連れ合いは、私が山へ行くことには特に異議は唱えませんでしたが、冬山に登ることを心配している様子でした。
私は、しっかり準備をして行くことを約束し、連れ合いの心配を少しでも減らそうとしました。
最近よく脚を運ぶようになった登山用品店を訪ねては、カラビナやスリング、その他の登攀具を少しずつ買い足しました。
また、次の例会で会長さんから渡された地形図を見ながら、根子岳南峰を目指すバリエーションルートを調べ始めました。
最近の登山地図アプリの進歩は目覚ましいものがあります。
GPSを使い、登山している自分の位置情報をスマホの地形図で確認できるだけでなく、過去にそのルートから目標地点を目指した他の登山者のルートと見比べながら登ることができるのです。
余りにもスマホ頼りの登山ですが、GPSが入る限りは最も頼りになる最新機器なのです。
私は、過去にバリエーションルートで根子岳南峰を目指したパーティーの記録を探し出し、会長さんから頂いた地形図に赤鉛筆で正確にルートを落とし込みました。
昔から地形図を見ることは好きでしたし、実際の地形と地形図を見比べることで、地形図を見て地形を想像することもある程度はできました。
今回、会長さんが行こうと計画していたのは “地獄谷” から根子岳南峰を目指すルートです。
“地獄谷” ・・・名前を聞くだけでも恐ろしい響きがあります…