産経新聞 【ソウル=藤本欣也】韓国検察当局は22日、朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)で在宅起訴された、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する17日の無罪判決について、控訴しない方針を決めた。加藤前支局長の無罪判決が確定する。
検察は判決後、「判決内容を検討して控訴するか否かを決める」との立場を示していた。「主要事件で無罪判決が出た場合、検察は自動的に控訴してきた」(司法関係者)だけに、控訴断念は異例だ。控訴期限は24日だった。
東京裁判で「全員無罪」を主張したパール判事ってどんな人?【3分で学ぶ世界の教養】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9825
戦後70年の今年、日本の歴史認識に注目が集まっています。
戦後の日本人の歴史認識に強い影響を与えているのが、東京裁判です。「日本は悪い国だった」と断じた東京裁判において、インド代表のラダ・ピノール・パール博士は、すべての被告のすべての起訴事由について「無罪である」と主張した、たった1人の判事でした。
このパール判事とは、どのような人物だったのでしょうか。
東京裁判「全員無罪」の根拠は……
パール判事が全員を無罪とした理由のひとつに、「既存の法がないならば、犯罪の処罰はありえない」というものがあります。平たく言えば、後から作った法律で裁いてはいけないということです。東京裁判で扱われた「人道に対する罪」も「平和に対する罪」も、日米開戦時にはありませんでした。アメリカが1944年秋から1945年の8月にかけて整備した国際法で、初めて犯罪規定として登場しています。ちなみに11人いた判事の中で、国際法の専門家はパール判事だけでした。
また、教育や産業振興策、貿易などあらゆる日本の施策が、「侵略戦争の準備」とされ「共同謀議」として裁かれました。パール判事はこの点についても、「世界のいたるところで同様のことが行われていた」と指摘します。
パール判事は裁判中、他の判事たちが観光旅行や宴席に出ていた間もホテルにこもって、2年半の間に資料を4万5千部、参考書籍を3千冊読み、判決文を超える1235ページの意見書(パール判決文)を提出しました。
この情熱は、どこから来ているのでしょうか。
パール判事の使命を支えた2人の女性たち
パール判事は、インド・ベンガル州の貧しい家の生まれで、苦学して大学に進学しました。在学中の1905年、日露戦争での日本勝利の報に接し、「同じ有色人種である日本が、北方の強大なる白人帝国主義ロシアと戦ってついに勝利を得たという報道は、われわれの心を揺さぶった」「インドの独立について思いを致すようになった」といいます。
もともとは数学を専攻していたパール判事が法律家になった理由は、当時、イギリスの植民地だったインドでイギリス人と対等に発言できるのは法律家だけだったため、インド独立を志向する母に励まされてのことでもありました。
パール判事は、ネール・インド首相に指名されて東京裁判に参加します。結審が近づいた1948年8月には、夫人が危篤に陥ったため帰国しますが、当の夫人に「あなたがこの大切な使命を果たされるまでは、私は決して死にません。どうぞご安心くださって、すぐ日本にお帰りください」と言われて日本に戻ります。実際に、夫人は東京裁判が終わり、パール判事が帰国して間もなく亡くなりました。
「真実を真実と認め、正しき法を適用したに過ぎない」
パール判事の判決について、同じ東洋人を同情したためだと解釈する向きが、日本にもありました。しかし、裁判後に来日した際、パール判決文について感謝されたパール判事は、「私は日本の同情者として判決したのでもなく、西欧を憎んで判決したのでもない。真実を真実と認め、これに対する私の信ずる正しき法を適用したに過ぎない」と語っています。
その一方で、広島平和記念公園の碑に、「あやまちは繰り返しませぬから」と書いてあるのを見て激怒し、「いったい、誰が何を繰り返さないというのかね?」「この町に原爆を落として破壊したのは、アメリカだったではないか」と指摘してもいます。
パール判事はあくまでも正義を追求し、人種差別をなくすという使命感を感じながら、被告の無罪を主張したことが伺えます。
公平な目で見て、東京裁判に正義はなかったと言えます。東京裁判を事実上主催したGHQ司令官マッカーサーも、朝鮮戦争が始まってソ連や中国共産党という共産主義の脅威に接し、1951年、日本の開戦について、「大部分が安全保障の必要性に迫られてのことだった」と米上院軍事外交委員会で証言しています。戦後70年の今年、パール判事の言葉に耳を傾けたいものです。(居)
【関連記事】
2014年9月2日付本欄 モディ首相、仏教で対中批判 日印は"準同盟国"の関係へ
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2014年6月号記事 そもそも解説 & インタビュー ヘンリー・S・ストークス - アメリカ人が語る「日本の戦争は正しかった」欧米こそ歴史の見直しが必要だ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7732
2013年12月28日付本欄 【そもそも解説】A級戦犯ってなに?
