、もちろん国連安保理に承認されていません。
だから、国際法違反の戦争です。
「国際法を基準とした善悪論」では、イラク戦争も「国際法違反の戦争」です。
2022年にウクライナ戦争がはじまると、気づいたことがありました。
ウクライナ戦争について、「悪いのはロシアではなく、ウクライナとそのバックにいるアメリカだ!」と主張する人が大量にでてきたのです。
さらに気づいたことがありました。
その人たちは、「クレムリン情報ピラミッドと100%同じ情報を、日本社会に垂れ流している」ということです。
上流にいる人たちは、おそらくクレムリンとつながっている、いわゆる「エージェント」でしょう。
下流にいて洗脳されている人たちは、妙にプライドが高く、親ウクライナの人たちを「情報弱者」とバカにしています。
しかし、事実を知っている私たちは、自称「情報強者」の人たちは、「ただクレムリンに踊らされているだけ」であることを知っているのです。
▼だまされないために
インターネットの時代になってから、私たちは日々、洪水のような量の情報と接しています。
しかし、テレビ同様、ネット界にもウソが大量にあるため、フェイクに情報だまされたり、洗脳されたりする人が大量にでてきています。
もっともわかりやすいのは、「ロシアがウクライナに侵略したのは、ウクライナが悪い」という説でしょう。
これはつまり、加害者(ロシア)と被害者(ウクライナ)の立場を情報戦で正反対にしているのです。
「馬」のことを「鹿だ」といっているようなものです。
特定の主体に洗脳されると、いろいろ不幸になります。
その主体は、アメリカ、中国、ロシア、財務省など、いろいろあります。
どうすれば、「だまされず」「洗脳されず」、クリアな頭で進んでいくことができるのでしょうか?
総合的に学べるところがどこにもないので、私自身が講座を作ることにしました。
内容は、
<第1章:世界は“嘘”だらけ>
講義1「蔓延する国家の大嘘」
素直な日本人こそ知るべき“大衆操作”の実態
講義2「なぜ支配者は嘘をつくのか?」
シカゴ大・政治学の権威が明かした…
国家がつく7つの大ウソ
講義3「イデオロギーは支配の道具」
一夜にして共産党から民主主義者へ...
ソ連崩壊で見えた支配者の頭の中
講義4「世界の洗脳構造」
日本は英米の傘下...
支配者が使う“情報ピラミッド”の正体
<第2章:戦争とウソ>
講義5「世界史上最大の嘘・日米大戦」
“ドイツと戦争したかった”狂人の大嘘…
騙された日本人への教訓
講義6「今世紀最大の嘘・イラク戦争」
ブッシュがついた4つの大ウソ…
大きいほど騙されやすい“大衆の性”
講義7「イラン核開発の大嘘」
“いかなる証拠も見られない?”国際機関も認めた真実…
アメリカが嘘をつく裏の理由
講義8「ロシア・グルジア侵攻の裏側」
かわいそうな小国?…戦犯をすり替えた“欧米の謀略”
講義9「化学兵器とシリア戦争」
サリン使用は口実だった?...
オバマが戦争を“ドタキャン”した真の理由
講義10「遺体を食べる人権団体」
のべ3,000人以上を殺害…米国とアルカイダの黒い関係
講義11「ウクライナ革命の真犯人」
CNNでオバマが告白…
クーデターも利用する支配者の思惑
講義12「領土強奪を9割が支持?」
クリミア併合は“完全に合法”…
ロシア国民を操った3ステップ
講義13「マレーシア航空機・撃墜事件の真実」
目的はプーチンの暗殺だった?
撃墜で得した国、損した国…
講義14「急拡大した“IS”の正体」
生みの親はあの大国?…
8,289回の空爆が一度も当たらないワケ
講義15「ISの“お得意様”と闇取引」
月収50億円?…暴落と密売を繰り返す“中東の小国”
<第3章:情報ピラミッドと大国の暗闘>
講義16「ファーウェイを超える米国の通信傍受」
Google、Appleも協力?日本も狙われた盗聴事件の真相
講義17「ロシア流 暗殺術」
プーチンの敵は病死確定?
国民が信じるイギリス毒殺事件の真犯人
講義18「スクリパリ事件」
プーチン vs. MI6…
ロシアの国賊を狙った暗殺兵器“ノビチョク”の謎
講義19「クリントン・クーデターの真実」
対ソ連同盟の消滅…
焦る中国がすり寄った金融界の大物たち
講義20「世界一のチャイナ・ロビー」
トランプが習に愛の告白?
国策すら180°転換させる“中国のお家芸”
<第4章:洗脳からの脱出>
講義21「君主と教祖の共通点」
なぜ人は騙される?
洗脳を成功させる2つの重要ポイント
講義22「人気解説者の盲点」
その情報源はホンモノか?
ミスリードを誘う諜報部隊の裏工作
講義23「北野氏・秘密の情報源」
リーマンショックを的中させた男が薦める“2つのツール”
<補講:大衆操作の変遷>
講義24「ヒラリーを堕とした男」
トランプ当選の裏で暗躍した世界NO1ハッカー
講義25「懐柔される大富豪たち」
CIAでも防げない、闇に包まれたチャイナロビーの手口
たくさんの人たちの協力を得て作成しました。
そのため、(大赤字になってしまうため)無料で提供することはできません。
しかし、某大手出版社の敏腕女性編集者さんから、「こんな価格設定で元とれるんですか??」と心配される料金で提供させていただきます。
すでに講座をご覧になった大垣さまからの感想を。
〈本当に驚きました。
世界中の国がそれぞれ自分の都合のいいように嘘をついていたんですね。
日本は昔から正直を善しとしてきた民族だし、相手を傷つけないように心遣いをする民族です。
悲しいことに、そんな日本人が大切にしてきた道徳的なものが世界では通じないってことですよね。
でも、北野先生のお話を聞きながら、今まで分からなかった世界の動きが理解できるようになりました。
新聞を読んでいても、中東やロシア、米国などの動きが理解で面白いように理解できてきました。有難うございました。〉
――
情報戦の手法、大衆操作の手法を学び、洗脳から解放され、本当の自由と幸せと豊かさを手に入れてください。
---owari---
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