20年前、議員になってまもなく、国保料引き上げの条例改正が議案となった。
所属していた委員会に付託された。
過去の会議録で先輩議員の発言を読んでも、言葉の意味からわからず、「エライことになった」(大阪以外の方へ。「大変なことになった」という意味です。)と思ったことは、今でも悪夢のよう。
必死で勉強した。
そのとき「こういう本があったら」と今さらのように思う。
今、3人の議員団の構成は、6期目の私と、あとふたりはフレッシュな1期目。
「予算委員会までにぜひ読んでください」と言って、3冊まとめて購入しました。
今、第3章まで読んだところです。
歴史的にたどって、「国保会計の“複雑化”は、国庫負担削減、国保の“助け合い制度”への変質と表裏一体ですすんだ」という流れがくっきりと浮かび上がってきます。
そして、その“流れ”を「国民の生活が第一」を看板に政権交代を果たした民主党政権が、忠実に継承していることも。
泉大津市国保財政の累積赤字のピークは2009年。2010年、11年度は連続してかなりの単年度黒字を計上した。毎年、1億円規模で赤字を累積し、13億円余りとなった頃、「財政健全化にとって重い足かせ」と言われた。
しかし、国保の赤字は、市民、加入者の責任ではない。
収納率による調整交付金のカットだけで約4億円。(1998年度から2009年の累計)福祉助成による国庫負担の減額のペナルティーで2億5千万。(2000年度から2009年)市の一般会計から繰り入れは、一定期間、条例減免分も含めて独自減免をゼロにした。
2008年度から繰り入れを復活している。「財政指標」を、一般会計だけでなく特別会計を含めた連結でみるようになったからだ。
国が不当なペナルティをやめ、市が毎年度「あたりまえ」の繰り入れをしていれば、国保は「莫大な赤字会計」にはなっていない。
本書のサブタイトル、「作られた赤字の理由(わけ)を知るために」
泉大津国保の赤字も、まさに「作られたもの」だ。
しっかり勉強して、予算議会に臨みたい。
いい本をありがとう!!
著者;寺内順子 1981年より大阪社会保障推進協議会事務局、現在事務局長
発行;日本機関紙出版センター