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7154
ずっと思っていましたが。テレビ朝日では夕方のニュース番組で料理、飲食店のことばかり放送している。現実に起こっていることを報道せず、飲食店、料理のことばかり、国民に真実を伝えず。情報統制をしているとしか思えない。
ニュースステーションも左翼、反日で国民を洗脳している。こんなテレビ局を許していいのか。
他のテレビ局もそうだが、ニュース番組で、世界で起こっていること、特に毎年、莫大な予算をかけて増強している中国の軍事力を報道せず、飲食、料理のことばかり。
これでは国民は全く身の危険を感じず、憲法改正しなくてもよいなどと、平和ボケのままだ。
ニュース、くだらないバラェテイ番組などで、世論誘導、日本人を平和ボケ、アホにして、中国に味方しているいるとしか思えない。
テレビ、マスコミを信じてはいけない。
スターリンの人生から「ソ連ってどんな国?」を振り返る
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9773
戦後70年の今年、第二次大戦をめぐる歴史認識について改めて考える必要があります。
当時、世界情勢に最も大きな影響を与えていた国の一つがソビエト連邦です。本欄では、ソ連の指導者であり「鋼鉄の男」と言われたスターリンの政治から、ソ連の歴史の一部を振り返ります。
ロシア革命に身を投じ独裁者にのし上がる
スターリンは、ロシア帝国が倒れる前の1901年、ロシア社会民主労働党に入党しました。その後、革命運動に身を投じ、1912年、当時の党指導者レーニンにより党幹部である中央委員に登用されました。
そして1922年、スターリンは党書記長に就任。同年、ロシア革命が終わり、ソビエト連邦の樹立が宣言されました。スターリンは1924年、レーニンが死去すると、古参の党幹部を排除して、独裁体制を築きました。
あんな粛清、こんな粛清
スターリンはまず、農業国だったソ連を工業国にしようと考えました。そこで、国内の工業化と農村の集団化を目指した「第1次5カ年計画」(1928~32年)を策定し、計画経済を実行します。その中では、政府の意向に沿わない何百万人もの富農や資本家、農民が、処刑やシベリア送りになり死んでいきました。
スターリンは1934年、自身の後継者と目されていたキーロフが暗殺されたのを口実にして、スターリン反対派の党員の粛清を開始しました。さらには共産党員、軍人、官僚、罪のない民衆なども粛清され、最終的な犠牲者は数百万人になるとも言われています。
第二次世界大戦での振舞い
次に、スターリン率いるソ連の、第二次世界大戦における振る舞いに目を転じます。
1930年頃から、国際社会では日本やドイツが台頭し始めていました。両国を警戒していたソ連は1933年、ルーズベルト政権のアメリカと国交を樹立。34年には国際連盟への加盟も果たし、日本やドイツをけん制しました。
その一方で1939年、スターリンはヒトラー率いるドイツとは戦わないという「独ソ不可侵条約」を結び、世界に衝撃を与えました。
この条約を結んだ理由は、もしソ連とドイツが戦争になれば、敵対関係にあった日英仏に攻撃された時、挟みうちに合うためです。
この条約締結で安心したドイツはポーランドに侵攻し、ワルシャワを占領。それに乗じて、ソ連も西ウクライナを占領しました。
ところが1941年、ドイツは「独ソ不可侵条約」を破棄し、ソ連に攻め込みました。スターリンも、いつかは独ソ戦争が起こると考えていたものの、突然の侵攻だったため、一時期、脱力状態に陥ったそうです。
米英ソで「国連」を構想した「ヤルタ会談」
その後、スターリンは1945年に開かれた「ヤルタ会談」でルーズベルト米大統領、チャーチル英首相と会談し、戦後の世界秩序を戦勝国で統治することで合意しました。これが、今の国連の原型になっています。
またスターリンとルーズベルトは、千島列島・南樺太の領有を条件に、対日参戦するという密約も結びました。そしてドイツと日本は敗戦し、第二次世界大戦は終わります。
戦後も1953年の死没までスターリンの独裁は続きます。米ソが対立する冷戦構造が形成され、ソ連の共産主義支配下に置かれた国々では、人権弾圧や虐殺などで多くの人々が苦しみとなりました。
スターリンの霊は「自分が神」
大川隆法・幸福の科学グループ総裁は16日、スターリンの霊を呼び出し、その本心を探りました。その中で、スターリンは「独裁者である自分が神であり、自分に逆らう者は全て処刑する」という考えを持っていることを明らかにしました。また、自らが権力を行使するため、「暴力革命を肯定する共産主義を利用していた」とも述べました。
この霊言は、現在の国連を初めとする戦後秩序に正義があるか否かを、深く考えさせられる内容となっています。
また、日本人にはなかなか想像し難い独裁者の思考回路を、リアルに知ることができます。北朝鮮の金正恩第一書記や中国の習近平国家主席も、潜在的には同じような考えの持ち主です。現在の国際社会を理解するためにも必見の内容です。(泉)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『共産主義批判の常識』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=990
幸福の科学出版 『フビライ・ハーンの霊言』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1156
【関連記事】
2015年5月号記事 「自由の創設」としての大東亜戦争(Webバージョン) - 編集長コラム
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2014年7月号記事 Part2 プーチンはヒトラーの再来ではない - この"独裁者"は天使か? 悪魔か? プーチンの正義
