若い頃(ころ)はとにかく、
勤勉によく勉強することだ。
多くの知識を、
正確に速く学び、
頭脳を鍛(きた)えることだ。
聡明(そうめい)で、才(さい)智(ち)に優(すぐ)れ、
弁が立つ人間になることを目指しなさい。
しかし、それで満足してはいけない。
能弁(のうべん)の秀才(しゅうさい)は、器量が小さくなりがちだ。
それではリーダーとして充分(じゅうぶん)ではない。
気持ちを大きく持ち、
朗(ほが)らかで、小さいことにこだわらない、
さっぱりとした性格をつくりなさい。
磊落(らいらく)で、豪放(ごうほう)な人格を目指しなさい。
きもったまを太くするように心がけなさい。
これが二番目の心がけだ。
そうして、三番目に目指すべきは、
深沈(しんちん)として、物に動ぜず落ち着いた性格、
重々しく、しっかりとした人格を練ることだ。
大人物(だいじんぶつ)となることを目標としなさい。
深沈(しんちん)厚(こう)重(じゅう)なる人物となりなさい。
人物は、深沈厚重を第一位とし、
磊落(らいらく)豪(ごう)雄(ゆう)を第二位とし、
聡明(そうめい)才(さい)弁(べん)を第三位と認識せよ。
(呂(ろ)新(しん)吾(ご)・『呻吟語(しんぎんご)』)
---owari---
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