(基本的に「強み」で戦うことが勝利への道)
日本には、自営業をしている人も数多くいますが、そのなかには、強い個性を持った人が多いようです。
強い個性を持った人は、日本のサラリーマン社会においては、どちらかといえば、弾(はじ)かれる傾向が強いのです。しかし、強い個性を持った人々を認める社会は、アメリカだけかといえば、そうでもありません。そういう人々が尊敬され、成長していける土壌は日本にもあるのです。
日本の自営業者たちは、みな、強い個性の持ち主ですが、実は、そういう自営業に近い企業が九十数パーセントを占めています。
そして、大きな会社だけが、昔、お城に勤めていた人たちのような、侍のカルチャーを持っているわけです。
したがって、強い個性を生かしながら、共通の努力目標に向かって強調し、調和して、力を二倍増や三倍増、四倍増にしていくような努力と工夫が必要です。「自分にないものが、ほかの人のなかにある」ということを認めることが大切なのです。
自分の得意な領域は必ずあるでしょうから、それを伸ばしていくことを肯定すべきです。人生は、原則として、自分の「強み」で生きるべきであり、そうしなければ、成功もなければ、発展も勝利もありません。
あなたの強みは何でしょうか。自分の最大の強みで戦わなければいけません。弱い部分で戦っても勝ち目はないのです。やはり、「強みで戦う」という姿勢を基本的に持つべきです。
ただ、個人がバラバラに生きていくだけであれば、全体としての“芸術作品”には仕上がりません。芸術作品とするためには、各人が、強い個性を伸ばしつつも、組織や社会の共通の目標に向かって、それぞれの長所を生かしあって、組織や社会を発展させていくことが大事なのです。
そのときに、自分の長所の部分から他の人を見て、相手の弱点や欠点をあまりにも責めるような傾向があることに気がついたならば、改めたほうがよいと思います。そういう足の引っ張り合いをすることは、幸福なことではありません。
日本人の平等意識が、悪い方向に出た場合には、必ず、足を引っ張り合い、出る杭を打つ傾向が非常に強くなるので、「足の引っ張り合いをしている」と気づいたら、改めなければいけません。「それぞれの人が伸びていくことは、よいことだ」と思うことが大事です。
自分自身の長所に対して、肯定的な思いを持っていれば、他の人が伸びていくことに対しても、肯定的な思いを出すことができます。
ある人が周りから悪口ばかり言われているようなときに、「よいところもあるのではないか」という、逆の見方をしてあげるぐらいの心の余裕は必要だと思います。
---owari---
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