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7885
日本の誇りを取り戻す——歴史教育と偉人教育、教科書採択の重要性[HRPニュースファイル1402]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2270/
文/幸福実現党 山口県本部副代表 かわい美和子
◆吉田松陰や松下村塾を知らなかった山口県の子供たち
いま放映されている大河ドラマの主人公は吉田松陰の妹です。
岩国市に住んでおります知人が2人のお子さんに、地元山口県の偉人の吉田松陰について尋ねたところ、上の子は吉田松陰のことを殆ど知りませんでした。
一方、下の子は「松下村塾を創った立派な人なんだよね」と、しっかりと覚えておりました。
「この違いは何だろう」と知人もショックを受け、理由を考えてみたところ、2人の子の中学歴史教科書の記述の違いにあることに行き当たりました。
岩国市で採択されている中学歴史教科書は、3年前(平成24年度)に育鵬社が採択されました。下の子は育鵬社の歴史教科書で学び、上の子はそれ以前に採択されていた東京書籍の歴史教科書で学んでいました。
さっそく私も、現在出されている両社の中学校歴史教科書を読み比べてみたところ、育鵬社の教科書では、コラムで吉田松陰の紹介と併せて松下村塾のことも丁寧に教えていました。
ところが、東京書籍の教科書では、「私塾で人材を育成し、幕府に背いて処刑された」として簡単に触れているだけで、松下村塾や後世に残した功績についてちゃんと教えていませんでした。
これでは、吉田松陰のことを上のお子さんが知らないのも無理はないだろうなと感じました。
歴史教科書は史実を教えるとともに、我が国の発展に尽くした偉人のこともしっかりと教えることは当たり前です。偉人教育が充実した中学歴史教科書で、ぜひとも子供たちに歴史を学んでほしいと思います。
◆自分の国を誇れる健全な愛国心を育む、偉人教育の重要性
文部科学省の新学習指導要領では、小学校6年の社会科として主要な歴史上の人物を採り上げ、その人物の働きを通して学習できるように指導することを定めています。
新学習指導要領に掲げる人物に限らず、我が国の発展に尽くした偉人を広く採り上げ、その人物の魅力や後世に残した功績を教えることも、とても重要です。
以前に私は、HRPニュースファイルに、「自分の国を誇れる健全な愛国心を育む、偉人教育の重要性」( http://hrp-newsfile.jp/2015/2073/ )と題する投稿をいたしました。
そこで、私の故郷の周南市の偉人である児玉源太郎の偉業を紹介するとともに、大きな歴史の転換点で活躍した偉人、特に日本のみならず、周辺国や他国の発展にも貢献した偉人たちを子供たちに教えることが、自分の国を誇れる健全な愛国心を育むためにも重要であることを述べました。
真の国際人を育むためにも、語学教育だけでなく、自分の国を誇れる健全なアイデンティティーをもった人材教育が重要であるのです。
日本が、アジアのみならず、世界を平和と繁栄に導くリーダーとしての使命を発揮するためには、その前提として、いまの教育の中から自虐史観を廃し、自分の国を責めるのではなく、我が国の偉人や歴史をしっかりと教える教科書と情熱を持った教師による教育が必要不可欠です。
◆「日本の誇りを取り戻す」教科書採択を進めるために
今年は、4年に一度の「教科書採択」の年に当たります。すでに昨年、文科省の検定を合格した教科書の中から、各地の「共同採択地区」単位で協議を行い、平成28年度から4年間採択される教科書が最終的に決定する事となっています。
各採択地区(各自治体)においては、住民の意見なども聴取しながら、専門家による議論などを経て、8月末までに、具体的な教科書採択が決まる流れとなっています。
平成28年度から使用される中学校の教科書採択は、まさに現時点進行中です。
各採択地区の協議会では、専門家による議論が進められていますが、その際の資料として、6月19日から14日間、各自治体で教科書展示会を行い、国民の意見を「意見書」として聴取することとなっています。
4年に一度行われる今回の中学校の教科書採択にあたり、一人でも多くの国民の皆さまに、教科書展示会へ足をお運び頂き、意見書をお寄せ頂いて、明確に「愛国心」を育てる教科書を支持頂きたいと思います。
教育は、人間を変える「魔法の力」を持っています。自分の国に誇りを持ち、世界をリードできる人材の輩出を目指して、子どもたちに最高の教育ツールと環境を提供することは、私たち大人の責務です。
詳しくは、下記HRPニュースファイルのバックナンバーもご覧くださいませ。
■「日本の誇りを取り戻す」教科書採択を進めるために
http://hrp-newsfile.jp/2015/2229/
(ご参考)
全国の教科書展示会の会場は、下記URLから調べることができます。
■都道府県が設置する教科書センター一覧(平成27年5月現在)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/center.htm
※なお開催期間(法定開催期間)は、平成27年6月19日から14日間ですが、自治体によっては、法定外開催期間として開催期間を延ばしている所もございます。
米軍が「マイクロ波」兵器を開発【Weekly国際政治】
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9770
(1)米軍が「マイクロ波」兵器を開発
「最先端軍事技術」と聞いたら、ステルス戦闘機、空母、そして弾道ミサイルなどを連想するかもしれない。しかし、最近世界各国の国々が取り組んでいるのが、相手にミサイルや爆弾などのモノを当てるのではなく、レーザー、荷電粒子、音などを当てることで破壊してしまう、「指向性エネルギー兵器」だ。
