お小遣いをもらったときやバイト代が入ったとき、そのあとの楽しみは映画を見にいくことだった。
中学時代、暮らしていた東京池袋には文芸坐という映画館があり、その地下が名画座で、怪獣映画、加山雄三の若大将シリーズ、クレージーキャッツ植木等の無責任男シリーズなどの3本立てを、とても安い値段で見ることができた。
高校(高専)時代は、山の手線で池袋から品川まで電車通学をしていたので、その途中の新宿や渋谷の映画館によく行った。
渋谷には全線座という、いつも空いている名画座があり、そこで松本清張原作、野村芳太郎監督の「砂の器」を見たとき、声を押し殺して泣いた記憶がある。どっぷり映画の世界に入り込んでいた。
大学時代、どでかいスクリーンに感動したのは梅田の「OS劇場」で「サウンド オブ ミュージック」のリバイバル上映を見たときである。このような超大作映画には途中で「休憩」があることを初めて経験した。
また大学時代、住んでいた池田市には池田中央という映画館があり、ここもリバイバル上映をよくしていた。この映画館では、黒澤明監督の映画をすべて見た。黒澤明監督特集が定期的にあり、2本立てだったが、1本がとても長いので、お弁当持参で、一日中楽しめた。「七人の侍」「天国と地獄」「用心棒」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」などなど。どれも面白いものばかりだった。
社会人になってしばらくは映画館から遠ざかっていたが、子どもが映画を見れるようになってからは、家族でよく行った。ハリーポッターシリーズも何作品か見た。
敏美さんと二人暮らしになると2か月ごとぐらいで、茨木のマイカルシネマに行った。二人で見た後の感想を言い合い、「鑑賞代金以上の価値あり」「鑑賞代金並み」「金返せ」というランクづけをして遊んだ。
今までそのランクで最高だったのが、「ガチボーイ」という学生プロレスを扱った映画である。
上郡に移住してからは、ほとんど映画を見ていない。見に行くための移動時間が長すぎるからである。さらに、私が映画を見ると、すぐに泣き出すからである。いつも隣りの敏美さんから「えー、もうここで」と言われ、「声を出して泣かんといて」と追い討ちをかけて怒られている😭
映画を見るのは、泣きたいから、という人は多いと思うんだけどね🤗