3、小さい角
ダニエルは第四の獣にある角の動態を注意深く見ているうち、異なる小さい角がその間から出てきて来るのを見ました。「わたしが、その角を注意して見ていると、その中に、また一つの小さい角が出てきたが」(8節)。ダニエル7章は四つの獣の中で、第四の獣について多くの言及をしていますが、中でも第四の獣の十の角の中から出る小さい角の正体と、それがすることについて詳細に描写しています。それでは、小さい角の正体について説明する聖句をもう一度探って見ます。
ダニエルが見た啓示 : 「わたしが、その角を注意して見ていると、その中に、また一つの小さい角が出てきたが、」(ダニエル7:7,8)
み使いの解釈:「十の角はこの国から起る十人の王である。その後にまたひとりの王が起る。彼は先の者と異なり、かつ、その三人の王を倒す。彼は、いと高き者に敵して言葉を出し、かつ、いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。聖徒はひと時と、ふた時と、半時の間、彼の手にわたされる」(ダニエル7:24,25)。
私たちはここに出てくる聖句を、注意深く考察する必要があります。なぜなら、小さい角は、歴史の中で活動してきた偽キリストの勢力を意味するからです。この問題において誤った理解をしないように、第二部では、ダニエル7章7,8節、そして24,25節に描写された小さい角の9つの特徴を一つずつ注意して見ることにし、次の三部では、小さい角に対する宗教改革者たちの見解をみてみたいと思います。
私たちは偽キリストの勢力について、漠然とした想像や推測をする必要がありません。なぜなら、ダニエル書7章が描写する小さい角の正体は歴史的に見て非常に明白だからです。誰も聖書が示す偽キリストが何であるいかに対して反論することは出来ないでしょう。加えて、ルーテル教会、長老教会の創始者であり、宗教改革運動の中心であったマルチィン・ルター、ジョン・カルヴァンや、メソジスト教会の創始者ジョン・ウェスレーたちが小さい角の正体について何と言ったかを注意して探って見ることは、小さい角の解釈をより確実にすることでしょう。では、聖書が語る小さい角の9つの特徴をみてみましょう。