これまでの電子戦兵器は「ジャミング」(電波妨害)を通じて相手の電子機器に異常を生じさせるものだった。しかし、「ジャミング」を止めてしまったら、相手の機器はまた正常に作動し始めてしまう。「指向性エネルギー兵器」は妨害ではなく、破壊を目的としたものだ。
つい数年前まではSFの世界のものだったが、少しずつ現実化しつつある。
【最近の動き】
最近、米空軍が米ボーイング社とともに「対電子機器高出力マイクロ波先進ミサイル計画」(CHAMP)という指向性エネルギー兵器を開発している。この兵器は、相手の電子機器(コンピューター、制御システム、通信システムなど)にマイクロ波を照射して破壊することができる。
米空軍が2012年、CHAMPをミサイルに搭載し、軍事基地の上空を飛行しながらマイクロ波を基地に向けて照射するテストを行ったことを、英デイリーメールが報じた。
結果は、基地のコンピューターだけでなく、テストを撮影していたカメラさえも破壊してしまったほどだったという。将来的には、飛行中の弾道ミサイルを誘導している内部の電子機器を破壊することも考えられる。
【展望】
このような技術を見ると、電子戦やサイバー戦が国防においてどれほど重要かがわかる。たとえ空母やミサイル、戦闘機、衛星を多数持っていても、それらの電子機器を破壊されてしまえば、使えなくなってしまうからだ。
東アジアの安全保障環境が悪化する中、日本では国防体制を整えることが急務となっている。有事の際に、「気がついたら戦闘機が使えなくなっていた」などということがないように、将来、国の防衛に必要な技術をいまから研究・開発する必要がある。
【関連記事】
2015年6月12日付本欄 日本に適した最新兵器、レーザー兵器の今
http://the-liberty.com/article.php?item_id=9746
「豊かさ指数」ノルウェーが12年連続トップ 高福祉国家は本当に「幸福」か
http://the-liberty.com/article.php?item_id=10639
国連開発計画(UNDP)が毎年発表する国民の豊かさを示す「人間開発指数(HDI)」の今年のランキングが明らかになった。結果は、北欧のノルウェーが12年連続でトップで、日本は20位だった。この順位は国民の平均寿命、教育、所得・生活水準などから算出されるものだ。
ノルウェーといえば、社会保障を充実させようとする文脈でしばしば「理想的」と言われる高福祉国家の代表国。しかし、ほんとうに高福祉社会で「豊かさ」が得られるのだろうか。ノルウェーの実態を少し見てみたい。
◎社会保障をまかなうのは原油の貿易黒字と税金
ノルウェーでは、医療費と教育費が原則無料だ。妊娠から出産までの医療費はすべてタダ。義務教育はもちろん、ほとんどの高校や大学まで学費はかからない。海外からの留学生ですら、税金を納めれば、学費はかからない。
なぜこんなことが可能なのだろうか?
それは、ノルウェーは世界第3位の原油の輸出国で、政府の財源を莫大な貿易黒字が支えているからだ。さらに、国民の所得の半分以上は税金や社会保障費で政府に徴収されている。
◎お金持ちが逃げ出す平等重視
ノルウェーの税金は高い。消費税は25%で、日本の約3倍。おまけに物価も高く、軽く食事するのも1000円以下の店を探すのは至難の業だ。
多くのノルウェー人は最低限の生活費があればそれで十分と考えており、政府の福祉がかなり手厚いので、生活への不満はそれほどない。今回の調査でも、「生活水準への満足度」の項目では世界トップだった。
しかし、経済成長率を見ると、127位とかなり低い。この傾向は数年続いており、経済は停滞気味であることが分かる。
その原因のひとつは、お金持ちが税金逃れのため、海外に逃げていることが挙げられる。ノルウェーでは、平等を求める指向が強く、成功者を妬むカルチャーもある。
そのため、政府はお金持ちからは収入の60%以上の多くの税金を徴収し、社会福祉として再配分する。
経済格差を示す尺度であるジニ係数は低く、極端な貧乏人も極端な金持ちもいない。しかし裏を返せば、努力してお金を稼いでも税金としてとられてしまう、努力が報われない社会ということでもある。これは高福祉社会の大きな問題点だろう。
問題点はそれだけではない。政府がお年寄りの面倒を見るため、家族ではなく若い世代全体として経済的にお年寄りを支える必要があるため、お年寄りが大事にされない社会が出来上がっている。このことが75歳以上の自殺の増加にもつながっている。
◎「大きな政府」の弊害
はたして日本や世界各国はノルウェーを見習うべきか。
そもそも原油が出るノルウェーを、資源がほとんどない日本が見習ったら、破綻することは目に見えている。
また、より重要なのは、高福祉国家ではどうしても「大きな政府」になってしまうことだ。これには大きな弊害がある。
慎ましい幸福で満足し、高い税金を納め続ければ、一生、政府に面倒を見てもらうことができるのは、一見、よいことのようにも見える。
しかし実際には、努力が報われず、お金持ちが逃げていくため、経済が停滞する社会。お年寄りが大切にされない社会ができあがる。さらに、集めた税金をどう使うかを政府が決めるため、「大きな政府」は、大きな権力も持つことになる。
これが本当に日本として目指すべき方向なのかは、よく考えるべきだろう。(真)
【関連記事】
2014年2月22日付本欄 スウェーデンでは子供のしつけができない? 高福祉社会の弊害か
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7393
2013年12月号記事 「税と社会保障の一体改革」という幻想 (Webバージョン) - 編集長コラム
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6890
2011年1月号記事 菅首相、それでも スウェーデンを目指しますか?
