川塵録

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家庭連合解散命令請求裁判に提出した、私の陳述書(4)

2024年12月16日 | 法律・海外法務
 民法は「法令」に含まれない

解散原因の「法令に違反」(宗教法人法81条)については、主に以下3つの理由から、民法の不法行為事例は「法令に違反」とはいえないと思います。

1️⃣ 国際法・国際常識

パトリシア・デュバル仏弁護士が国連に意見書を出しているとおり、抽象的な「法令」「公共の福祉」違反を解散原因とすることは、国際人権規約18条3項に違反します。

諸外国の宗教法人の解散でも、不法行為が原因となるところはありません。

宗教史を紐解いても、政府の恣意的制裁を避けるべく、宗教への制限に予測可能性を担保することは重要です。

「法令」という広い文言だから常に民法も含むわけではありません。

例えば最高裁平成12年7月7日判決は、旧商法266条1項5号(現行会社法423条)の「法令」を「会社を名宛人とし、会社が業務を行うに際して遵守すべき規定」等に限定解釈しています。

2️⃣ 民法709条に「違反」していない

民法が日本で制定されてから128年経ち、法曹が何万人もいましたが、不法行為責任を負う者を「709条に違反する」と表現する法曹は一人もいなかったはずです。

実際、何万件の判例を検索しても、不法行為に基づく損害賠償を709条「違反」の賠償と表現する法曹は見当たりません。

我々法曹は709条に「基づく」賠償請求をしてきたのであり、709条「違反」の賠償請求なんか誰もしません。

709条に基づく賠償義務を果した家庭連合に「違反」はありません。

法曹が128年間も守り続けてきた伝統と表現を、今回の解散命令請求の裁判所が変えるのでしょうか。

3️⃣ オウム高裁は事例判例ではない

家庭連合田中会長に対する過料裁判の地裁判決は、「刑法等の禁止規範…」と判示した平成7年オウム事件高裁判決を、事例判例だとして排斥しています。

これにはびっくりしました。

日本に法曹は5万人いますが、このオウム高裁判例を読んで「事例判例」だと思う法曹は一人もいないはずです。

司法試験に受かった私の事務所のパラリーガルも「これは事例判例とは言えません」とはっきり言っていました。

  
 続き(陳述書(5))
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