川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

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イチローと松井秀喜と中田英寿

2024年12月16日 | 人物
イチローと松井秀喜と中田英寿。

一世を風靡した名選手の、引退後の歩みを比較したい。

中田英寿は2006年引退。もう18年前。
松井秀喜は2012年引退。12年前。
イチローは2019年引退。5年前。

中田英寿は、何をしているのだろう。日本酒を世界に広めている。それしか知らない。今でもランニングしたりして、引き締まった顔をしているのは立派。

松井秀喜は、NYヤンキースで仕事をしている。後輩の育成。子ども2人の子育てにも勤しんでいるのだろう。

イチローは、相変わらず、ストイックな生活を続け、ほとんどバリバリの現役選手並に身体を絞って、古巣マリナーズのために粉骨砕身している。
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だれが一番美しいか。

ダントツで、イチローである。

身を削って、社会貢献しよう、という意欲が感じられる。

一方、松井や中田英寿には感じられない。
おそらく、彼らなりに、頑張っているんでしょうが、その「懸命さ」は、全く見えない。

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だれが一番「恩返し」をしているか。

これも、イチローだろう。

イチローが、古巣マリナーズ・大リーグのために日々奮闘しているほかに、高校野球とか、女子野球とかの、日本野球に、大きく貢献している。地元愛知で「イチロー杯」を立ち上げて少年野球支援もしている。

松井は、星稜高校、石川県、巨人軍、そして日本野球に、どれくらいの恩返しをしたのだろうか。全く見えてこない。

彼の父親は宗教家だから、松井も、「寄付は人に見せない」という美学を持っている可能性もある。「恩返しは名を出さずに」という陰徳を積んでいる可能性もある。

でも、それが見えてこないだけに、「恩知らず」と思っている方も多い。私も含めて。

中田英寿が、Jリーグその他日本のサッカー界に、どれだけの恩返しをしたかは、聞こえてこない。

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総じて、引退しても、懸命に「戦って」いるのは、ダントツでイチローである。

いや、別に「戦わなくても」いいんじゃね。

多くの方はそうお思いでしょう。

否。

恵まれた者は戦わなければならない。

恵まれた者は、何かと戦わなければならない。

なぜか。

何かと戦うことができるほど、恵まれた人は、少ない。
メチャ少ない。

100人とか1000人に1人とか?
残り99人とかは、言葉は悪いが、あえてキツめに言えば、日々の生活に汲々とし、地位の保全に汲々とし、家庭人としてのメンツを保つのに汲々としている。

能力的にも、時間的にも、金銭的にも、余裕がない。
戦う余裕がない。自分のことで精一杯。自分の家族のことで精一杯。

戦える者は、限られている。
能力と、時間と、経済的基盤に恵まれ、戦うことができる。

もう、100人に1人とか、1000人に1人。

そういう恵まれた者は、戦わなければならない。
旧弊と。既得権益と。世の不条理と。

恵まれた者が戦ってきたからこそ、文化と文明が発展してきた。
戦える余裕がある者が戦ってきたからこそ、今の我々がある。

そういう、先哲・先人たちの歩みに思いを致せば、恩を感じていれば、戦う余裕がある者には、戦う義務がある。

これが、ノブレス・オブリージュ。高貴なる者の義務。

この高貴なる者の義務を最も果たしているのは、イチローである。

億単位の資産を有する、松井秀喜と中田英寿氏の、今後の健闘に期待します。
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