1922年10月24日。
母は生まれた。
もし今も命があれば101歳。
1923年9月1日、関東大震災。
教職にあった母の母、私の祖母が2学期の始業式を終え、生後10ヶ月の母を膝に抱いていた時に、大地震が襲った。
祖母が、母とその兄、幼い二人を両脇に抱えて家の外に飛び出した直後に家が崩れ落ちた話を、祖母からよく聞かされた。
12万人もの死者が出たと言う大災害で、生き延びたのも奇跡かもしれない。
母は、子どもの頃は痩せて顔色が悪く、学校でもよく倒れたという。
女学校の受験は、健康診査で不合格だったという。
その後、どうやって健康を手に入れたのかはわからないが、とにかく私の記憶にある母は元気な人だった。母が病気で寝込んでいる姿を見た記憶がない。
働きながら3人の子どもを産み育てた。
母が生まれ、そして災害にも病気にも、その命を奪われることなく生きてくれたから私がいる。