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http://the-liberty.com/article.php?item_id=10639
国連開発計画(UNDP)が毎年発表する国民の豊かさを示す「人間開発指数(HDI)」の今年のランキングが明らかになった。結果は、北欧のノルウェーが12年連続でトップで、日本は20位だった。この順位は国民の平均寿命、教育、所得・生活水準などから算出されるものだ。
ノルウェーといえば、社会保障を充実させようとする文脈でしばしば「理想的」と言われる高福祉国家の代表国。しかし、ほんとうに高福祉社会で「豊かさ」が得られるのだろうか。ノルウェーの実態を少し見てみたい。
◎社会保障をまかなうのは原油の貿易黒字と税金
ノルウェーでは、医療費と教育費が原則無料だ。妊娠から出産までの医療費はすべてタダ。義務教育はもちろん、ほとんどの高校や大学まで学費はかからない。海外からの留学生ですら、税金を納めれば、学費はかからない。
なぜこんなことが可能なのだろうか?
それは、ノルウェーは世界第3位の原油の輸出国で、政府の財源を莫大な貿易黒字が支えているからだ。さらに、国民の所得の半分以上は税金や社会保障費で政府に徴収されている。
◎お金持ちが逃げ出す平等重視
ノルウェーの税金は高い。消費税は25%で、日本の約3倍。おまけに物価も高く、軽く食事するのも1000円以下の店を探すのは至難の業だ。
多くのノルウェー人は最低限の生活費があればそれで十分と考えており、政府の福祉がかなり手厚いので、生活への不満はそれほどない。今回の調査でも、「生活水準への満足度」の項目では世界トップだった。
しかし、経済成長率を見ると、127位とかなり低い。この傾向は数年続いており、経済は停滞気味であることが分かる。
その原因のひとつは、お金持ちが税金逃れのため、海外に逃げていることが挙げられる。ノルウェーでは、平等を求める指向が強く、成功者を妬むカルチャーもある。そのため、政府はお金持ちからは収入の60%以上の多くの税金を徴収し、社会福祉として再配分する。
経済格差を示す尺度であるジニ係数は低く、極端な貧乏人も極端な金持ちもいない。しかし裏を返せば、努力してお金を稼いでも税金としてとられてしまう、努力が報われない社会ということでもある。これは高福祉社会の大きな問題点だろう。
問題点はそれだけではない。政府がお年寄りの面倒を見るため、家族ではなく若い世代全体として経済的にお年寄りを支える必要があるため、お年寄りが大事にされない社会が出来上がっている。このことが75歳以上の自殺の増加にもつながっている。
◎「大きな政府」の弊害
はたして日本や世界各国はノルウェーを見習うべきか。
そもそも原油が出るノルウェーを、資源がほとんどない日本が見習ったら、破綻することは目に見えている。
また、より重要なのは、高福祉国家ではどうしても「大きな政府」になってしまうことだ。これには大きな弊害がある。
慎ましい幸福で満足し、高い税金を納め続ければ、一生、政府に面倒を見てもらうことができるのは、一見、よいことのようにも見える。
しかし実際には、努力が報われず、お金持ちが逃げていくため、経済が停滞する社会。お年寄りが大切にされない社会ができあがる。さらに、集めた税金をどう使うかを政府が決めるため、「大きな政府」は、大きな権力も持つことになる。
これが本当に日本として目指すべき方向なのかは、よく考えるべきだろう。(真)
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2011年1月号記事 菅首相、それでも スウェーデンを目指しますか?
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不正会計にゆれる東芝は21日、2016年3月期の業績予想が営業損失は3400億円、純損失は5500億円になると発表した。
赤字幅はいずれもリーマン・ショック後の09年3月期を上回り、過去最悪になる。国内外でグループ従業員の約5%にあたる約1万人を削減し、赤字の大きい家電事業を縮小して、再建を急ぐ。工場の売却や事業統合も検討しており、リストラは今後も続きそうだ。
リストラ費用約2300億円の計上に加え、稼ぎ頭の半導体のメモリー事業の収益が悪化していることが営業損失につながった。
純損失は、工場売却に伴う損失約300億円のほか、利益があがることを前提に税金の前払い分を資産に計上する「繰り延べ税金資産」を約2600億円取り崩す。
長年の不正会計で隠されていた「ウミ」が一気に表に出た形だ。室町正志社長は21日に開いた記者会見で「過去最大の赤字で大変不本意だが、痛みを伴うリストラをこのタイミングで断行することが必要と判断した」と述べた。
リストラの中心は家電だ。東芝はリストラの対象部門の従業員を16年3月までに1年前と比べて1万600人減らす。このうち6800人が家電を手がけるライフスタイル部門。同部門の3割にあたる。
人員削減は国内が5800人、海外で4800人。国内のうち半導体部門で約500人は再配置で東芝に残り、約1100人はソニーへの転籍が決まっている。
残りの約4200人について、多くが早期退職の対象となる見通しだ。海外の4800人は売却先の工場への転籍などによるもので、室町社長は「再生・復活には従業員にご納得していただくことが必要条件になる」と理解を求めた。
