23日に起きた遊覧船事故。
楽しく旅をする人々を、一瞬で地獄に突き落とす悪魔の仕業としか思えない。
長男が小学校4年、5年、6年のとき、夏休みを利用して、北海道キャンプ旅を3年続けたことがある。
1991年から1993年である。
長男が中学生になると、家族みんなでの旅行が時間的に難しくなるかもしれないことと、夫婦で「北の国から」に夢中になっていたことが、この北海道キャンプ旅に繋がっている。
次男は保育園は年長、小学校1年、2年、三男はすべて保育園のときで、車にキャンプ道具一式つめて、1週間から10日間の旅である。車は1年目はスバルドミンゴ、2年目と3年目はトヨタエスティマであった。テントで家族5人、くっついて寝て、食事をみんなで作る。息子たちはよく働いた。楽しかったなあ。
そんな思い出の中に、知床遊覧船もあった。
羅臼町の相泊温泉を楽しみ、その日は羅臼野営場でキャンプ。この野営場には熊の湯という無料の露天風呂があり、地元の人と湯に浸かった。
展望台からは羅臼岳や知床連山が見え、雄大な北海道を満喫した。
そして次の日は、知床半島の付け根を横切ってウトロに行った。せっかく来たので遊覧船に乗ろうということになり、高い😂船賃を払って3時間クルーズを楽しんだ。
当時は、流氷観光の砕氷船が、夏場の遊覧船として活躍していたようだ。
船は違うが、その遊覧船の事故である。悲しさしかない。
人災とか、防げたはずとか、連日のように批判のニュースが流れているが、ウトロや斜里町の人たちの気持ちを考えると、言葉がない。ウトロにいる知人も心配だ。
この事故は、知床観光だけでなく、北海道全体の観光にも影響を及ぼすだろう。
大好きな北海道、今は耐えるしかない。
17年前の4月25日に、尼崎で福知山線脱線事故が起こった。福知山線から学研都市線に乗り入れる快速電車で、同志社前行きであった。JR西日本の過密ダイヤで運行していた列車が、伊丹駅でオーバーランして遅延となった。その時間を取り戻そうとして高速運転でカーブに突っ込んだために起きた事故である。
入学して間もない学生や新入社員が、巻き込まれてしまったのだ。
遊覧船と列車の違いはあるが、この2つの事故が、同じように思えてならない。
お客さんを運ぶ船や列車は、時間やお金ではなく、人の命を運んでいるのである。その運行にあたって、何よりも優先しなくてはならないのは、この命だということである。
海上特殊無線技師や海上通信士で資格を取るとき、まず勉強するのは遭難通信、非常通信、安全通信である。
これらの通信が発信されたとき、受信した船舶、航空機は、その対応が何よりも優先される。人命こそ第一に守らなくてはならないからである。