三島由紀夫は、死ぬ数ヶ月前、かつては盟友のように親しかった石原慎太郎に対して、公開質問状を出した。
「士道について」というお題で。
石原慎太郎が、自民党に属しておきながら、自民党を批判するのはおかしいではないかと。「なにものかに属する」というのは、そんな軽々としたものではない、という文脈で。
その三島由紀夫を若い頃から知っている執行草舟さん(昨日お会いしてきた)も、「現代の三島由紀夫」みたいな人だから、同じことを言っている。
内部通報なんか士道に悖る、と。
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タイムリーに、法律雑誌のたしかAtoZで、私がコンプライアンスを教わっている樋口晴彦さんが内部通報について書いている。明日読んだらまたコメントします。
内部通報は、本来的ではないルートでの、苦肉の策の、最後の手段の、情報収集ツール。
その「苦肉の策」「最後の手段」の整備に血道を上げるのは、優先順位としておかしいですね。
本来的な連絡ルート、つまり、「上司が部下に、部下が上司に」ってルートで、いい情報が伝達されれば、内部通報なんかいらない。
大道廃れて仁義あり。
「仁義」の整備に血道を上げるのではなく、「大道」の復活にこそ心血を注がねばならぬ。