一方、財務基盤を強化するため、ヘルスケア事業の中核子会社でCTやMRIなどの画像診断装置を手がける「東芝メディカルシステムズ」の売却を進めることを明らかにした。POSとよばれる販売時点情報管理システムをてがける東芝テックも売却を検討する。
朝日新聞社
弁護士ドットコム弁護士で構成される「安保法制違憲訴訟の会」は12月21日、東京・永田町の衆議院第二議員会館で記者会見を開き、9月に国会で成立した安全保障法制が違憲・無効だとして、集団的自衛権行使の差し止めや、国家賠償を求める裁判を起こすことを発表した。
同会は、高等裁判所がある8つの都市の地方裁判所に差し止め訴訟と国家賠償請求訴訟を起こすほか、その他の各地裁にも国賠請求訴訟を起こす予定。各地の訴訟を担当する代理人として、約300人の弁護士が名乗りをあげているという。
「違憲訴訟の会」の共同代表は、伊藤真、内田雅敏、黒岩哲彦、杉浦ひとみ、田村洋三、角田由紀子、寺井一弘、福田護、堀野紀の各弁護士。今後、安保法制に反対する国民が原告となる形で、訴訟の準備を進めていく。
●「訴訟のゴールは、立憲主義と国民主権の回復」
訴訟では、安保法制の中で、特に違憲性が顕著な活動として、
(1)集団的自衛権の行使(存立危機事態における防衛出動)
(2)重要影響事態における後方支援活動
(3)国際平和共同対処事態における協力支援活動
の3点を中心に、差し止めを求める。
このほか、国家賠償請求として、安保法制の制定によって平和的生存権や人格権などが侵害されたとして、精神的損害に対する慰謝料を求める。
共同代表の伊藤真弁護士は「この訴訟のゴールは、立憲主義と国民主権の回復だと考えている。そのためには、この違憲の安保法制を発動させず、廃止することが必要だ」と意義を強調。「憲法を守ることが、国会議員の最大のコンプライアンス(法令遵守)だ。その当たり前のことを、この国に根付かせなければならない」と訴えた。
「安保法制違憲訴訟の会」によると、今回の裁判の原告としては、戦争被害者や体験者、基地や原発の周辺住民などをはじめ、広く国民に参加してもらうことを想定しているという。申し立て費用や弁護士費用の負担を無償として、気軽に参加できるようにする予定だ。
元裁判官の田村洋三弁護士は会見で、「戦前も、誰もが民主主義を目指していたはずだ。ただそれが、どこかで曲がり角があって、軍部独裁になっていった。そのとき、当時の国民が、マスコミが、議員が声をあげていれば、歴史は違った流れになっていたかもしれない。いま、日本がその曲がり角にいるのではないかという危機感がある」として、裁判への参加を呼びかけた。
毎日新聞 自民党の厚生労働関係など合同部会は17日、低所得年金受給者へ3万円を給付する措置など2015年度補正予算案に計上する厚労分野について了承した。
合同部会での議論は16日に続いて行われ、この日も若手議員を中心に「ばらまき」批判が続出したが、幹部らが押し切った。野党は追及する構えで、年明けに始まる通常国会の補正予算案審議の焦点になりそうだ。
「党の提言に基づいて首相の指示で組まれたものだ」
稲田朋美政調会長は高齢者優遇などを巡る反対意見に対し、こう切り返した。しかし、「政府から言われてうのみにするようでは困る」「政調会長が官邸に言われたから、その通りやるなんておかしい」とさらなる反論が出し、会議は最後まで紛糾した。
3万円給付は1億総活躍社会実現に向けた施策の柱で3620億円を計上。賃金引き上げの恩恵が及びにくい低所得高齢者の個人消費を喚起し、景気底上げを図る狙いだ。
16日の合同部会で「なぜ高齢者ばかりなのか」などと異論が相次いで了承が見送られ、17日も「若者対策もしっかりやるべきだ」などと批判が続出した。
さらに、16日の与党政策責任者会議で、消費税の8%引き上げに合わせて14年度から支給されている「子育て世帯臨時特例給付金」の16年度支給見送りを決めたことから「子育てを切って高齢者に回すという間違ったメッセージを国民に与えることになる」などと警戒する意見も出た。
野党は来年夏に参院選が控えていることから「選挙前に配る合法的な買収だ」(民主党の枝野幸男幹事長)などと反発。来年の通常国会の争点にしていく方針だ。【中島和哉】
サーチナ日本を訪れる中国人が近年、大幅に増えている。買い物が目的の中国人にとって、日本は免税対象品目が広く、さらに円安のおかげで割安感もあるため、人気の渡航先となっているのだ。
爆買いという言葉が注目を集めたとおり、中国人訪日客の主な目的が買い物だったとしても、日本滞在中には様々な点で中国との違いを実感することだろう。では、中国人から見た日本とは、いったいどのような国なのだろうか。
中国メディアの海外網はこのほど、日本の文化は中国に源を発しつつ、西洋の影響も受けて発展してきたことを指摘し、中国人から見ても、欧米人から見ても非常に不思議な点が多々あると主張。
多くの日本人が本当の中国を知らないように、多くの中国人も本当の日本を知らないとし、中国人から見た日本の不思議な点や美点を紹介している。
まず記事が取り上げたのは、日本ではいたるところに水道があり、直接水を飲むことができるという点だ。
