◎◎ 日経平均2万3000円を回復、米景気期待や円安進展-景気敏感高い
長谷川敏郎
2020年6月8日 7:45 JST
更新日時
2020年6月8日 15:39 JST
米国の失業率は予想外に低下、米10年債利回りは11週間ぶり高水準
中国輸出マイナス幅縮小、ドル・円はおおむね1ドル=109円台後半
☆☆☆☆☆☆ 8日の東京株式相場は6日続伸し、日経平均株価は終値で2万3000円台を回復。米国の雇用改善や長期金利上昇、為替の円安を好感し、銀行や保険など金融、素材など景気敏感業種中心に買われた。
TOPIXの終値は前営業日比18.24ポイント(1.1%)高の1630.72
日経平均株価は314円37銭(1.4%)高の2万3178円10銭
2万3000円回復は2月21日以来
〈きょうのポイント〉
5月の米雇用統計、失業率は13.3%へ低下-予想は19%への上昇
非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比250万人増
5日の米S&P500種は大幅反発、ナスダック総合指数は取引時間中の最高値-米10年債利回りは11週間ぶり高水準
5月の中国の貿易黒字は過去最高-輸出は予想ほど落ち込まず
きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=109円台後半で推移、前営業日の日本株終値時点は109円28銭
¤¤¤ 富国生命投資顧問の奥本郷司社長は「米雇用は1回大きく落ち込んだ後、ショックは終わったのかと思う」と指摘。コロナ危機によって各国は落ち込んだ国内総生産(GDP)を上回るほど大きな予算規模の資金を投入したとして、「コロナ前とコロナ後の違いでみると、世の中に出回っているマネーの量は増えている。過剰流動性相場だ」と述べた。
きょうの株価指数は日経平均が昨年10月(7連騰)以来、TOPIXは3月(6連騰)以来の連騰を記録。両指数とも、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を警戒して急落する前の2月21日以来3カ月半ぶりの高値水準となった。
¤¤¤ 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは米雇用統計について、「歴史に残るほどのポジティブサプライズ。5月後半から前倒しで景気が良くなっていることを考えると、6月の雇用者数はさらに増加しそう」とみる。上げが目立った銀行株については「米長期金利の急騰で長短金利差の拡大による業績期待が高まる」と言う。
¤¤¤ ただ、三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは「速度違反な株価上昇で、ファンダメンタルとのかい離がかなり出てきている」として、「楽観を織り込み過ぎたとマーケットが感じた時に調整が入ると思う」と話していた。
東証33業種では鉱業や鉄鋼、銀行、保険、その他金融、石油・石炭が上昇
精密機器や医薬品は下落
2万3000円を回復
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