十人の王ともう一人の王
聖書の幻で、頭と言うのは王国または王様を表わしています。この帝国に4人の王様がいたということでしょうか。その通りなんですね。アレキサンダー大王が、インドのガンジス河のあたりまで、征服したときに、そこまで征服を成し遂げて、地面をたたいてこう言ったそうです。「もう、これ以上征服すべき国がない」と。しかし彼は、自分の国に戻る途中で、お酒を飲みすぎて倒れて死んでしまいました。
彼はまだ33歳で若かったのですけれども、部下の将軍たちが、死にかけている彼に質問しました。「王様、あなたはこれだけの広大な場所を占領なさいました。今死なれたら、誰がその後を継ぐのでしょうか」。その時のアレキサンダーの有名な言葉が残っています。「最も強い者が後を継ぐ」と。そして彼は死にました。アレキサンダーには4人の将軍がいて、互いに後継争いをした結果、ギリシャ帝国は4つの国に分裂しました。4人の王、まさに聖書の通りでした聖書の言葉が歴史的に成就したんです。
第4の獣は、非常に恐ろしい姿をした獣でした。鉄の歯、鉄の爪を持っていました。何でも壊し砕いて、人々を八つ裂きにしていきました。非常に乱暴で残酷な獣でした。これは、歴史的に見て、ローマ帝国以外の何者でもありません。
イエス様はローマ兵の鉄の釘によって磔(はりつけ)にされました。十字架刑に処せられました。しかしやがて、そのローマ帝国を表わす獣の頭から、10本の角が生えてきました。つまりそれは、このローマ帝国が後に10の地域、あるいは国に分裂するという事を表していました。実際にその通りに歴史は成就して行きました。さらに別の小さい角が生えてきました。それによって以前の10本の角のうち、3本の角が根こそぎ抜かれてしまいました。
そして、この小さい角の権力は、人間のような姿、顔をしていました。神に対する冒涜を吐いて、大言壮語したのです。ほかの角とは様子が違っていました。これは神の民を迫害し、神に対して汚しごとを語る宗教権力でした。
ダニエル書7章を読み進めていきますと、この小さい角の権力についてさらなる描写を読むことができます。24節にこう書かれています。「十の角はこの国から興る十人の王である。その後にまた一人の王が起こる。彼は先の獣と異なり、かつ、その三人の王を倒す」。これは宗教権力でありながら、政治権力を握っており、そして他の10人の権力とは違っていたのですが、この小さな権力が台頭すると、他の3つの王たち、もしくは王国が倒されてしまいました。この小さい権力に対抗した3つの国、地域は、その小さい角によって結局制圧されて倒されてしまったのです。
25節によりますとその小さい角の権力は、いと高き者に対して言葉を出すとあります。そして、時と律法を変えようと望むとあります。これは、特に礼拝の時を変えようとする権力ということです。