中国では一般的に水道水は硬水であるため、直接飲むとお腹を壊してしまう。そのため、水道水を飲みたいならば一度煮沸することが必要だ。
煮沸などの手間もなく、のどが渇いたら水道水を飲めるというのは中国人からすれば驚くことだろう。
また、日本では海賊品や偽物を買い求めるのが困難であると紹介、特に実店舗で海賊品を購入するのは「不可能に近い」と紹介している。
旅行客の立場からすれば、安心して買い物を楽しむことができるだろう。こうした安心感があるからこそ、爆買いも生まれるのかもしれない。
日本では海賊品や偽物を販売することは「商標法」や「不正競争防止法」に抵触し、国外からの持ち込みなどについても厳しい取り締まりが行われているが、中国ではまだまだ海賊品や違法コピーの偽物が普通に販売されている。
北京や上海などでも、繁華街に行けばiPhoneなどの偽物を売っている業者を簡単に見つけることができるほどだ。
中国人が「日本には海賊品がない」と驚くのも無理はない。そのほかにも記事は、日本の治安の良さ、人びとが信号を守ること、街が清潔で野良猫までもが清潔なこと、などを挙げているが、逆に言えばこうした点は中国では見られないことだといえるだろう。(編集担当:村山健二)
官房機密費──首相官邸が使途を明かさず使う年間10数億円ものカネの行方をめぐっては何度も追及キャンペーンが行なわれた。そこで常に立ちはだかるのは、「受け取った側は絶対に明かさない」という不文律だった。
しかし、ついにそのブラックボックスの中身が、当事者の口から明かされた。政府がこの20年間、最大の懸案としてきた沖縄の基地移転問題、それこそが機密費の投入先だったのだ。
証言したのは当時の沖縄県知事。いまに続く政府と沖縄の「禁断の関係」について、12月21日発売の週刊ポスト(2016年1月1・8日号)誌上で、ノンフィクション作家の森功氏が明らかにしている。
森氏は地域振興策に名を借りた沖縄に対する飴とムチ政策について、大田昌秀・元沖縄県知事(90)に尋ねた。大田氏は普天間返還の日米合意の当事者であり、橋本龍太郎政権時代に政府とやり取りをしていたが、そんな同氏から驚くべき話が飛び出した。
「沖縄では戦後復興が遅れ、10代の若い人の就職難が深刻でした。仕事がないものだから、若者が暴走行為を起こす。交通事故の死亡が全国平均の2倍ぐらいに上っていました。私がこれを橋本総理と梶山(静六)官房長官に訴えると、若者を救うためだと50億円を官房機密費から用意してくれたのです。
でも結局、それは若者の就職支援に使われず、本土の官僚たちが奪い合いをして分散してしまった。せっかくの橋本総理や梶山官房長官の好意が報われないどころか、あたかもそれで私が基地を引き受けたなどとまで言われてしまいました」
純粋な就職支援なら、何も官房機密費などを使う必要はない。そこには誤魔化しがあるようにも感じられるという森氏が、大田氏自身にその使い道を尋ねても、本土の中央官僚が分捕って消えてしまったと繰り返すのみだったという。大田氏は森氏の取材に対してこう続けた。
「県庁職員と本土の中央官庁とのつながりもあって、僕の知らない間に使われていたんです。知事になったばかりの頃は、警察、法務局の中に公然と大田をつぶすと言っているのもいたし、基地問題を抱える沖縄は複雑怪奇なのです。
稲嶺(惠一)さんと知事選を戦ったときは、僕をつぶすためだった、と機密費から3億円出したと鈴木宗男(元官房副長官)が暴露したでしょう。官房長官だった野中(広務)さんは否定していましたけど、沖縄には、いろんな裏の裏があるわけです」
森氏は大田氏の他にも現職から2代前の沖縄県知事、稲嶺惠一氏にも取材し、絡み合う基地問題の複雑な事情をひも解いている。
朝日新聞社は19、20日、全国世論調査(電話)を実施した。消費税の軽減税率について尋ねたところ、酒と外食を除く食品全般、新聞の税率を8%に据え置く自民、公明両党合意の内容を「評価しない」は47%で、「評価する」39%をやや上回った。1兆円減る税収をどう補うか、議論が先送りされたことについては「評価しない」68%、「評価する」15%だった。
軽減税率の合意内容について支持政党別でみると、自民支持層は「評価する」46%、「評価しない」39%。公明支持層は「評価する」が8割を占めた。また、2017年4月に消費税率を10%へ引き上げることについては、「賛成」35%、「反対」56%だった。
所得が低いお年寄りや障害者を対象に、1人あたり3万円の「臨時福祉給付金」を配ることに「反対」は54%で、「賛成」34%を上回った。
子育て給付金が来年度廃止される方針となったことについては、「反対」70%が「賛成」20%を引き離した。
来夏の参院選で、野党同士で協力して統一候補を立てることについて尋ねると、「統一候補を立てるほうがよい」は42%、「そうは思わない」33%。「立てるほうがよい」は民主支持層で64%に上ったが、無党派層では41%にとどまった。
「夫婦は同姓」とする民法の規定を合憲とした、最高裁の判断についても尋ねた。「支持する」は58%、「支持しない」28%。一方で、夫婦が別々の名字を選べる選択的夫婦別姓については「賛成」が49%、「反対」40%となった。
過激派組織「イスラム国」(IS)によるパリ同時多発テロ事件後、日本国内で同様のテロが起きる不安については、「大いに」「ある程度」を合わせて「感じる」と答えた人は85%。「あまり」「まったく」を合わせた「感じない」14%を大きく上回った。
