最も偉大な者とは?
アメリカの本居宣長みたいな、宗教家・詩人のラルフ・エマソンが、
最も偉大な天才は、最も恩義を感じている者である
The greatest genius is the most indebted man.
と言った。出典は、『Self-reliance(自己信頼)』って本かな? 私のKindle版の、Shakespeare(シェークスピア)って項にある言葉。
2年前くらいからこの言葉が好きになった。
最も偉大な人間は、最も恩義を感じている。最も他者のお陰を被っている。
これを、私は、「より多く、古典から学べば、偉大な人間になれる」って解釈してきた。
後天的な努力を促す文脈で。
今日、別の解釈を、ひらめいた。
最も「恵まれている」って思う者が、最も立派である。
「恵まれている」って感謝している人は、most indebted である。
恩義を感じている。
父母の恩。我が師の恩。環境に対する恩。母校に対する恩。先輩に対する恩。上司に対する恩。地域に対する恩。祖国に対する恩。
そういう「恩」「恩義」を強く感じれば感じるほど、それを還元したいと思い、利他的になり、行動的になる。
恵まれて、恩義を感じるからこそ、主体的に、積極的に、社会貢献できる。
たとえば。
私は23歳のときに、飲酒運転をして死にかけた。顔面が崩壊した。
同じ日に、私の英語塾の教え子の女性が、青信号を渡って、撥ねられて亡くなった。
運命を感じた。宿命を感じた。恩義を感じた。
生に対する恩義。生きていることへの恩。生かされているんだという思い。
造物主に対する敬虔さ。
27年前の、あの事故から、私は、indebted 。恩義を感じている。この生に。
それが私の活力につながっている。生かされたんだから、頑張んなきゃ。
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だから分かる。
エマソンが言う The greatest genius is the most indebted man の意味するところが。
恵まれて恩義を強く感じる者が、立派になる。
逆に、この生に恩義を感じていない者、生に感謝しない者は、自己中心的、利己的になる。
自分は恵まれているんだ。
その思いを強く持つ者が、利他的になれる。
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これからも、誰よりも、most indebted であり続けたい。
「生かされている」という感謝と恩義の念を忘れずにいたい。
参考:こちら(この言葉に出逢った文献)