生物の授業で学習したと思うが、ヒトは未成熟の状態で生まれ、親が何年も世話をしなくてはならない動物で、一人では生きられない。漢字の「人」の形がそのまま人間社会を表している。
孫の成長を見るじいさんとして、なおさらヒトの生物的特徴を知らされている。
そんなときのパラリンピックである。世話をしてもらわないと競技を続けられないアスリートの大会である、と思っていた。
今までは競技者ばかりを見ていたが、今回のパラリンピックでは介助をするヒトが気になって仕方がない。介護職として働くようになったからだろうか。よくわからないが、とにかく気になって仕方がない。メダルを取ってコーチと抱き合うアスリートを見るたびに、涙腺が緩んでしまう。
私は、パラリンピックを特別な大会と考えていたのかもしれない。これは間違っていたことがわかった。
「助けてくれて、支えてくれた方々に感謝するします」
競技を終えたときに出るこの言葉はパラアスリートだけでなくオリンピックでもよく聞かれた。1年延期になったからだけではなく、これがヒトのスポーツ大会だからである。オリンピアンも助けられて当たり前なのである。
健常者と障がい者という区別、これは大嫌いである。私は健常者でもなんでもないと思っている。できないことだらけで、弱点ばかりである。世話になってばかりの高齢者である。
ただ、世話になっている以上に世話をしたいという気持ちがある。それはヒトだからだろう。
健常者と障がい者、この言葉がなくなる世界に少しでも近づきたい。
前振りが長くなりすぎてしまった。
パラリンピックでの感動編である。
その1
大好きな国枝選手。強かった。
かつて、テニス界のレジェンド、ロジャーフェデラー選手が、日本人記者から強さの理由を問われたとき、
「日本にはクニエダ選手がいるじゃないか」
と返した。
まさにその言葉通りを実践してくれた。
ありがとう。
その2
日本人最年長金メダルリスト、杉浦佳子選手。
自転車タイムトライアルとロードの2冠である。
「最年少記録はつくれないけど、最年長記録はまたつくれますよね」
これにはやられたね。私もこんな発言してみた〜いよー。
さー、今日のテニスも燃えるぞ!
その3
日本人最年少メダリスト山田美幸選手。
素晴らしい背泳ぎ、空いた口がふさがらないほど驚いたよ。
生まれたときから大変な努力が、あの水中での足のキックを見ればわかった。
しっかり動画を撮ったから、孫にも何回も見せるからね。
すべてのパラアスリートとコーチ、介助者、私はリスペクトします。