安倍内閣の支持率は38%(11月7、8日の前回調査40%)、不支持率は40%(同41%)だった。
朝日新聞デジタル経済成長路線をひた走る中国で、また人災とみられる災害が起きた。広東省深圳市で20日に起きた土砂崩れの現場では、懸命な救出作業が続くが、依然、85人が行方不明のままだ。後を絶たない惨事の背景に何があるのか。
21日朝、流れ出た土砂の数百メートル手前まで記者がたどりつくと、ビルの3~4階相当の高さまで赤土があたりを埋め尽くし、重機などで救出作業が続いていた。ぐちゃぐちゃに崩れた建物が残っており、衝撃のすさまじさを物語る。
「地震のような大きな揺れの後、玄関のドアがドンドンと音を立てた。押し寄せてきた泥水が工場をなぎ倒して行くのが窓から見え、怖くなって逃げた」
近くのマンションに住む女性(40)は発生当時の状況を振り返った。
国営新華社通信によると、埋もれた建物は33棟。工場14棟、事務棟2棟などのほか、住宅も13棟あった。市政府は同日夜、発表していた行方不明者数を91人から85人に訂正した。住民らによると、工業団地は約10年前にでき、多くの出稼ぎ労働者が働いていた。
市中心部で働く会社員の陳闖さん(26)は、土砂で埋まった場所に住む父母と3歳の娘と連絡が取れていない。娘を両親に預け、週末に会いに来る生活だった。
土砂崩れ発生の30分ほど前に両親に「これから会いに行く」と電話していた。車で両親宅に向かう途中で土砂崩れが起き、引き返すしかなかったという。「いつもは週末に娘を遊びに連れ出すのに、今週末はできなかった」
現場は深圳市郊外。山のふもとに工業団地や畑が広がる。土砂は団地の裏手にある山側から流出し、東京ドーム8個分にあたる約38万平方メートルを埋めた。
山の谷間は2年ほど前まで採石場だったが、その後、主に地元の公共工事などで出る残土や建築廃材を受け入れる土砂置き場になっていた。
朝日新聞社
毎日新聞 【深セン・工藤哲】建物をのみ込んだ赤土がどこまでも広がり、20台以上の重機がひっきりなしに土砂を掘り返す。中国広東省深セン市の工業団地で起きた土砂崩れの現場では21日、懸命の救出活動が続けられた。
だが、土砂が襲った範囲はあまりにも広く、捜索隊員の活動範囲は一部にとどまる。規制線が張られた現場周囲では、地元住民らがぼうぜんとした様子で救出活動の進展を見守っていた。
現場は工場や出稼ぎ労働者の宿舎などが建ち並ぶ一帯。土砂崩れの様子をとらえた映像では、4階建てほどのビルが押し寄せてきた土砂にのみ込まれ、ごう音と砂ぼこりを上げながら、一気に崩れ落ちた。労働者らが「逃げろ」と叫びながら現場から必死に逃れた。
発生から30時間以上が過ぎた現場では、21日夜もサーチライトが照らす中を捜索隊員が救助犬とともに傾いた建物などの下に生存者がいないか捜し続けた。
ただ、救出されたのは21日夜の段階で7人にとどまり、焦りも出始めている。現場付近の主要道路には、数十台の消防車両などが連なって停車し、巡回のパトカーが頻繁に通りかかるなど緊迫した空気に包まれた。
一方、現場から約5キロ離れた体育館には、土砂崩れで行き場を失った人たち100人余りが集まり、布団にくるまり夜を迎えた。
妻子とともに河南省から工業団地に出稼ぎに来たという李海全さん(39)は「作業場は土砂崩れで使えなくなった。いつ戻れるのか全く見通しが立たない」とカップ麺を口にしながら不安そうに語った。
体育館には大勢のメディア関係者も詰めかけたが、警備関係者が時折撮影を制止するなど、「人災」との見方が強まる中で当局側も神経質になっている様子がうかがわれた。
中国メディアによると、中国広東省深●(=土へんに川)市の土砂崩れが起きた現場周辺では、高さ100メートルにも積み上げられた残土の山の危険性を地元住民が指摘し、地元政府にも訴えていた。しかし、当局が放置して何も対応を取らなかったという。
習近平政権下では、「反腐敗」や「批判と自己批判」といった大規模な政治キャンペーンが次々と展開されてきた。
中央や地方の官僚は権力闘争に明け暮れ、多くの公務員は、出る杭(くい)は打たれるとばかりに事なかれ主義を決め込み、「サボタージュ」が全国に蔓延(まんえん)していた。これが今回の「人災」につながったと指摘する声がある。
北京の共産党関係者によると、広東省は反腐敗キャンペーンで重点的に狙われた地域だ。これまでにも朱明国・同省政治協商会議主席や、万慶良・広州市党委書記ら多くの大物政治家が失脚し、その側近とされる幹部も多くが粛清された。
深●(=土へんに川)市を含め、多くの公務員は戦々恐々の状態で、とても積極的に仕事できる環境ではないという。
今回の問題でも、「事前に対応すれば予算を組んで業者に発注する必要が出てくるが、『業者と癒着している』などと政敵から攻撃されかねない。担当官僚にしてみれば何もしない方がよい」(先の関係者)といった声が聞かれる。
胡錦濤時代と比べ、全国的に行政効率が下がっているとの指摘もある。8月に天津市で起きた倉庫爆発事件のほか、北京などの大気汚染問題が好転しない背景も、こうした官僚の心理があるとされる。
北京の改革派知識人は「汚職官僚の摘発には賛成だが、政治運動という形ではいけない。公務員の労働意欲がますます低下し、このようなことが今後も起きる可能性がある」と話した。(北京 矢板明夫)